ダイアナ・クラールを聞きに・・・ [ジャズ]
ダイアナ・クラールのコンサートへ行ってきました。
ホールで聞くコンサートは久し振り、ましてや外国人ミュージシャンのコンサートというと、ほぼ30年振りのことではないかと思います。
ダイアナ・クラールはカナダ出身のジャズ歌手兼ピアニストです。グラミー賞を4回も受賞しているそうです。1990年代以降でもっとも成功したジャズ歌手の一人だそうですが、勉強不足のせいか、最近はジャズの新しい歌手の登場あまり聞きませんね。
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2015/11/04
- メディア: CD
ツアーのタイトルにもなっている最新のアルバムです。イーグルスとかポール・マッカトニー、ボブ・ディランの曲などをカバーしています。独特のハスキーボイスですが包み込むような暖かみのある声です。
時代は変わりましたね。チケット、コンビニで受け取れるのですね。それにしても15,000円、高くなったものです。私が若い頃、有名なジャズミュージシャンのコンサートでもレコード一枚とあまり差がない金額でした。チケット代が高くなったのか、レコード、CD代が値上がりしていないのか。
閏年の2月の最後の日は、風が冷たい日でした。少し早い昼食を済ませて午後大阪に着きました。コンサートは19時から開始なので時間があります。普段行けないヨドバシカメラやグランフロント、阪急百貨店、第三ビルなどを冷やかして歩きました。
大阪駅とその周辺はここ数年、めざましく変貌を遂げていて、すぐには自分のいる場所がどこか確認出来ず戸惑うことしばしばです。北口に出て、ヨドバシカメラのビルがすぐそこに見えているのにストレートに行けなかったりします。
コンサート会場は中之島にあるグランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)です。行ったことがない会場ですが中之島へは昔何度か行ったので、今回もバスを使う事にしました。ところがバス乗り場も工事中で変更されていてここでも少しウロウロしてしまいました。
夕方の堂島大橋を渡ります。明日から3月というのに風が冷たい。
正面に見えるビルが大阪国際会議場です。5階に今夜の会場、グランキューブ大阪があります。
正面玄関、こんな大きなビルの中にホールがあるのですね。私が知っているホールは独立した建物ばかりだったので、ホールがビルの中にあること自体驚きです。
5階に上がるとすでに大勢の人が来ていて係員によって並ばされていました。開場は18時からですからあと10分ほどあります。チケットを持っているのに並ばされることに疑問を感じている人が何人かありました。私もその一人でしたが。
私の席はS席です。A席とは千円しか違わないのでSにしたのですが、席に着いてみてびっくり、確かに1階席ではありましたが後ろから数えて5列目くらい、しかも右の端の方です。15,000円出してここかい、という感じです。
私の席からステージまでこれだけの距離があります。これではとても演奏者の顔は見えません。スタジアムではないので、大型の液晶ディスプレイもありません。ここはコンサート会場と言うより、文字通り会議場なのではないでしょうか。
開演まで少し時間あったのでロビーをウロウロ、窓から夕暮れが迫った中之島対岸です。
外の景色が暮れ始めてトワイライトムードに包まれる頃、会場もどうやらいっぱいになってきました。
遅れて来る人が多くて、予定の19時を過ぎても会場はざわついています。ほとんどの観客はラフな服装ですが中にはスーツ姿の人も。そう言えば今日は月曜日です。
5分ほど遅れて、ようやく照明が暗くなり、ステージが青い色に浮かび上がりました。バンドのメンバーが一人ずつ入場して、それぞれの楽器の前にスタンバイ、最後にダイアナ・クラールが登場、大柄な女性です。彼女は一礼するとグランドピアノの前に着席しました。
演奏が始まると席の悪さも忘れるほどすぐにご機嫌な気分に引き込まれます。音も思ったより良くて、とくにピアノをはじめ楽器の音はかなりクリアに聞こえていました。
暗く落ち着いた照明でショーアップされたステージ、ダイアナ・クラールもバンドの面々も遠くて顔は見えませんが仕草は分かります。リズムに合わせて彼女がピアノのペダルを小気味よく踏みながらジャージィに歌う姿に、引き込まれて身体が揺れます。
ダイアナ・クラールは最新のアルバムでポピュラー曲をカバーしているので、少しジャズから離れたものになるのかなと思っていたのですが、しっかりと自分の立ち位置をわきまえてジャズしているのが嬉しく思えました。
ただ、一曲目を歌い出してすぐの間奏の時、彼女がステージ袖口に向かってハリーアップとばかりに腕を振りました。一曲目が終わると袖からスタッフが小走りに出てきて何かを彼女の傍らに届けました。
この夜の彼女の声は想像以上にハスキーでした。歌だけでなく話す声もです。歌う声は少し重くさえ感じられました。CDで聞いていた彼女の声は年齢的な違いもあるのでしょうがもう少し伸びやかです。
1.2回、小さな咳をする場面がありました。歌手がステージで唄っている最中に咳をするのは珍しいことです。どうやら体調が悪そうです。傍らのコップで喉を潤しました。先ほどスタッフが持って来たのは、喉を潤す飲み物だったようです。
Summer Samba、On the Sunny Side of the Street、ボサノバ、ジャズの名曲、知っている曲が演奏されると嬉しいものです。
歌の前に彼女は曲紹介というか、何か少しお喋りをするのですが、外国のタレントのコンサートに来ていつも歯がゆい思いをするのが、言葉の壁です。ジョークを言っていても反応出来ないのは残念です。何度かソリ-と言っているように聞こえたのは、声の調子の悪さを謝っていたのでしょうか。
演奏の方も、彼女の調子の悪さを隠すためか、負担を減らすためかバンドのソロがよくフューチャーされていました。ギターとバイオリンがよく歌ってましたね。
他にはベース、キーボード、パーカッションという編成です。演奏がある程度進んで、一度バンドがステージ下に下がりました。ダイアナ・クラールのピアノ弾き語りの始まりです。
Quiet Nightはしみじみとして良かったですね。喉の調子が悪いので少し唄いにくい箇所もあったようですが、しっとりと聞かせてくれました。
一番盛り上がったのはCalfornia dreaminでした。彼女が最初のフレーズを歌い出すと客席から大きな拍手が起こりました。アルバム「Wall Flower」収録曲です。メロディ的にも親しみ安い曲です。
ひとつのコーナーを形成するくらい彼女の弾き語りがあるのかと思ったら、数曲だけでまたバンドメンバーが再登場して1.2曲演奏、それで今夜のステージは終わりです。もちろんお約束のアンコールがあって、アンコール曲にしては長い曲、二つ演奏してくれました。
前列の方でスタンディングオベーションをしている人影がありました。後ろの方では私の右隣の東南アジア系のご夫婦だけ立ち上がって拍手をしていました。
場内に明かりが灯った時、20時半を少し過ぎていました。約一時間半のコンサートです。最近はコンサートに全然行っていないのでこんなものかと思ったのですが、隣の席の男性客は席を立ちながら「ダイアナ・クラールもっと歌えよ」と毒付いていました。
久し振りのコンサートホールで聞くライブ、ダイアナ・クラークの調子はどうやら万全ではなかったようですが、それでも私は十分に楽しく堪能した気分でした。ただ、私の席の近くの女性たちが、「良かったわね。でも出来たらもう少し前で聞きたかったわ」と言う言葉は、私のわずかな不満を代弁しているように思いました。
ダイアナ・クラールは知らないのですが素敵な歌声に聞き惚れました
テンポの良いジャズですと自然と身体が揺れて気持が高揚して来るのが解ります。
コンサートは高くてなかなか行かれませんが
15000円はビックリするお値段です
歌手のコンサートとしては高額ですね
もしかしたら外国の歌手の相場なんでしょうか。
でも高くても満足のいくコンサートでしたら値段に返られませんね^^
風邪で声の調子が今ひとつだったのが残念でしたが。
by yoriko (2016-03-05 23:03)
¥15000+交通費だとかなりの出費になりますね、
ライブだと事前夕食(お酒付き)にライブ費用+会場での飲食
=¥1万円以下ですね。 q(^_^)p
by himanaoyaji (2016-03-06 07:32)
私はコンサートには行きますがもっぱらオーケストラです。このホールは知りませんでした。大阪ならばやはりフェスティバルホールですね。
by takenoko (2016-03-06 08:20)
大阪まで聴きに行かれたのでやすね。
体調の悪いときのステージは、演者さん辛いでやすね。
観客としては、運が悪かったという感じでやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2016-03-06 16:47)
静かな歌いぶりですね。
by 夏炉冬扇 (2016-03-06 18:46)
ダイアナ・クラール、まったく知らなかったのですがいいですね。
僕も聴き込んでみます。
いつものごとくご紹介に感謝感謝です。
ライブレポートもそこに座っているような臨場感を感じさせて頂きました。
"調子はどうやら万全ではなかったようですが、それでも私は十分に楽しく堪能した気分でした"
色んな方面で考えさせられるコメントです。
by b.b.mk2 (2016-03-06 19:41)
yorikoさん
こんばんは
選曲は比較的アップテンポの曲が多かったように感じました。
15000円、高いですよね。
この辺もしばらく私をコンサートから遠ざけていた理由の一つです。
でもこの値段あたりが外タレだと最低ラインの相場なのではないかと思います。
今度のボブ・ディランなどはSS席で25000円ですからね。
マドンナはドームのSS席で50000円、最低で14000円してましたね。
それでもチケットなくて、プレミアがついていたりしていたようです。
老若男女、みんなが気楽にコンサートに行ける時代に成ったのはいいことですが、そう度々は行けないですね。
by そらへい (2016-03-06 21:38)
himanaoyajiさん
こんばんは
ライブ・コンサートでも日本人ミュージシャンだと
なんとか1万円以内で収まりそうですが
外国のミュージシャンはやはり高くつきますね。
ま30年ぶりなので、割ると一年単価としては・・・
by そらへい (2016-03-06 21:46)
takenokoさん
こんばんは
オーケストラですか、
そっちはもう40年ほど行ってないかもしれません。
近くに琵琶湖ホールがあるのですが。
フェスティバルホール、新しくなったのですよね。
by そらへい (2016-03-06 21:48)
ぼんぼちぼちぼちさん
こんばんは
このクラスのコンサートは大阪まで行かないと聞けないですね。
演者にとっても観客にとっても
最高のパフォーマンスでなかったことは残念でしたが
雰囲気というか、臨場感と言うか
そういうものはアクシデントも含めて
その場にいないと味わえないものですね。
by そらへい (2016-03-06 21:52)
夏炉冬扇さん
こんばんは
いい歌が多くて、選ぶのに苦労しました(笑)
by そらへい (2016-03-06 21:54)
b.b.mk2さん
こんばんは
ダイアナ・クラール私もCD一枚持っていただけだったのですが
コンサートに行くと決まってから他のCD何枚か聞きましたがいいですね。
帰ってからもCDを聞き返したり、近くで見ることができなかった
ダイアナ・クラールのパフォーマンスを
YouTubeにアップされている動画をテレビ画面に写し出すことで補ったり、
コンサートの余韻に浸ったりしています。
私にとっては、久々のコンサート
行くということが一つのエポックメイキングなことでもありました。
そんなこんなを考えると、15000円も決して高くないのかもしれません。
by そらへい (2016-03-06 22:11)
そらへいさん こんにちは 久し振りに出て来ました
ダイアナ・クラ-クさんのコンサ-トに行かれ感激一杯ですね
私が大阪に居る頃は、大阪フェステバルホ-ルと言って居ましたが
もぅ何十年も前の事です。堂島大橋、良く歩きました。懐かしいです
もぅ 此処では、この様な演奏は聴かれません 福岡へ行けば別です
様変わりした大阪、初めて見ました。
グ-ルの地図で、働いていた会社を捜しましたが有りません
大阪市福島区鷺洲通1丁目です 前は鷺洲公園が有りました
本当にすべてが夢の様に変わって仕舞っています
もぅ行っても歩けないでしょうネ~ 一度はいきたい所です
では また 出て来ますけんで 懐かしい処、有り難う!
by yasumichi! (2016-03-07 16:45)
yasumichi!さん
こんばんは
そうですか、福島あたりがかつてのお勤め先でしたか。
すっかり変わっているのでしょうね。
大阪駅もずいぶん変わりましたよ。
久しぶりに行くと迷います。
フェスティバルホールも数年前に建て替えられて
今では立派なビルになっているはずです。
今度行ったら、写真アップしますね。
by そらへい (2016-03-07 21:56)
クライミーアリバー、いい曲です。
by しばちゃん2cv (2016-03-07 22:17)
しばちゃん2cvさん
こんばんは
クライミーアリバー、
ジュリーロンドンが有名ですね。
by そらへい (2016-03-07 22:26)
コンサートのチケットは前の席を確保するのは
至難の技でしょうね。
歌手の人たちの体調管理は大変でしょうね。
どんなに木を付けていても避けられない時も
あるのではと思ってしまいますね。
でも生の声を聴けるコンサートは素晴らしいですよね。
by yoko-minato (2016-03-08 08:33)
yoko-minatoさん
こんばんは
本当に、前の席をゲットしている人たちは
どんな人、どんなワザを使っているのでしょうね。
何の仕事でも、プロとなると簡単には休めませんが
ライブの歌手や役者さんは体調管理、大変でしょうね。
休むと影響が自分だけにとどまりませんからね。
芝居、音楽何でもそうですが
ライブはその場にいる雰囲気が何とも言えずいいですね。
by そらへい (2016-03-08 22:18)
ダイアナ・クラールさん きれいな方ですね〜
チケットが15000円ですか!
我が家は二人で行くことが多いので、
15000円は考えてしまいますね^^
by タックン (2016-03-09 19:59)
ダイアナ・クラールは存じ上げないのですが、ベストな状態でなかったようですが、それでも極上のひと時を過ごされたことと思います。
私もチケット代と時間が許されるのであれば、いろんなライブコンサートに行きたいところです。
by ケンタパパ (2016-03-10 18:42)
いかれましたか!!
自分も行こうかなと迷ってました・・
結局日程があわずにやめておきましたが・・
やはりいったらよかった・・・
東京にも同じようなので東京国際フォーラムがありますが同じような構造ですね。
やはり大阪フェステイバルホールとか渋谷オーチャードホールとか
の方がいいですね、以前Tザ・カルテット ハービハンコック ウエインショーター ロンカーター ジェックデジョネットを国際フォーラムでみましたがやはり音楽ホールの方がよいですね。
by ken (2016-03-12 00:33)
タックンさん
おはようございます
もちろん一人で行きました。
我が相方とは様々な趣味が合わず、
こういう場合経済的です(笑)
コンサート、今まで、チケット代と会場の遠さに
足が向きませんでしたが歳が歳ですから
たまには思い切って行ってきました。
by そらへい (2016-03-12 09:10)
ケンタパパさん
おはようございます
そうなんですよね。
私にとっては非日常、何よりも楽しいひとときでしたね。
また30年振りと言うことは、
子育てや生活、いろいろな時を経て
ようやく出かけて見ようという心境に
なれたと言うことでしょうか。
この隙間をうまく利用しないと
すぐ老境とか病とかが待っていそうです。
by そらへい (2016-03-12 09:16)
kenさん
おはようございます
ダイアナ・クラールの公演
東京では追加公演があったそうですが
大阪は当日売りもあったそうです。
国際フォーラムは東京ジャズを毎年催していますね。
こういう会場は音楽ホールと言うよりイベント会場に近いのでしょうね。
ドームほどではないけれど多くの観客を大量に入れたいときに
使われるのだと思います。
もっと近くで鑑賞できる小さなホールがいいですが
チケット代がさらに高騰しそうですね。
by そらへい (2016-03-12 09:21)