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雨の休日 [ジャズ]

 暑いですね。近畿地方は軒並み35度越えの猛暑日を記録しています。今年は梅雨の期間、比較的しのぎやすかったので、なんとなく楽観していたのですが、さすがに7月の終わり頃から本格的に暑くなってきました。

 昼間の熱気をため込んで、私の部屋は午後9時現在32.1度という有様です。あまり暑いので、買い物に行ったついでにニトリでこんなものを見つけて買ってしまいました。

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 アナログラジオ風の外観をした卓上扇風機です。これを机の右に置き、左からは普通の座敷用扇風機で、左右ステレオで風を送ってます。生暖かい風なのですがないよりましです。

 梅雨明け3日とか梅雨明け10日とか言いますが、当地、先月18日に梅雨明けしてから雨が降りません。降ったのはたったの一日だけです。人間も畑もカラカラで干からびてしまいそうです。

 今夜はその貴重なたった一日の雨の日の話です。その日はたまたま仕事が休みでした。世間一般では休みの日が雨だと面白くないものなのでしょうか、私はなんだか得した気分になります。

 雨が降っているので外仕事をしなくても済みます。部屋でゆっくり音楽を聞いたり本を読んだり思いのままです。おまけにその日、妻は朝からお寺の用事でお出かけです。したがって、孫も来ません。

 思わずのびをするように「今日はゆっくり出来るなぁ」とつぶやいてしまったら、すかさず「いつもゆっくりしているやン」と妻が言い返してきました。

 誰もいないので居間でゆっくりテレビなど見ることもできるのですが、やはり家人がいてもいなくても、ゆっくりするのは我が自室、そらへい庵です。

 このところジャズアルバムをAから順番に聞く企画、アート・ペッパーで止まったままになっているのが気になっているので、まずはその再開です。

 アート・ペッパー、私のお気に入りはいずれも前期のアルバムです。

Art Pepper Meets The Rhythm Section

Art Pepper Meets The Rhythm Section

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ojc
  • 発売日: 1988/12/01
  • メディア: CD

 とか

Modern Art

Modern Art

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Blue Note Records
  • 発売日: 1991/09/09
  • メディア: CD


ジ・アート・オブ・ペッパー

ジ・アート・オブ・ペッパー

  • アーティスト: アート・ペッパー,カール・パーキンス,ベン・タッカー,チャック・フローレス
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2014/12/03
  • メディア: CD
 などが好きで、いわゆる麻薬過から立ち直った後期のレコードは一枚も持っていませんでした。
 アート・ペッパーには二つの評価があって、ペッパーは主に50年、60年代の演奏を聴けば十分と言う人と、麻薬過から立ち直ってカムバックした1970年代後半から亡くなるまでの演奏を評価する人に別れます。
 私は圧倒的に前者でした。20歳代の頃はこの3枚のレコードしか知りませんでしたし、これらばかり聞いていました。20代の後半、彼がカムバックして来日すると言うので期待したのですが、来日時の写真を見て愕然としました。
 年齢的には、20年ほどの差があると思うのですが、それにしてもこうも劣化してしまうものなのでしょうか。まるで別人、やはり麻薬がかくも恐ろしい変化を外見的にも与えてしまうのでしょうか。
 
 若い私は、この変化が許せず、せっかくの来日公演も無視してしまいました。今から思うと絶好の歴史的ライブにたちあえなかったのは返す返すも残念です。
 復帰後、ペッパーは日本中を回って人気を博したそうです。それから私も歳を取りました。あちこちでペッパーの復帰後の評価を聞くにつれ、晩年のペッパーも気になり、ここ十年あまりの間に、何枚かレコードを購入しました。
 まだ、全てちゃんと聞けていないのですが、アルトサックスの音の艶、流れるようなインプロビゼーションの自在な冴えや軽快なテンポはやはり前期の演奏に敵わないと思います。後期のペッパーはやはり外観同様別人のようです。
 
 ただ、ややぎこちないながらも、切々と迫ってくる魂を込めた演奏が、人を引きつけるのだと思います。後期のペッパーの音を乾いた音と評する人があります。

DSC_4244.JPG アートワークス/アーチスト・ハウスのアート・ペッパー 

 これはペッパーが1982年6月に突如脳出血で亡くなった後から発表されたアルバムで演奏は1979年のものです。晩年、よく組んでいたジョージ・ケイブルがピアニストとして加わっています。 

 アルバムの最初はペッパーのアルトソロで始まります。「ボディ・アンド・ソウル」どこかぎこちなさを感じさせながら、彼は己の中にある声を絞り出すようにせつせつと演奏しています。そしてよく耳を澄ますと、若い頃から聞き慣れたペッパー節を聞くことができます。

 このアルバムB面にも同じく無伴奏でユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッドが演奏されていてペッパーファンにはたまりませんね。

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 このところジャズを聴くときは、satoshi君の大迫力システムに影響されてYAMAHAのトランジスタアンプA-2000aの低音をブーストさせ、さらにモノラルカートリッジで芯の太さを出し、JBL4312Dをめいっぱい鳴らすかのように大きな音で聞いていました。

 この日は雨で気温も低かったので久し振りに真空管アンプをチョイス、カートリッジはオルトフォンMC20、スピーカーはCelestionのUL6という組み合わせにしたのですが、その優しく暖かい音色はペッパーのこの演奏にぴったりな気がしました。

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 そうやってしみじみ聞くと、ペッパーの晩年の顔、味わい深いですね。




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