気がかかりなこと

　もう夏ですかね。連日屋外温度は30度を越えていますし、ここ数日は蒸し暑さも加わってきました。5月でこの気候はないだろうと思っていたら、もう6月に入ってしまいました。

　昨夜は当地、急激な雷雨でした。急に窓の外がざわつきだしたかと思ったら、ブラインドが揺れ冷たい風が吹き込んできます。同時にパラパラと雨音が始まりあとはお決まりのたたきつけるような雨です。

　雨音の向こうから雷鳴らしき音がしだしました。初めは遠かったのですが次第に近づいてくる気配、閉ているブラインドの隙間から稲光が漏れます。小一時間ほどだったでしょうか、かなり長い間鳴っていたように思えました。そのうちの1.2発、近くで落ちたような光りと激しい音がありました。

　今年の初めの頃からでしょうか、自分のことで気がかりなことがあります。なんとなくいろいろな事に意欲が湧かない、減退している気がするのです。

　これと言って原因になることは思い当たりませんが、この十年、職場を変わった頃から、ブログをきっかけに写真や野鳥、山歩き、畑、ペン習字など新しいことに取り組んできたのですが、どれも以前ほど意欲が沸きません。

　暑くなって屋外が騒がしくなってくると、田んぼの用事とか畑、草刈など屋外ですることが増えてくるのですが、時期が来たから仕方無くしているという感じで、もう一つ積極的な気分になれないでいます。

　カメラも持ってはみるのですが、持ってもどこかに出かて写真を撮るわけでもなく、申し訳程度に家の周りを写して終わってしまいます。

　どこか身体に異変でも起きているのでは無いかといぶかるのですが、草刈や田植え、畑仕事など、いざ外へ出て動いてみると普通に動けるので楽観しています。

　寒い間は、暖かくなって来たら自然に動き出すだろうと自分に期待していたのですが、いつの間にか暖かさを通り越して暑くなってきたというのにいっこうに盛り上がりません。それどころかこの暑さでいよいよ意欲は減退しています。

　この間も珍しく3連休があったので、畑でタマネギを起こしたり、草刈をしたり、車を洗ったりとやるべきことはやってしまうと、あとは部屋に籠って音楽を聞きながら読書という冬のような生活に戻ってしまいます。

　

　SP-LE8Tを導入したことが大きいのでしょうか。その居心地の良さについ部屋に戻りたくなります。SP-LE8Tの前に陣取って、コーヒーやお酒をいただきながら好きな音楽にどっぷり浸かっていく、その魅力に嵌まってしまったのでしょうか。

　しかし、いつも音楽をSP-LE8Tで聞いているわけでは無く、普段はトランジスタアンプに繋いだパソコンからインターネットラジオの曲やCDを別のスピーカーで聞いています。

　そのお供に読んでいる本は、部屋にあった山本周五郎全集です。もちろん全巻揃えているわけでは無いのですが、もう忘れている気がして読み直しました。「おさん・あすなろう」「夜明けの辻、新潮記」とくに「おさん・あすなろう」の短編集が良かったですね。

　山本周五郎全集は5巻ほどしか揃えていないので、別の巻がないかと古本屋に行ったら思いがけず藤沢周平全集を見つけたのでこちらを数冊求めました。

　彫り師伊之助のハードボイルドな捕り物、一部文庫本で読んでいましたが改めて読むと、著者の精細な文章と江戸情緒に引き込まれます。一巻通して読むとその力作ぶりに敬服します。

　今は、伊之助の物語より少し明るく軽いタッチの捕り物、獄医立花登手控えです。こちらは文庫本で読んだのかどうかあまり記憶がありませんが読んでいて楽しく、藤沢周平ワールドに包まれている心地良さがあります。

　この古本、中を開けてみると前の持ち主、読んでいなかったのでしょうね。紙面がまっさらで気持ちよいのです。昔はハードカバーの本は持ちにくいので敬遠していましたが、部屋で読む分には気になりません。

　夜は、少し早めに風呂に入ってからウィスキーの水割りを飲みながら、真空管アンプに火を入れ、お気に入りのジャズレコードをあれこれ探してSP-LE8Tで聞いてます。

　新しく導入する機器もあれば、長年使っていて調子を落とす機器もあります。何せ全体がほとんど中古機器で構成されている我がガラクタオーディオです。最近はプリアンプの調子悪くなったりプレーヤーのオートリフトアップが効かなくなったりしていますが、何とかやりくりして聞いています。

　そうして考えてみると、外へ出るのが嫌なのでは無くて、ただ部屋の中が居心地が良いと言うだけなのかも知れません。それに熱しやすく冷めやすいのは私の性格、単に今までの趣味に飽きてきたのかも。

　新しい趣味を見つけたときの新鮮な驚きと初めの情熱に比べると、そのあとを続ける日々はどうしても下降線を辿りがちです。それにいつまでも昔と同じというわけには行きませんね。加齢による根気のなさなども関係あるかなぁと思っています。

　音楽も本もオーディオもこれだけお気に入りに囲まれていると、居心地が良すぎるのだと思います。ただ、このままでは好みがインドアに偏りすぎていることと受動的過ぎるのが気になります。なんだか現実逃避みたいでもあります。

　ま、そのうち忙しくなって、いつまでもこうしてはいられなくなりそうな気もします。嵐の前の静けさ、ちょっとした骨休めなのかもしれません。

　調子に乗ってオーディオの音量を上げていたら、先日妻からお小言をいただきました。野中の一軒家じゃ無いのだからと。暑くなって来て夜でも窓を開けるようになってきたからです。

　これからどんどん暑くなってきます。それで無くてもエアコンのないこの部屋、楽園で無くなるのも時間の問題です。暑い夏の消夏法、長編小説を読むことを今から先取りしてしてこの先どうなることやら。




　今日のCは私のお気に入りClifford　Brown（クリフォードブラウン）にしようかと思います。彼の演奏はどれも素晴らしく、ボーカルとの共演やバラードは絶品ですし、天才がより凝縮されている速い演奏も魅力的、しかし聞いていると中ぐらいのテンポの曲もいいなぁと思えてきて選ぶのに困ります。まずはメモリアルアルバムです。

タグ：山本周五郎 意欲 趣味 クリフォードブラウン 雷鳴 藤沢周平 SP-LE8T

コメント 24

何はともあれ、ご自愛ください。
掲載写真、どれもい感じですね。
Clifford　Brown、軽快ですね。
by sigedonn (2017-06-02 22:42) 

気疲れしているのでしょうか
そういう時は気にせずのんびりする
こもってもいいのかと
そうですね年齢のせいもあるでしょう
時々たちどまり考えてみたいなって私も
思っているのですが。。
by きよたん (2017-06-02 23:11) 

そういう時もありますよ。そのうち屋外に出てあれこれしたくなります。
by takenoko (2017-06-03 05:30) 

このアルバムですと、音量高めで聴きたいですねぇ。
まあ、山の神には勝てませんが。＾＾；
by たいへー (2017-06-03 07:09) 

私も何事も気が乗らないときはあります。そういう時は、気の赴くままにリラックスするに限ると思っています。お酒を少々にお気に入りの音楽。同じですね。

by ケンタパパ (2017-06-03 08:01) 

札幌も雨続きで、7月初旬の蝦夷梅雨のようです。

加齢による根気のなさは、私もよくわかります。
無理せずに、心と身体のバランスをとって、どうかご自愛ください。

クリフォードブラウンのイージー・リヴィングが、いいですね。

by Kasumi (2017-06-03 16:01) 

悠々の生活のご様子。
よろしいですね。
by 夏炉冬扇 (2017-06-03 18:40) 

sigedonnさん
こんばんは

ありがとうございます。
ブログで書いたら少しすっきりしました。
雷雨のあと、涼しくなったのも関係あるかも。
ブログも気合いを入れないと、なかなか書けなくなってきました。


by そらへい (2017-06-03 20:02) 

きよたんさん
こんばんは

今回は少し長い気がして気になってました。
ここで書いたら少しすっきりしました。
少しずつ歳を取ってきているのに
以前と同じ出ないことにこだわりすぎているのかも。
いろいろな事、
立ち止まって考えたいことありますね。
つい、日々に流されてしまいがちですが。
by そらへい (2017-06-03 20:05) 

takenokoさん
こんばんは

そうですね。調子の波のようなものでしょうね。
部屋を散らかしていると、あるとき急に片付けたくなるように
部屋にこもり続けていると、急に外へ出たくなってくることが
あるかも知れませんね。
by そらへい (2017-06-03 20:07) 

たいへーさん
こんばんは

じっくり聞くときは、
アンプやスピーカーの実力を発揮させるためにも
ある程度音量上げて聞きたいですね。
これからの季節、難しくなりそうです。
時に小音量で流し聞きも悪くありませんが。
by そらへい (2017-06-03 20:10) 

ケンタパパさん
こんばんは

そういうときありますよね。
そういうときは、好きなものに囲まれて
自分の世界に浸ってみるのも悪くないのかも知れません。
やや、その期間が長引いているのが気がかりですが。
by そらへい (2017-06-03 20:12) 

kasumiさん
こんばんは

札幌は雨ですか。
こちらは雷雨のあと、爽やかな天候に戻りました。
ほっと一息ついているところです。

確かに、根気は無くなってきていますね。
パソコン作業など、以前何とも無かったことが
面倒に思えるようになってきました。

イージーリビング、歌心溢れていますね。
by そらへい (2017-06-03 20:14) 

夏炉冬扇さん
こんばんは

悠々と言っても、仕事に行っていないときの話です。
仕事の方は、やはりこれも加齢、疲れが取れにくくなってますね。
少しずつ、楽にしてもらうように頼んでいるところです。
実は、こっちが原因かも。
by そらへい (2017-06-03 20:17) 

こんばんは。
そういう気持ち　よくわかるような気がします。
私も自分のための時間がたっぷりとあるのに
何かをするエネルギーが無くなっているのを感じます。
時々若い頃書いたものなど見ると
誰が書いたのと思うほどパワーがあって
その当時の必死のエネンルギーを懐かしく思い出します。
エネルギーが枯れて行くのは自然の流れかもしれませんね。
居心地のいい部屋とお好きな音楽があって羨ましいです＾＾
by タックン (2017-06-03 21:13) 

タックンさん
こんばんは

時間がありすぎても駄目なのかも知れませんが
今は少し時間が無いだけでへたってしまうようで
ギリギリのところで、やっていた自分が懐かしく思えます。
若い時どころか、つい一年、二年前の自分の文章や写真でさえ
本当に自分が書いたり撮ったりしたのと思ってしまいます。
過去もこんな風にぐだぐたいいながらやっていたでしょうに。
昔と同じであるはずも無いのに、つい昔の自分と比べてしいます。
受け入れすぎて無力になる必要はありませんが
ある程度、衰えというのは認識し、
かつ受容していかなければいけないのかも知れませんね。
by そらへい (2017-06-03 21:35) 

やはり年齢を重ねていくといろいろと
変化を感じますよね。
体力の衰え、気力の減退・・・
多くの人が感じることかもしれませんね。
そらへいさんのご趣味はとっても素敵!!
少しばかり嗜好がインドアに変化したのかと
感じました。
只体調の変化を感じたら自己判断せずに
検査を受けられて見るのもいいかと。
私も10年前に大きな病気が見つかり手術に
なりました。

by yoko-minato (2017-06-05 05:41) 

yoko-minatoさん
こんばんは

丈夫に産んでもらったおかげで
今まで病気知らず、怪我知らずで過ごしてきたので
逆に歳を重ねるにつれ、そろそろ何かあるのではと
神経質になっているのかも知れません。
今まで、若い人に交じって同じように働いてきたのですが
さすがに最近は同じように行かなくなってきたなぁと
痛感することがありますね。
単に趣味の変化だけだといいのですが
大きな病気の前触れに気力の減退などがあると聞くと
少し気になってしまいます。
このところ休みをたくさんいただいて快調です。
単に疲れだったのかも知れません。
体調の変化、それがわかりづらくて
私の場合、結構辛抱する方なので手遅れになる気がします。
今日も疥癬で病院に行ってきたのですが
ずいぶん辛抱されましたね、もう少し早く来てくださいと
言われてしまいました。

by そらへい (2017-06-05 19:39) 

部屋の中で楽しめる趣味があるのはいいことです。
体力をさほど必要とせずに夢中になれるものがあると
人生をいつまでも豊かに過ごせるように思います。
by いっぷく (2017-06-05 21:35) 

いっぷくさん
こんばんは

ありがとうございます。
部屋の中でも外でも、楽しめる趣味があるということは
ありがたいことだと思っています。
人生をいつまでも豊かに過ごしたいものですね。
ある女性が、あるボランティア会場で
自分磨きに来ていると言った言葉が
心に残りました。
いつまでもそう有りたいものです。
by そらへい (2017-06-05 23:29) 

おはようございます。私も気持ちが波に乗ったり佇んだりの繰り返しです。この4月に人事異動でまったく経験のない部署に変わってblog更新も滞っております。
by 水郷楽人 (2017-06-08 06:35) 

水郷楽人さん
おはようございます

気分、不安定な気候にも左右されたりしますね。
ブログ掲載後、すっとしたのか涼しくなったおかげか
少しスッキリした気分で過ごしています。
人事異動、経験のない部署、気疲れも大変ですね。
私もこの年になっても、異動の可能性があるので
時々、不安になることがあります。
by そらへい (2017-06-08 08:52) 

最近意欲が湧かない、あっしもそうでやす。
あっしの場合は、敬愛する表現者が次々と亡くなったりと理由がはっきりしていやす。
お互い今の自分に無理しないで生きやしょうでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2017-06-09 14:45) 

ぼんぼちぼちぼちさん
こんばんは

＞敬愛する表現者が次々と亡くなった
そういうことがあると、気は乗りませんよね。
原因がはっきりしているから良いような悪いような・・・
ま、私の場合は気の持ちようだと思っています。
このところ少し前向きな気分が出てきている気がしています。
by そらへい (2017-06-09 21:42)