桜のもとで [日々]
せっかく一週間延ばしたというのに、今年は寒の戻りが厳しくて開花が遅れに遅れて、結局花見をした日はお天気は良かったけれど桜は上の写真のとおり2.3分咲きと言うところでした。
一人欠席者がありましたが、飛び入り参加もあって去年より多い8人で4時頃から始まりました。仲の良いいつもの同窓生の集まり、妻も特別参加してすき焼き鍋を囲みました。ビールにお酒が始まると足りない桜の花は関係なくなりました。
日が陰り出すと急に寒くなったので、後は私の部屋に入ってまたお喋りの続きやお酒、我がオーディオで音楽を楽しんだりして11時半まで楽しい宴は続きました。
日曜、桜がやっと満開になりました。でもこの夜は、近所に住む伯父のお通夜の日でした。私たちが花見をした翌日、伯父は入院先で亡くなりました。
92歳なので大往生なのですが、救急車で運ばれる前日まで畑でミニ耕運機を動かしていました。見舞いに行ってもちゃんと話も出来ていたので入院して4日目の訃報は急に思えました。
息子と娘がいますが、二人とも出ているのでこの歳まで介護の世話にもならず伯母と二人で、狭くもない畑を耕し、一家をなしてきました。さすがにここ2.3年は衰えを感じる事はありましたが、もっと長生きするものと思っていました。
背が高く頑健な体つきでほとんど病気を知りませんでした。晩年になってやっとあちこちが痛いと整体に通うようになった程度です。
母の兄にあたり、三十代で両親と別れた私にとっては何かと頼りになる存在でした。普段は寡黙でちょっと怖い感じがするのですが、無類のお酒好き、お酒が入ると急に顔付きが柔和になるのです。伯父のお酒は、朗らかな楽しいお酒で、強くて決して酒に飲まれることはありませんでした。
伯父の父親は厳格な人でした。伯父は長男として生まれ育ち、親が亡くなったあとはたくさんの兄弟姉妹の面倒を見、自分の娘と息子を育てました。その間には、たくさんの苦難があったと思いますが、そんなことは一言も漏らさず淡々と与えられた自分の役割をこなす人でした。
珍しく、ツクシが桜と一緒に生えていたので撮って見ました。
告別式を終え葬儀社のバスに乗って火葬場に向かうとき、川沿いに続く桜並木が満開を迎えていました。伯父の弟の嫁になる伯母がその豪華さに思わず声を上げていました。
私の両親は二人とも真夏の暑い日でした。妻の両親は二人とも極寒の日でした。今年の桜の満開を伯父は見ることが出来ませんでしたが、青空と満開の桜のもと皆に見送られて、明るく朗らかで皆に頼りにされていたその人らしいことに思われました。
ヒヨドリが桜の花の蜜を吸いに来ています。
もうすぐ夏野菜の季節、毎年五月の連休になると、伯父と二人で日を合わせて夏野菜の苗を買いに行くのですが今年はもう伯父と行けなくなってしまいました。
伯父が亡くなって一週間、我が家の桜は今日も風に花吹雪を舞わせています。明日は雨の予報、青空と桜の満開が空しくも感じられた今年の桜ももう終わりですね。
2019-04-13 23:59
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コメント(22)
自分の家の桜で花見とはすばらしいですね。伯父様も一緒にしたかったでしょう。
by takenoko (2019-04-14 10:27)
takenokoさん
こんにちは
桜の季節ももう終わり、過ぎてしまうと
なんとなく寂しいですね。
伯父もいなくなりましたし・・・
by そらへい (2019-04-14 16:27)
お庭の桜が咲いたのですね。
お友達との花見会、奥様も加わって
楽しまれたことと思います。
でも翌日にお世話になった叔父様が
急逝されるとは・・・
92才、しっかりと畑仕事もされていたのに
救急車で運ばれて急な訃報は寂しいですよね。
でも見事な生き方でしたね。
お悔やみ申し上げます。
by yoko-minato (2019-04-14 16:55)
ご愁傷様でした。
今週末、仕事の関係で甲賀市までお通夜にいってきました。
by しばちゃん2cv (2019-04-14 17:08)
お元気でしたか。
何かあったかなと思っていたら、伯父さんが亡くなられたんですね。
桜に見送られてとは・・・
寂しさは後からですね。
ご自愛ください。
by sigedonn (2019-04-14 18:57)
yoko-minatoさん
こんばんは
今年はなかなか暖かくならなくて
桜も蕾のままで、ずいぶんじらされました。
やっと満開を迎えたとき
伯父のお葬式とは皮肉でした。
今年の桜は特別なものになりました。
これから毎年、桜が咲くと
伯父のことを思い出しそうです。
by そらへい (2019-04-14 20:20)
しばちゃん2cvさん
こんばんは
甲賀市まで?
伯父の5日後にも同じ檀家の方が亡くなられて
桜の季節に亡くなるのは、珍しい気がするのですが
やはり季節の変わり目だからでしょうか。
by そらへい (2019-04-14 20:22)
sigedonnさん
こんばんは
葬儀やかやでバタバタしておりました。
当主が亡くなったし、子供さんたちは出ているので
後も大変です。
しばらくは、伯父の面影を追って
懐かしく思う日が続きそうです。
by そらへい (2019-04-14 20:27)
桜は亡き人を思い出させますね
散りゆく桜は寂しいですが来年も必ず咲きます。
その時にまた伯父様もつかの間ですが会いに来てくださる
と思います。
思いの外今年は桜も長く咲いて薄ピンクの塊が此処彼処で
見られて心が和みました。
by きよたん (2019-04-14 22:38)
>救急車で運ばれる前日まで畑でミニ耕運機を動かしていました
終生現役、すばらしいですね。
私は自分の「ほしのもと」に不満ばかり言っています
by いっぷく (2019-04-15 02:19)
そらへいさん こんにちは 家の桜が満開ですネ
先ずは、伯父様のお悔やみ申し上げます
此方は、もぅ桜は葉桜になって仕舞いました。
我が家の花は、柴桜と山藤だけです
何時もコメント有り難うございます
では また 出てきますけんで~
by yasumichi! (2019-04-16 09:55)
満開の桜のなか送られたのですね。
伯父様を偲ばれるそらへいさんの優しさが伝わってきました。
残された伯母様もそらへいさんが近くにいらっしゃるならと思います。
by えくりぷす (2019-04-16 14:17)
きよたんさん
こんばんは
しばらくは桜が咲くと思い出しそうです。
しかし、それは寂しさこそあれ哀しいものではない気がします。
92歳の大往生と伯父の人柄、
来年の桜は懐かしく伯父のことを思い出しそうです。
ただ、今年の桜、待ちわびただけに
皮肉な結果になってしまったことは想定外でした。
by そらへい (2019-04-16 20:34)
いっぷくさん
こんばんは
私も若い頃は自分の星の下にずいぶん無駄な抵抗をした一人です。
いまだに納得しかねてはいますがあがくのは減りました(笑)
伯父の若い頃のことはあまり知りませんが(ほぼ戦時中)
この世代のスタンダードな生き方だったのでしょうか。
それでもなかなかまねできないことだと思います。
by そらへい (2019-04-16 20:48)
ヤスミチさん
こんばんは
ありがとうございます。
時の経つのは早いもので、もう10日あまり経ってしまいました。
一緒に暮らしていたわけではないので、いまだに実感が湧きません。
桜、こちらもあらかた散ってしまいました。
咲くまで長く待たされた割には、今年の桜短かった気がします。
でも、これからはいろいろな花が野や山や、お庭の花壇を賑わせますね。楽しみです。
by そらへい (2019-04-16 20:59)
えくりぷすさん
こんばんは
人一人亡くなるというのは大変なことですね。
まして、一家の大黒柱が亡くなると
いろいろなことが残されて、伯母、家、田んぼ、畑諸々
これからどうなっていくのか・・・
by そらへい (2019-04-16 21:01)
伯父さま、大往生でやしたね。
空から桜を見て微笑んでおられると思いやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2019-04-17 19:37)
ぼんぼちぼちぼちさん
こんばんは
元気に92歳まで生きられれば十分ですよね。
伯父が亡くなった後、大わらわしている我々を
空から見て、にたっと笑っているかも知れません。
by そらへい (2019-04-17 20:39)
来年の桜は、どんな景色になるでしょうね。
by たいへー (2019-04-18 07:29)
たいへーさん
こんばんは
伯父の葬儀の日は孫の小学校入学式でした。
月日は流れますね。
by そらへい (2019-04-19 20:05)
な春」探しのカメ
by 카지노사이트 (2020-11-15 13:37)
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