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寝酒 [日々]

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 鳥を探していつもと違う所へ行くと、山間の田んぼが白く煙っていました。折から差す朝日に霜が溶けて激しく水蒸気が上がっているのです。


 若い頃からお酒が強い方ではないしそれほど好きではありません。誘われれば付き合う程度です。夏場のビールの最初の一杯目くらいはおいしいと思うこともありますが、後はおいしいと思えることもありません。

 煙草はよく吸いましたが、お酒はなければ一ヶ月でも二ヶ月でも半年でも、無くても少しも困りません。戴き物のお酒がいつまでも残って料理にも使い切れないほどです。お酒よりコーヒー党です。

 家系的にも父は私と似てあまり強くありませんでした。さらに息子は全く嗜みもしません。ただ、唯一弟だけが突然変異的にめっぽう強いのは母方の血を引いているのかも知れません。

 私はお酒が入ると陽気になり、普段よりお喋りになる傾向があります。つい言わなくても良いことを言ってしまったり、弱いくせに調子に乗って飲み過ぎてしまい苦しい思いをすることがしばしばあります。

 楽しいとかおいしいと思うより、そういう苦い失敗の方が心に残るので、休みの日には朝から一日酒浸りという人の気持ちが知れない思いでした。

 仕事帰りにちょっと赤提灯に寄る生活に憧れたことはありましたが、車通勤でした。もし車通勤でなかったとしても、面倒くささが先立って一人でのれんを潜ることはなかったと思います。

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 そんな私がどういうわけか去年の夏頃から、自らお酒を嗜むようになりました。急に酒が好きになったとか酒の味がわかるようになったと言うわけではないのですが、なんとなくお酒を飲んでみたくなったのです。

 ここ数年、同級生の集まりで飲む機会が増えたからかも知れません。ウイスキーのハイボールを飲んだら珍しくおいしく思えたことがありました。そういうときに聞いたジャズがまた心地良かったのです。

 痛飲は身体にもよくありませんが、気のあった仲間とゆっくり時間をかけてお酒を飲んだり、一人で音楽などを聞きながら飲むお酒も悪くありませんね。

 翻訳家で作家でもあった常盤新平さんのエッセイに、歳を取ってからお酒が好きになったと言う記述があったように記憶しています。私も多少そういう傾向があるのでしょうか。

 夏でしたからサントリーやニッカの安いウイスキーを買い求めて、水割りを飲むようになりました。今は寒いので焼酎のお湯割りにしています。今の瓶が空になったら、今度はウイスキーのお湯割りにしてみようかと思います。

 ウイスキーと焼酎を飲んでみてウィスキーの方が少しおいしく思えるのは、20代の体験によるのかも知れません。あの頃は苦い酒ばかりでしたが。ただほんとうの酒好きではないので濃いめより薄いお酒を時間をかけてちびりちびり楽しみます。

 毎日お酒を楽しむと言うとまず晩酌が思いつきますが、晩酌というのは食事の時飲むお酒のことだそうです。晩ご飯のあとから私はブログを見たり書いたりするので、お酒を飲んでしまうと使い物にならなくなります。

 それで寝る前に飲むことにしました。それまでは寝る直前にお風呂に入るのが習慣でした。それでは酔っ払ってお風呂に入ることになるので、風呂に入る時間を早める事にしてその後から飲むようにしました。いつも遅い私の風呂が早まったので、妻は片付けが早くできると喜んでいます。

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 お酒を飲むと言っても、水割りや焼酎のお湯割りを一杯飲むだけです。お酒を飲みながら、ジャズを聞きます。ちょっとしたフレーズにも引き込まれます。酔いが回ってくるといろいろ思いが広がったり、着想が浮かんでは消えていきます。翌朝には跡形もありません。

 元々あまり強い方ではないので、一杯のお酒でも回ってしまうことがあります。持ったレコードを落としそうになったり、レコードに針を下ろす手つきが心許なくなったりします。

 最近は、心地良い音楽に暖房が加わって、いつの間にかうたた寝をしてしまっていることがよくあります。はっと目覚めるととっくに寝る時間を過ぎていて、慌ててオーディオと暖房のスイッチを切って寝床に向かいます。


 そろそろDの項目は終わりかなと思っていたら、ビ・バップの大物Dizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー)を忘れていました。


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