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蜂のいたずら [日々]

 しとしと雨が降る梅雨との良好な関係は、ある日突然崩れました。朝起きるとむっとして暑いのです。それは前日までとは質の違う暑さでした。その暑さは一日中続いてしかも蒸し蒸しして、身体がおかしくなりそうに思えたほどです。

 それから今日まで、25度越えの夜とか30度越えの日が続いています。身体は少しずつ慣れてきましたけれども、蒸し暑さの不快感はなかなか慣れる事が出来ません。

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 今日、関東甲信越は早くも梅雨が明けたと見られると発表されました。季節が早く進んでいる今年ですが、それにしても早すぎますね。

 西にある九州や四国、中国、近畿はまだ梅雨明けは発表されていません。近畿にある当地は、今日も空は朝からどんよりして時折雨が降りました。雨が降っても少しも涼しくならず却って不快感が増すばかりでした。 

 夕方降り出した雨は少し強めでした。そんな雨の中、草刈機を車に積んで農機具店に走りました。我が家の草刈機、先週からなぜか急にエンジンが掛からなくなってしまったのです。

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 先週の土曜日は営農組合の草刈だったのですが、どうしてもエンジン掛からなくて、仲間に見てもらっても埒があかないので急遽、お隣の草刈機を借りて作業を済ませました。

 明日の土曜日もまた営農組合の草刈です。明後日は河川愛護の奉仕作業です。どちらも草刈機が無くては仕事になりません。なのにこの一週間の間、草刈機の調子を見ておくのをすっかり忘れていました。

 今日の夕方になって思い出しました。泥縄です。この間はたまたま調子悪かっただけ、今度は掛かるのではないか、たまにそんなこともあるので淡い期待を抱いてスターターロープを引きましたがやはり駄目でした。

 何度スターターロープを引いてもエンジンが掛かる時のいつもの小さな爆発音がしません。プラグを外してみたり、チョークをいじってみたりしましたが改善しません。どうも自分の手には負えそうにありません。いつもの農機具店に持ち込むしかなさそうです。

 車を飛ばしながら、留守がちな店主がいてくれることを祈りました。明日朝から使うので今日中に直してもらわないといけません。もし留守だったら置いていって明日早朝に引き取りに行くしか無いなどと思案していました。

 夕方だったせいか、幸い店主はお店にいました。父の時から利用している農機具店です。草刈機など今ではホームセンターでもたくさん売っていますが、メンテナンスのことを考えると多少値段は高めでも安心です。

 今まででも、草刈機の調子が悪いと何度か持ち込んでいます。そのたびにあんなに苦労しても掛からなかったのに、店主はいとも簡単にエンジンをかけます。調子の悪さの原因を言われてみるとなるほどと思うのですが、それがなかなか気づけないのです。

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 草刈機を店先に下ろすと、店主は燃料は新しいですかと聞きます。ホームセンターで買った混合油なので新しいはずです。

 店主はスターターロープを引く前に草刈機全体を見回しました。そしてエンジンを見て蜂の巣やと言いました。えっと、店主が示したところを見ると、エンジンの真ん中に黄色い丸いマークのようなものが見えました。


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 いつそんなところがそんな風になっていたのか全然気づきませんでした。その丸い黄色のマークに見えたところはエンジンのマフラーでした。店主は、先の尖ったドライバーでその穴を突きました。

 ドライバーは貫通し、中から米ぬかのような細かな粉がこぼれ落ちました。店主はドライバーでその粉を掻き出してから、おもむろにスターターロープを引きました。草刈機のエンジンは、何ごともなかったかのように一発で軽快な音を立てました。

 蜂の巣です。と言うか、蜂が巣を作ろうとしていたところですね。ちょうどいい大きさの穴なんでしょうね。それでマフラーが塞がって掛からなかったんですよ、と店主は笑いながら言いました。

 そう言えば草刈機を置いている所、毎年のように蜂の巣が出来るところでしたが、まさか草刈機のマフラーに巣を作ろうとしたとは、そしてそれがエンジン不調の原因だったとは考えも及びませんでした。

 店主、一発で見抜いたところを見ると、今までにも同じ事例で草刈機を持ち込んだ客があったのだろうなと思います。

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 この穴です。今ではきれいになっていますがこの穴が黄色く塞がれていました。この前に使ったのが13日、それから先週の土曜日は23日、この10日間の間に蜂がそんな作業をしていたんですね。

 元気になった草刈機を積んで帰る帰り道は、土砂降りの雨でした。まだ夕闇には早いのに道路は薄暗く雨に煙って、車は皆ライトを点けて走っていました。

 家に帰っても雨はしばらく続き、屋根の上にはたたきつける雨の白いしぶきが上がっていました。雨の後、それまでの蒸し暑さがようやく少しだけ緩和されたように感じられました。



 今夜はもう暑くなったのでジャズに戻ります。Gの続きはGrant Green(グラント・グリーン)です。amazonミュージックで聞いたとき、いいなぁと思ってさっそくCDを買ったのですが、全体が同じパターンの繰り返しのように感じられました。曲はIdele Moments



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夏至の月 [日々]

 雨が降らないとさすがに蒸し暑いですね。明日、雨の予報なのでよけい蒸すのかも知れません。冬が癒えて春からこっち、私はずっと調子良かったのですが、さすがに梅雨が本格化してくるとなんとなく身体がだるかったり、気分が優れません。

 今日は朝から心に引っかかりがあって、それを一日引きずっているような重苦しい日でした。こんな日は何をどうあがいても駄目な気がしてきます。

 今日は夏至。一年でいちばん日が長い日です。夕食を食べ終わっても外はまだ十分な明るさを保っていました。いつもなら食卓で家族と一緒にテレビを見てから自分の部屋に入るのですが、気分を紛らわしたくて外へ出てみました。

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 空を仰ぐと薄い月が出ています。外は風がありませんが、活動の一日を終える穏やかな空気に凪いでいました。

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DSC_2864.JPG 西の空

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 休耕地の至る所に咲いて、白い帯を作っているヒメジオンも、夕暮れになると眠る準備でも始めているのか花を閉じようとしています。

 早朝と同じようにスズメたちが木陰で騒いでいます。雑木林からはウグイスの谷渡りの声が聞こえてきます。家々の影は、夕餉の後の静寂に包まれ、野には私一人、他に誰の姿もありません。

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 夕闇が次第に迫ってきます。少し歩いただけですが、今日一日のもやもやした気分が心持ち晴れたような気がしました。

 

 今夜はジャズでも良いのですが、続きでクラシックピアノ、ドビッシーの「夢」、演奏はサンソン・フランソワです。


 


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雨の音 [音楽]

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 梅雨に合わせて庭のアジサイが咲き出しました。今年の梅雨は、気温の低い日が多いですね。雨の合間に晴れ間が出ても、からっとしていてジメジメしません。

 昨日の朝は、まさにそんな朝でした。この時期にしてはからりとして気持ち良く、こんな日は何かいいことがあるかなぁと思えるような朝でした。結局、これと言っていいことはありませんでしたが、悪いこともない日でした。

 去年は、前半空梅雨でした。いつ梅雨入りしたのか知りませんが、日記を見ても6月7日から6月20日まで雨の記述がありません。そして毎日暑い暑いとこぼしています。

 しっとりしめやかな雨の降る梅雨の前半は嫌いではありません。ずっとコンボジャズを聞いていたのにピアノトリオが聞きたくなったり、クラシックのピアノ曲が聞きたくなったりします。理由はないのですがなんとなくそんな気分になるのです。

ショパン:夜想曲全集

ショパン:夜想曲全集

  • アーティスト: ピリス(マリア・ジョアン),ショパン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2014/01/22
  • メディア: CD
 ピリスのモーツァルトのアルバムは何枚も持っているのですが、ショパン、ベートーベン、シューベルト、シューマン、ラベルも弾いているみたいなのでオークションを物色してCDを数枚買いました。

 中にはピリスのCDなのに100円で落札出来たのがあって驚きです。最近は、中古CDより中古レコードの方が高いことがあります。中古CDは中古レコードに比べて音の劣化の心配が少ないところがいいですね。


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 ナンテンの花も咲き始めました。クローズアップしないとそれとわからない小さな花です。

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 栗の花はこのままがいいですね。

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 柿の花を探して見上げたらもう実がなっていました。今年は豊作の年でしょうか。


 ピリスが弾くショパンの夜想曲が聞こえてくる向こうの窓から、雨のしずくの音が聞こえてきます。音楽を聞く上では雑音になるのでしょうが、今のこの時期、この気分で聞くにはそれもまた乙な演出に思えます。


 今夜のYouTubeはジャズを一休みして、マリア・ジョアン・ピリスが演奏するショパンの夜想曲です。


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巣立ち? [野鳥]

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 とうとう梅雨に入りました。さっそく、毎日雨です。今日は当初、晴れの予報だったのですが、晴れたのは朝の一時だけ、その後は曇り空に小雨が舞って夜は雷雨になりました。

 先週の日曜も営農組合の草刈に出ました。梅雨前の晴れ間、田植えを終えた圃場と麦秋を迎えている麦畑回りの草刈です。

 この日は最終日、予定の面積を刈り終えたので10時過ぎに終わりになりました。いつもの半分の時間でお役御免です。皆さん、早く終わってそそくさと帰っていきましたが、私は一人車の中でぼんやり麦畑を見ていました。

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 この日のツバメ、畦ではなく大空や麦畑の上を気持ちよさそうに何羽も飛び交っています。カメラを持ってきていたので飛んでいる姿を撮ろうとしたのですが、間近に迫ってくる大きな被写体の時は速すぎてファインダー内に納める事が出来ません。仕方無いので遠くで飛んでいる姿を撮ってみました。

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 技術が無いので、拡大してもこんなものです。

 その後、例のケリの巣に行ってみました。カメラを持って来たのもこのためです。ケリは産卵から20日ほどで雛が孵るそうです。田植えの時に見つけてから約2週間、その前から卵はあったのでひょっとするともう雛が孵っているかも知れません。

 遠くからでも圃場の真ん中、巣のあるところが水面から盛り上がっているのがわかりました。私が畦から巣に近づいていくと、卵を抱いていた親鳥は飛び立って近くの圃場に降りました。

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 はじめ一羽しかいなかったのに、どこからかもう一羽が戻ってきて畦で見張りを始めました。例のケッ、ケッ、ケッと言う鳴き声を上げています。

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 卵ありました。しかし三個しかありません。同じ角度から撮っているので手前に一個あった卵がなくなっているのがわかります。一個、雛が孵ったのでしょうか。それとも外敵にやられたのでしょうか。

 外敵にやられたのなら他の卵も無事では済まないのではないでしょうか。しかし、それにしては雛の姿が見当たりません。

 調べたところによると、ケリは生まれるとすぐに巣立ちして自分で餌を探すそうです。他の野鳥のように親鳥が餌をやる姿は確認されていないそうです。

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 巣立ちしたにしてもまだ、どこか近くに雛がいるのではないかと田んぼを見回していたら、端っこの方で小さな白い影が羽ばたくのが見えました。ケリは翼を広げると白いので、ひょっとしたら子ケリかとシャッターを切りました。

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 少し違うようです。

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 セグロセキレイでした。

 雛は見当たりませんでした。あまり長居して孵化の邪魔をしてもいけないので撮るものだけ撮ったので引き上げることにしました。


 それから数日経った今日、時間があったので再びケリの巣に行ってみました。遠くからでも見える巣の盛り上がりが今日はなんとなく小さく見えます。

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 卵が皆なくなっています。私が行くとうるさく見張っていた親鳥の姿もありません。皆孵化して無事巣立ったのでしょうか。

 空の巣を見ると、この2.3週間私の中の盛り上がりがすっと引いていくような淋しさを覚えました。なんとなく他の鳥や景色にも興味が湧かず、カメラのレンズを下に向けたまま帰途につきました。

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 今夜のGGlenn Miller(グレン・ミラー)です。映画「グレン・ミラー物語」を見たのは60歳を超えてからでした。食わず嫌いだったのです。ルイ・アームストロングが実名で出ていました。ハッピーエンドで終わりがちなこういう映画で主人公が最後に亡くなってしまうのは意外でした。
 曲は映画にちなんで「茶色の小瓶」を映像着きで探したのですが見つからず、ベタですが「ムーンライト・セレナーデ」です。
 


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ケリその後 [野鳥]

 前回は失礼しました。同窓会の実行委員会の寄りの後、いつもの宴会でした。生ビールと水割り二杯飲んだのですが、いつも以上に酔いが早く回ってしまいました。

 そんな酔いの中で何を思ったのかブログ更新していないことを思い出し、慌ててスマホからお休みの通知を出してしまいました。後で気づいたのですが土曜日でした。通知にさえなっていません。文字だけではあまりなので、後から写真を一枚だけ追加した次第です。


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 今日から6月ですね。いよいよ梅雨の季節です。中国、四国地方は先月末に早々と梅雨入りしたそうです。ただ、予報はそのまま関西まで及ばず今のところ足踏み、2.3日の晴れ間をみたあと来週半ば頃には梅雨入りするそうです。

 田植えの一週間後の日曜、今度も営農組合で草刈でした。8時から12時までの作業です。暑さが予想されていましたが、暑いと言ってもやはりまだ5月、思ったほど汗はかきませんでした。

 田植え、草刈と続いて肩や腰、膝と身体のあちらこちらが痛いこのごろです。ただ身体は動いているので、心地良い筋肉痛、間接痛というところですね。

 日曜日、草刈を終えた午後、麦畑とケリの巣を見に行きました。

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 もう麦秋といって良いのでしょうか。刈り取りにはまだ少し早いようです。でも、梅雨のこの時期、晴れ間があるとあっという間に刈り取られます。麦作も営農組合の仕事ですが、刈り取りは専用のコンバインを持った業者に委託されています。

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 麦畑と言えばヒバリなのですが、圃場整備された広い農道にいるのはどうやらツバメのようです。田植えのとき、圃場の上を滑るように飛び交っていました。

 ツバメと言えば気持ち良さそうに家々の間や田んぼの上を滑空していたり、電線に止まり軒下の巣に出入りする姿はおなじみですが、こんな風に地面を啄んでいることもあるのですね。

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 ケリの巣、ありました。つがいで巣を守っていますね。奥の盛り上がった影が巣です。やはり卵を抱いているのは雌鳥でなんでしょうね。

 私がカメラを持って巣のある方へ近づくと、卵を抱いていた親鳥は飛び立って鋭く啼きました。地味な鳥ですが、飛び立って羽根を広げるとその白さが際立ちます。

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 まだ卵は孵っていないようです。

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 逆光から撮ると卵が四個あるのが確認出来ます。

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 草刈を前日終えた畦では、セグロセキレイの幼鳥でしょうか、まったりと夕日を眺めていました。



 今夜のGは、George Wallington(ジョージ・ウオリントン)です。若い頃、このアルバムデザインに憧れてレコードを探したのに、結局買ったのは輸入盤で別デザインのジャケットでした。共演トランペッターはドナルド・バード、50年代の典型的なハード・バップ演奏です。



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