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リベンジ、ダイアナ・クラール [音楽]

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 ダイアナ・クラール、三年ぶりの来日コンサートに行ってきました。前回、2016年のコンサートも行ったのですが、その詳細はこちらです。

 前回の会場はグランキューブ大阪でした。縦に細長い客席で私の席は後ろから数えて数列目という悪条件でした。おまけにその日のダイアナ・クラールは風邪気味で歌の途中で咳が出てしまうくらい調子が悪かったのです。

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 東京、石川、広島と渡って大阪公演はツアー最終日でした。会場は中之島にあるフェスティバルホールです。場所に文句はありません。ダイアナもトークでビューティフルホールと2度言っていたような気がします。

 しかも今回の私の席は前から8列目と言う好位置でした。ステージに向かってやや右寄りでしたが、前席の客の後ろ姿を一切気にすることなくピアノを弾きながら歌うダイアナ・クラールをほぼ正面に見ることが出来ました。

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 写真撮影は禁止ですが、公演が始まる前ならとスマホのカメラで急いで撮りました。それでも前に立っているスタッフに中止されている人がいました。

 開演前のステージではドラムの横でアンソニー・ウィルソンがギターのチューニングをしていました。残念ながら遠いのと暗いのとスマホのカメラのせいでピンボケです。

 開演10分ほど遅れてバンドのメンバーが登場、一番最後にダイアナ・クラールです。前回では、スラックスとカジュアルなファッションだったダイアナ・クラール、今回は白地に赤い花柄があしらわれたドレスで登場、大柄な彼女をいっそう際立たせていました。

1-ダイアナ・クラール 20191113_191114_0003_0.jpg ピアノの前に腰掛けたダイアナ・クラールは長い髪をやや神経質に何度かかき上げて演奏を始めました。低く伸びのある声が放たれた時、一聴しただけで前回とは全然違うのがわかりました。

 これが本来のダイアナ・クラールの声なんだと思いました。しかも会場はフェスティバルホール、私の席は前から8番目、悪いはずがありません。前回のリベンジを期すかのようにダイアナ・クラールの太く低い声が朗々と会場に響き渡っていました。

 前回もギターはアンソニー・ウィルソンでした。テクニックもあって味わいのあるギタリストですね。ベースは、ウィントン・マリサリスなどとも共演したことがあるベテランのロバート・ハースト、久し振りにジャズベースを聞いた気がしました。たくましいソロを聴かせてくれたドラマーは三年前と同じカリーム・リギンスです。

 今回は声の調子がよいせいか、じっくり聴かせるバラードが多く、素晴らしかったですね。実力を存分に発揮していました。その歌唱に凄みを感じるほどでした。油が乗りきっていると言う印象です。

 前回ではピアノを離れて一人ステージ中央で歌うシーンもありましたが、今回はピアノから離れず歌う時はピアノの上のマイクを引き寄せ、ピアノ演奏に入るときはマイクを離していました。

1-img241.jpg また、バックが参加せずダイアナ・クラールの歌とピアノだけの曲は今回一曲だけでした。曲名がわかりませんでしたがバラードで、情感の籠もった迫力ある歌い振りは見事、背筋にぞっくと来る瞬間がありました。 

 演奏された曲、聞いたことがあるかなと思える曲が数曲でした。ネット情報では他の会場でCry Me A Riverを歌ったそうですが、大阪会場では聞くことが出来なかったのは残念でした。

 アンコールの曲を除くと曲名がわかったのは「レッツ・フォーリン・ラブ」だけでした。曲の間に彼女がするトークはわずかな単語しか聞き取れず、ナット・キング・コールと言ったことがあったのでおそらく彼にちなんだ曲を歌ったのだと思います。 

 今回は前回よりジャズっていたように感じたのは、編成がクインテットだったせいもあるかも知れません。ダイアナのピアノとボーカル、そしてアンソニー・ウィルソンのギターソロ、ボーイングまで披露したベースソロとドラムソロ、4人の絶妙な間合いと掛け合い、ダイアナを中心にしたクインテットが心地良い緊張感の中で魅力を発揮いていたように思います。


 アンコールは2曲、CDでもよく聞くことがある「ザ・ルック・オブ・ラブ」とジャズのスタンダード「ス・ワンダフル」でした。

 終始万雷の拍手と大歓声でした。最後にステージで彼女を中心にクインテットが並んで挨拶をするとたくさんの花束が持ち寄られました。その間隙を縫って写真を撮っている人がいて、私もスマホを持ち出したのですが馬鹿正直に電源を切っていたのでチャンスを逃してしまいました。

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 演奏の興奮が終わって帰り支度を始めている観客、ステージ上ではスタッフが後片付けを始めています。満足感と心地良い疲労感に抱かれながら帰り道に着きました。

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 今日はの項目を無視して、やはりDiana Krallです。曲はアンコールでも演奏されたLook Of Love



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