オニユリを探して [自然]
夕立があった翌朝は、湿気が取れて青空と白い雲の夏らしい空が広がりました。
先週の続きのようになりますが、蝉の抜け殻があったキンモクセイの木のあたりで、今度は蝉の幼虫がよたよたと頼りなげに歩いていました。夕方だったので、ひょっとしたら地上に出てきたばかりだったのかも知れません。
まだ地上生活に慣れないせいか、歩き方もたどたどしく大きな石に乗り上げて仰向けにひっくり返って手足をばたつかせたりしていました。
拾い上げて木の幹に載せてみましたがすぐに落ちてしまいます。葉にも引っかかりません。仕方が無いので草むらに置いておきましたが、無事幹に登って羽化することが出来たでしょうか。
庭に蝉の幼虫が抜け出したらしい丸い穴が3つ4つ開いています。
田舎には都会にあるような洗練された公園がありません。私の周りにあるのは少しばかりの遊具が配置された児童公園や東屋と休憩所のある広場のようなものです。
その代わり自然は至る所にたっぷりあります。人の手を煩わさなくても、生き物や花たちは自然のままに生きています。
先日いつものように散歩していました。小学校脇の道、竹藪の前の草むらにオニユリが咲いていました。なかなか見かけなかったのですぐにスマホのカメラで撮りました。
成果に喜んで確かめなかったのがいけませんでした。家に帰って見たら、なんと雄しべにピントが合ってしまい花はピンボケになっていました。
翌日、雨上がりのあと撮り直しに行きました。しかし昨日の場所にオレンジ色のオニユリの花が一輪も見当たりません。
少なくとも昨日は3輪はありました。誰かがいたずらで折ったのかと思いましたが、花はどこにも落ちていません。切り取られた茎の跡がありました。誰かが持ち帰ったのだと思います。
その場所は6月にはシャガが群生したり、7月にオニユリ、8月はタカサゴユリなどが自然生えする所です。誰も管理していない竹藪の前の草むら、だから勝手に持って帰っても罪にはなりませんがちょっと残念です。
その翌日は朝から晴れました。昨日の夕立のおかげで蒸し暑さも吹き飛んで気持ちの良い風が吹いていました。畑を見終わったあと、オニユリを探しに歩いて見ました。
ミソハギ
オカトラノオ
ツユクサ
ヤナギハナガサ
マツヨイグサだと思います。夜に咲くのでもうほとんど花を閉じています。
今の時期は圧倒的に緑が多いので目立ちませんが、探してみると夏でもけっこう花が咲いているものです。他にもヒメジオン、ブタナなどが風に揺られています。
いつもの散歩道では他にオニユリを見かけなかったので、少しコースを変えてお寺の横から林道に入っていく道を選びました。
道はすでに坂になっていて両側から木々が覆い被さって薄暗く湿っています。
薄暗い所を好んでひらひら飛ぶアオハダトンボハグロトンボ
お寺に預けられた墓石の山、まるでピラミッドみたいです。
林道沿いのお寺の境内の外れに、オニユリが咲いていました。花だけでも良かったのですが、地蔵さんを背景に撮らせていただきました。多分コオニユリと言う種類だと思います。
その隣で咲いていたのは、サワランでしょうか。
なんの花なのか、これから咲くのか閉じたあとなのか。
もうすぐあちこちで咲き始めるタカサゴユリが、咲く準備をしています。田舎の公園は皆自然生えです。
お寺を過ぎて、少し空が開けたところに鉄塔が見えます。
林道を歩いていると、道の両側の木々から音がして何かが飛び立って行きます。蝉です。ニイニイゼミだと思います。
朝日の射す方向の木の幹に止まりました。逆光を浴びて輝く半透明のニイニイゼミのイメージが浮かび上がりました。それは実際に写真で撮るよりずっと傑作に思えました。
森の奥の方で静かな蝉の声はしていましたが、私の周りの蝉たちは飛び立つ時にククッと一度鳴くだけです。私が通っていくと、両側の木や草むらから蝉たちが次々に飛び立って行きました。
歩いている間中、顔の周りで蚊の無く音がブンブンしていました。私はそのたびに手で払うようにして歩き続けました。
あまりの蚊のうるささに閉口して、元来た道を戻りました。
家に帰る途中、空が開けた休耕地でハクセキレイの幼鳥が遊んでいました。ついこの間見たときは、もっと色が薄かったのに、ずいぶん羽根の色が濃くなっていました。
今日のWはWayne Shorter(ウェイン・ショーター)です。次のWは個人名では無いけれど、ウエザー・リポートかなと思っていたら、ウェザー・リポートのリーダーの一人、ウェイン・ショーターがいることを忘れていました。曲はNight Dreamerです。