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安土城址を行く [旅]

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 駐車場で車から降りると日差しが強く、仰いだ山の上に白い雲がぽっかり浮かんでいました。


 雨上がりの朝は湿気が取れて気持ち良いくらいでした。お盆も過ぎて、これと言ってすることもなかったので、どこかへ出かけようかと言ったら、妻が二つ返事で乗ってきました。

 別にどこへ行くとも決めないまま車を出しました。とりあえず琵琶湖方面へ向かいます。途中カメラを忘れたことに気づいて、妻に取りに帰ったらと言われましたが、戻る煩わしさもあってスマホのカメラで済ますことにしました。

 琵琶湖岸沿いを走るさざなみ街道へ出ました。左に琵琶湖を見ながら彦根方面に向かって走っていると、妻が彦根は遠すぎるというので近江八幡に立ち寄ることにしました。

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 さざなみ街道から近江八幡市街に入ってすぐ、右手に「ラ コリーナ」がありました。妻に言うと寄りたいと言います。彼女はコロナが流行りだしてから人混みを嫌うのですが、ここは大丈夫みたいでした。

 お盆休みは過ぎていましたがまだ休みの人が多いのでしょう。駐車場はいっぱいでした。止まっている車のナンバーを見ているとほとんどが他府県ナンバーなのに驚きました。人気のスポットなんですね。

 前回、孫たちと来たのは数年前で、その頃工事中だった施設がオープンしていたので妻は見たがりました。バウムクーヘンを焼いて販売しているところは大勢の人だかりでした。そこをくぐり抜けて奥へいきます。

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 以前は喫茶店と庭園があるだけでしたが、オープンカフェなどが新しく作られていろいろ楽しめるようになっていました。中で一休みするのかと思ったら、妻は好物のどら焼きが目当てだったようです。

 近江八幡市内で昼食をとり、以前から行きたかった安土城址へ行くことにしました。車で10分ほどしか離れていません。 


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 正面が受付です。安土城址はNHKの番組などでも何度か紹介されたのを見ています。しかし、実際に訪れるのは初めてです。

 喉が渇いていたのでお茶を買おうと自販機の前にいると、山を下りてきた40代の男の人が「何もないですよ。何か持って行った方がいいですよ」と親切に教えてくれました。

 空気はからっとしていましたが、直射日光はやはりまだ暑くて坂をあがるのに堪えました。以前から来たいと思っていた所ですが、まさか夏に来ることになるとは思ってもいませんでした。

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 ここは、羽柴秀吉の邸宅があった跡です。大手道を挟んで反対側には前田利家の邸宅跡もありました。

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 秀吉邸跡の石垣下でタカサゴユリが群生していました。

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 入り口受付からずっとこんな石の階段が続きます。妻が昔の人は毎日こんな坂を上がり降りしていたんやね、と感心して言います。確かに絶対君主、信長は真夜中でも秀吉や利家を呼び出したかも知れません。そのたびに彼らは、この坂を駆け上ったのでしょう。


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 普通の階段に比べて幅が広く長く続くので上がりにくかったです。時々立ち止まって休み休み上がっていきました。上に行くほど木陰が増えて行くのはありがたかったです。

 一緒に上がっていた夏休みの家族連れ、お母さんが「なぜパパは朝のうちにここへ来なかったのかしら」とこぼしています。二人の男の子はそれには返事せず、黙々と石段を上がり私たちを追い越していきました。

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 二の丸跡の信長公本廟です。太刀、烏帽子、直垂などが埋葬されているそうです。

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 やっと天主跡です。

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 1576年、安土城は五層七階(地上6階、地下1階)高さ33メートル、日本で初めて天守閣を持った城として織田信長の命によって築城されました。

 現存するお城の形としては少し変わったお城だったようです。もし遺っていればその後の築城にも影響を与えていたかも知れません。完成からわずか3年で焼失したのは本当に残念です。

 今回行けませんでしたが、資料館には天守六階部分の復元があるそうです。県では、デジタル技術を利用して、安土城や城下町を「見える化」復元を計画中だそうです。

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 安土城のあった安土山は199メートルの小高い丘と言った感じです。かつては琵琶湖の内湖に囲まれて南側だけが開けていた地形だったそうです。

 信長はここからまだ三〇メートルほど高い天主閣から琵琶湖を見下ろしていたのでしょう。干拓された田んぼの向こうに琵琶湖が見えるのですが、この写真ではわかりにくいですね。

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 順路に従って、来た方向とは違う山門の方へ向かいます。

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 緩い坂を下っていると突然三重塔が現れました。

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 この三重塔は、室町時代のものだそうです。湖南市石部東寺にある長寿寺にあったものを信長がこの地に移設させたのです。長寿寺には三重塔のあった跡が池になって残っています。

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 三重塔の脇の坂を下っていくと坂下に門が見えました。

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 二王門です。

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 こちらは正面。この門も信長が甲賀から移設させたものだそうです。

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 門の両側の金剛力士像。こちらも門と一緒に甲賀から移設されたものです。頭部内側に応仁2年(1467)造像銘が遺っていたそうで、築城より100年ほど古いです。この辺はすべて国の重要文化財になっています。

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 石の階段を降りていきます。私が写真を撮りながらゆっくり降りている間に、妻はさっさと先に降りていきました。登るときはあんなに汗をかいて喘いでいたのに。

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 私は、車の運転もなのですが、上りより下りが苦手です。ゆっくり降りていきました。

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 ようやく正面の大手道に出ました。下の建物が受付です。その左にある休憩所で妻はベンチに座って私の帰りを待っていました。



 今日のWes Montgomery(ウェス・モンゴメリー)です。ジャズギターの第一人者ですね。
テクニックもそうですが、この人のギターの音色は太く聞こえるような気がします。



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