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掛け時計 [その他]

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 このところ、amazonプライムビデオで「深夜食堂」に嵌まっています。かつて2009年にMBS・TBS系でテレビ放映されていたのだそうですが私は知りませんでした。

 舞台になる店は新宿ゴールデン街あたりの狭い路地裏にあって、小林薫がマスターを演じています。深夜0時から翌朝7時まで営業する食堂「めしや」に出入りする人たちの様々な人間模様を一話完結で描いています。

 見始めは一気に4.5話立て続けに見たのですが、一度に見てしまうのが惜しくなって、その後は毎日一話ずつ見るようにしています。

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 連続テレビドラマなので毎回同じ出だしのタイトル映像と主題歌、ナレーションが流れます。懐かしい新宿の夜景、大ガード下を流れる無数のヘッドライト、鈴木常吉のギターと震えるような歌声、小林薫のナレーションが続きます。

 締めくくりに「深夜食堂」の文字が浮かび上がってタイトル映像は終わり、それぞれの回の本題に入っていきます。ここまでだけですでに十分引き込まれます。


 しかし、今日の話は「深夜食堂」ではなく、上の画像に写っている掛け時計の話です。タイトル映像の中の掛け時計はかなり古いタイプです。盤の真ん中に二つゼンマイを巻く穴が開いています。タイトル映像が終わりこれから物語りが始まる知らせのように、ポーンと懐かしい音が響きます。

 子供の頃、我が家にあった掛け時計もこのタイプでゼンマイを巻くのは子供の私の役目でした。台の上に上がり背伸びして扉を開け、蝶のような形をしたゼンマイを巻く道具できりきりと巻くのでした。

 ゼンマイを巻くタイミングは毎日ではなかったと思います。時刻が遅れるか、時を告げるボーンという音が間延びしてきたら、そろそろゼンマイを巻かなければと思ったように記憶しています。

 それがいつから電池式になって、ゼンマイ巻き作業から解放されたのか覚えがありません。たぶん、小学校低学年の頃だったと思います。その頃は(昭和30年代)世の中、炊飯器や洗濯機、冷蔵庫などいろいろなものが電化されていきました。

 調べてみるとこのゼンマイ式掛け時計、今も売られているようですね。なかなかの値段です。ゼンマイを巻き忘れると時計が遅れたり止まってしまったりするので不便ではありますが、昔のものは懐かしくかつ味わいがありますね。

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 それに比べると、こちらは味も素っ気も無い現代の電池式掛け時計です。私の部屋に掛かっているもので、もう10年近く前にホームセンターかどこかで買った安物です。

 当時、電波時計はすでに出回っていましたがまだ一般の時計に比べると少し高かったので、私は安い普通の時計を購入しました。

 それがいつ頃からか狂うようになりました。ある日気づいたら実際の時間より10分か15分進んでいたのです。それからもう一年くらい経つのではないかと思うのですが、遅れるよりましなのでそのままにしています。

 はじめのうちは進んでいると知っていてもよく間違えましたが、そのうち慣れっこになってこの時計を見るときは、10分か15分を引くようにしています。

 時々、ホームセンターなどで時計売り場を見かけると、買い直さないといけないなぁ、今度は時間が狂わない電波時計がいいなぁと思うのですが、なかなか購入に至りません。

 電波時計も今はかなり安くなっています。というか電波時計では無い時計の方が少ないくらいです。2.3千円も出せばあるのに、なんとなく勿体ない気がします。

 居間の時計ならそういうわけにもいきませんが、私の部屋に掛ける時計だからでしょうか。正確な時間ならパソコンやスマホでも見られると思ってしまいます。

 そんなこんなで多少不便を感じながらも、ずっと狂ったままで使っていました。あるとき、ふと気になっていったいどれだけ狂っているのか測ってみると、10分進んでいました。以前から10分だったのか、もっと進んでいたのかはっきり覚えはありません。

 ただ、狂いだしてもうずいぶんになるのに、狂いの巾はあまり変わっていないように思えます。狂いが進行していないと言うことは、ここのところは正常に動作していると言うことになります。ならば時計の針を10分あとに戻せば、正確な時間になるのではないかと気づきました。

 さっそく掛け時計を壁から外して針を10分戻しました。もしまた狂うようなら今度こそ買い直せば良いと思ったのですが、今のところ時計は何事もなかったかのように時を刻んでいます。

 こんな簡単、当たり前のことに今まで気づかなかったなんてどうかしていますね。狂いが生じただけで、ああ壊れてしまったと思い込んでしまったのかもしれません。しかし、それにしてもどうして10分進んだのでしょう。しばらくするとまた、いつの間にか10分進んでいるかも知れませんね。



 今日のジャズは引き続きアート・ファーマーです。1977年、4月、アート・ファーマーは5年振りに来日しました。その時、私は聞きに行ったのですが、中野サンプラザに行ったと思い込んでいましたが、郵便貯金ホールだったそうです。アルトサックスがジャッキ-・マクリーン、バックはシダー・ウォルトン・トリオでした。

 アート・ファーマーとジャッキー・マクリーンと言えば、名盤「クール・ストラッティン」の双頭コンビです。そんなこともコンサートの宣伝文句に歌われていた気がします。

 もっとも、「クール・ストラッティン」が発売されたのはハードパップ隆盛期の1958年です。それからすでに20年近くが経っています。今更ハードパップと言われても、昔の焼き直し、懐メロのような気がして多少懐疑的な気持ちでコンサートに行った記憶があります。

 でも会場は盛り上がっていました。アート・ファーマーはすっと立ってフリューゲルホーンを直角に構えてスマートに吹いていました。驚いたのがジャッキー・マクリーンでした。小太りのおじさんでしたが、アート・ファーマーとは対照的にかなりエネルギッシュに吹きまくっていました。

 今、このレコードを聴き直してみると会場の盛り上がりとは逆にアート・ファーマーの抒情的で静かな演奏が目立っています。ジャッキー・マクリーンの演奏が一曲目と最後の曲しか無いのは不思議です。シダー・ウォルトンのピアノもいいですね。

 同じツアーで、大阪のサンケイホールでの演奏はもっと白熱したそうです。残念ながらレコードは無いのですが私家録音盤のCDがあるとか。聞いてみたいなと思っています。


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山中慎介チャンピオン、V11 [その他]

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 9月16日、WBCバンタム級世界チャンピオン山中慎介選手の応援にエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育館)へ行ってきました。地元からバスが7台出ていて、私たち同級生もそのうちの1台に乗り込みました。

 今回同級生応援団はこの前の京都の時より少なくて、総勢10名あまりでした。同級生と言っても、断るまでもないことですが、慎介選手の父親と叔父の中学校の同級生です。慎介選手の父親と叔父は双子です。

 ちょうど去年の今頃、私は慎介選手の応援をかねて数十年振りに上京したのでした。早いものであれからもう一年が経ったのですね。

 このときの対戦相手が今回の対戦相手でもあるアンセルモ・モレノ選手でした。さすが東京でのタイトルマッチ、リングサイドには具志堅用高や村田選手を始めスポーツ選手、芸能人など有名人がたくさんいました。

 この試合で慎介選手、初めてと言っていいくらいの大苦戦でした。点数でも途中で逆転されていて、終盤は会場全体が慎介コールで沸き返るほどでした。何とか判定勝利をもぎ取りましたが、私は負けか良くても引き分けを覚悟したほどでした。

 このときの、もやもやした思いはどちらにもあって、慎介選手は今度こそきっちり決着させたいと思ってトレーニングを積んで来たでしょうし、モレノ選手も同じ思いで日本にやってきたと思います。

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 バスを降り会場近くの飲食店で少し腹ごしらえをして、会場入りしたのは六時半頃でした。長谷川穂積選手の試合が始まる前で会場はまだ空席が目立ちます。

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 こちらは自分の席から見下ろしたところです。指定された席はGゾーンのg54とかだったと思います。わかりにくい席の表示でした。元々が体育館だから仕方ないのかも知れません。冷房も効いて無くてむっとしていました。

 私たちの席の周りは地元応援団で埋められています。テレビカメラなどが向かって左にあり、試合前後のセレモニーなどはカメラのある方向を向いて行われていました。

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 この日は、先に長谷川穂積選手とウーゴ・ルイス選手のスーパー・バンタム級のタイトルマッチが組まれていました。長谷川選手は負けたら引退覚悟のリングでした。

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 長谷川選手は防衛10回した元チャンピオンですがタイトルを逃してからはあまりぱっとしなくて、一昨年の大阪城ホールでも慎介選手の前に試合があったのですが、その時は気の毒なくらいぼろ負けでした。

 今回はこの前の試合より動きは良さそうでした。一度ロープに追い詰められる危ない場面があったのですが、そこを乗り越えると、今度は相手が戦意を喪失してしまってTKO勝ち、見事35歳で3階級制覇の偉業です。

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 勝利の挨拶をする長谷川選手、この後、息子さんに抱き上げられるというシーンがありました。


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 長谷川選手のタイトル奪取で沸き上がる会場に、いよいよ慎介選手の登場です。勝者長谷川選手からエールを送られて気合い十分の表情です。

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 開始のゴングとともに、前回の東京での試合に比べて互いの距離が近く、始めから打ち合いでした。2戦目と言うことでお互い探り合う必要がなかったということでしょうか。

 慎介選手がいきなり三発ほど連続してパンチを食らう場面があり、これはやばいのかなと思いましたが、ラウンドの終盤、今度は慎介選手の左が炸裂してダウンを奪う場面がありました。このラウンド、この試合を象徴するかのように慎介選手の逆転です。

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 その後、試合は一進一退、どちらも打ち合い、今度こそ決着を付けるという意気込み溢れるナイスファィトの展開です。

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 慎介選手の右が相手を捉えているように見えます。300ミリの望遠レンズで撮ったのですが、何とか被写体の動きがぶれないようにと、シャッタースピードを上げたりIOSあげたりしたら、暗くかつ粗い画像になってしまいました。

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 これは慎介選手が必殺の左を相手のボディに打ち込んでいるように見えます。

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 これも左を打ち下ろしていますが、相手の後頭部だからいけませんね。それともモレノ選手がディフェンスしているところでしょうか。

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 モレノ選手がクリンチで逃れているところです。誰かの試合と違って、クリンチの場面それほど多く無かったのですが、時々ありました。これもテクニックのひとつ、ある程度は仕方ないですかね。

 4回でしたか、慎介選手がモレノ選手の右パンチを食らってダウンする場面がありひやりとしました。そう言えば、前回の京都での試合でも、3ラウンドでしたか二度もダウンするシーンがあって大いに心配したものでした。

 どちらもダウンを一度ずつ奪い合って5ラウンド、中間発表の点数はわずかに慎介選手の方が優位でしたが、試合の流れはモレノ選手に傾きつつありました。

 それを一発逆転したのが6ラウンド、やはり左の必殺パンチでした。まともに食らったモレノ選手はリングの中央からコーナーまで吹っ飛びましたね。

 このとき、会場にいた私は一体になって興奮していたので判らなかったのですが、あとからYouTubeで試合の実況中継を見てみると、うぉーっと沸き上がる歓声の凄さに驚きました。

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 打ち合い、お互いにダウンを奪い合う面白い展開になってきました。はじめのうちは試合に夢中でラウンドガールを撮るのを忘れていましたが、これはいつ決着着くか判らないと思い、5ラウンド頃から慌てて撮りました。コマーシャル会社の専属なのか、ここ数試合、ずっとこのモデルさんですね。

 さて、運命の7ラウンドでした。会場は前ラウンドで奪ったダウンで圧倒的に優位に立った慎介選手の、今度は決定的なノックアウトシーンの予感で盛り上がりきっています。

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 モレノ選手、いくらダウンを喫しても立ち上がってくるのはさすがです。モレノ選手は42戦 36勝 (12KO) 5敗 1分と言う戦歴の中で一度もノックアウト負けを喫したことがありません。写真はラスト、モレノ選手をコーナーに追い詰めていく慎介選手。レフェリーが邪魔ですね。

 この後、モレノ選手はコーナーに追い詰められ、フィニッシュの左を食らってコーナーに落ちるように沈みます。

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 沸き上がる歓声、コーナーポストに飛び上がってコブシを突き上げる山中慎介チャンピオン、その後、セコンドに肩車されてリング内を回るとき、このときだけ彼は我々地元応援団の方を向いて何度も雄叫びを上げコブシを突き出していました。

 ここ2試合、やや不本意な判定勝ちが続いたので今回のノックアウト勝ちは本人はもちろん私たちも本当にすきっとしましたね。ましてや相手は前回苦戦したWBC1位、WBA12回防衛の元チャンピオンですからね。この勝利は文句なしという所でしょうか。

 ネットでも今回の勝利は今まで以上によく取り上げられています。長谷川選手と山中選手のこの日の試合のどちらかが今年の年間ベストに選ばれるのではないかとも。

 また、この試合の勝者にはアメリカのボクシング雑誌「リング」からバンタム級の最高選手の証明であるベルトが授与されると言うことで、慎介選手が同時に二つのベルトを獲得しました。こういう栄誉は同じチャンピオンでも箔が付きますね。

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 勝利の瞬間、観客がいっせいに立ち上がってコブシを突き上げている写真と思ったのですが、よく見ると皆さん、カメラやスマホを持ち上げて勝利者表彰のセレモニーを写しているのでした。私もなぜか一眼レフではなくスマホで撮っています。

 この後は、お決まりの同級生軍団による祝勝会、大阪の夜の街に繰り出していきました。途中合流した慎介選手の父親に「本当におまえの子供か」と思わず言ってしまいました。ちなみに彼は中学校の頃、やんちゃなサッカー小僧でしたね。 



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祝! V10 [その他]

 珍しくイベントが続いております。先週金曜日、WBCバンタム級世界チャンピオン、山中慎介選手の10度目の防衛戦が、準地元京都であり応援に行ってきました。

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 さしてボクシング好きでもない私なのですが、たまたま彼の父親と叔父(二人は双子)と中学の同級生だったため、その御縁でここのところ、大阪、東京、京都と連続して応援に行っています。

 今回も地元からバスが何台も出て、私たち同級生も応援バスに便乗しました。会場は島津アリーナ(京都府立体育館)です。当日はタイトルマッチが二つ組まれていましたが、もちろん慎介選手はメインイベントで、TV放映もありました。

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 リングサイドには、慎介選手の高校の後輩である村田諒太選手も姿を見せていました。京都会場と言うこともあってか、東京での試合ほど有名人の姿は見かけませんでした。

 相手のリボリオ・ソリス選手は、慎介選手と同じ33歳ですが、精悍そうに見えます。軽量オーバーで失格ながらも亀田大毅選手にも判定勝ちしている日本人キラー、強敵です。防衛も10度目と言うことで、いつもながらではありますが応援する方もチカラが入りました。

 赤いガウンをまとってリングに上がった慎介選手、ガウンを着たまま盛んに身体を動かしています。地元と言うこともあって、いつも以上に気合いが入っている様子です。

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 慎介選手はじめのうちは、余裕の距離感で戦っているように見えました。軽く、ダウンを奪う場面さえありました。ところが3回でしたか相手の右をいきなり食らってダウンです。

 チャンピオンになって確か二度目のダウンだったと思います。すぐに立ち上がったものの、さらにまた右を食らってこのラウンド二度目のダウン、これには観客席からも悲鳴が上がりました。会場は怒号のようなシンスケコールの大合唱でした。

 このラウンドであと一回ダウンしたらノックアウト負けです。ラウンド3分のなんと長く感じられたことか。ゴングが鳴って何とかノックアウト負けを逃れました。ソリス選手、倒し切れなかったので自分のコーナーに戻る時、地団太踏んて゛悔しがっていましたね。

 この思わぬ劣勢に我々は心配しましたが、同級生の一人、ボクシング通のY君がこれで落ち着くと言った通り、その後は終始慎介選手の右、左が的確に相手にヒットする展開となり、ノックアウトは出来ませんでしたが余裕の判定勝ちでした。

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 ひやひやさせられる場面もありましたが、さすが10度目の防衛戦、ダウン以降は巧さと冷静さが目立った試合運びでした。同じひやひやさせられてもこの前の東京のようなことは無かったですね。慎介選手、勝つテクニックを身につけて、また一回り強くなったのではないでしょうか。



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 試合が終わって、同級生13名で木屋町に繰り出しました。行った所は同級生の一人が案内してくれた、アメリカン・グラフティというお店、バンドと60年代の衣装をまとったお嬢さんが二人、60年代ヒットナンバーを歌い、ホールでは観客が踊りまくります。

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 最後は、慎介選手の親父も加わって、歌ったり踊ったりが苦手な私も、皆といっしょに身体を動かしました。たぶん外目にはぎこちないラジオ体操くらいにしか見え無かったと思いますが、誰も見ている人はありませんね。


 今日はジャズを離れて60年代のナンバーから


 60年代というと私は10代、この歌はザ・ピーナッツの歌で記憶があります。この夜も確か歌われていたと思います。


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謹賀新年 [その他]

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 今年は申年です。子供の時一緒に遊ぶといつもピーピー泣いていた5歳下の従兄弟がもう還暦を迎えるのですね。と言うことは、私は今年65歳です。

 いよいよ高齢者の仲間入りです。アクセルとブレーキを踏み間違えないようにしないと・・・。悪いことばかりでも無いようで、いろいろ特典なり恩恵もあるらしいですね。何より年金が満額支払われます。

 写真のお猿さんは5・6年ほど前、山へ行った帰り道に遭遇した時、撮ったものです。歩いていたらと思うとぞっとしますが、幸い車に乗っていたので安心して撮ることが出来ました。

 GIFの記録では10月27日になっていました。手にしているのは、ゴマの木のようなもの。連写した写真の前後では、あたりの様子をうかがいながら実を銜えている仕草が写っていました。

 私たちのところでは、熊はいませんが猿の目撃騒動は年に何回かあります。我が里に現れる猿は集団ではなく、はぐれ猿や親子連れだったりします。一度現れると、集落の端から端を流して回り小さないたずらを繰り返し、いつの間にかいなくなります。

 去年か一昨年、家の庭で見かけた猿は、かなり大きな個体でした。体毛がグレーだったような気がします。てっきり写真を撮ったと思ったのですが、探しても見つかりません。あまり印象が強かったので目に焼き付いているだけなのかも知れません。

 もっと以前に見かけたのは小猿でした。裏の桜の枝が不自然に揺れているので見に行ったら、小猿が桜の枝でブランコをして遊んでいました。追っ払うとすぐどこかへ飛んでいきました。

 その少しあとのこと、いつもゆっくり歩くご近所の奥さんが一目散、早足で歩いてきます。どうしたのか聞くと、家のビワの木に猿が止まっているので、家に入れないと言います。

 そのお宅に行くと、先ほどの小猿がビワの木の上で実を取ってはほおばっていました。食べ物があるのでちょっとやそっと追い立てても逃げません。猿は長い物が苦手という話を思い出して、近くに転がっていた畑の資材用の棒を振り回したら、小猿はあっさりどこかへ逃げていきました。

 お猿さんとの思い出話、あとひとつはずっとさかのぼって高校の修学旅行の時のことです。大分県の高崎山自然動物園に行きました。そこでは猿の集団がかなり自由に放たれていました。私たちは列をなして通路を通っていたのですが、急に一匹の猿が叫びながら私に飛びついてきたのです。

 驚いて身をかがめたら、猿はすぐにまた飛び退いて集団の中に戻っていきました。いったい何があったのか、近くにいた同級生に聞くと、どうやら私が急に動いたか振り返った拍子に首に紐でぶら下げていたカメラか肩にかけていたバッグが振れて、それが猿を刺激したらしいとのことでした。

 歳を重ねると、どうしても未来より過去の思い出話が多くなります。そんなそらへいですが、今年もよろしくお願いします。

                                                                           2016年1月1日


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