寒かった今年の冬でしたが、3月に入ってしばらく、季節をめくるみたいに一気に春がやってきました。とくにここ数日の暖かさは3月を通り越えて4月、5月の暖かさだったそうです。

 暖かい日差しに重ねて着ていた衣服を脱いで、身も心も軽くなります。縮んでいた身体を思いっきり伸ばします。屋外に出てみると春の風が頬に心地良いです。


 ホトケノザ


 タネツケバナ


 ヒメオドリコソウ


 ナズナ(ペンペン草)

 いつも少し春の訪れが遅い我が里山もいっせいに春の野花が咲き出しました。写真を撮り忘れましたが、近所のウメとサンシュユも咲いています。


 家のサクラの蕾ももう色が見えるところまで進んでいます。昨日、高知では平年より一週間早いソメイヨシノの開花宣言があったそうです。


 休耕地のツクシの群れ、ツクシは荒れ地に生えるそうです。ツクシがこれだけあると言うことは、スギナがはびこると言うこと、暖かくなるのは嬉しいけれどこれからの草の始末が思いやられます。




 さて、東京2日目です。夜というか朝方雨嵐だったそうですが私はホテルでぐっすり眠っていたので全然気づきませんでした。2日目は雨の覚悟をしていたのですが、明け方のうちに雨雲は去ってしまったようです。

 ホテルサービスの朝食をとって外に出ると道路は黒く濡れていて雨がそんなに前のことでは無いことを教えてくれました。

 その日は気温が高くなる予報が出ていたので薄着で外出したのですが、少し肌寒かったです。とくに地下鉄通路はずっと風があって、もう一枚着てくれば良かったと思いました。



 最寄り駅、永田町には半蔵門線、銀座線、南北線が連絡しあってます。慣れない田舎者、長いホームを引きずり回されて銀座線で京橋まで出ました。昨夜の続きみたいですが銀座ではなく、若い頃2年ほど勤めていた日本橋に向かいました。




 その頃利用していた東西線日本橋駅の近くの交差点に「ここ滋賀」がありました。我が滋賀県のアンテナショップです。去年の10月29日オープンなのでまだ出来たばかりのようです。このあたりには、かつてチケット販売で有名だった赤木屋があったと思います。


 初めて日本橋を渡ったとき、頭上に不粋な高速道路が覆い被さっているのに驚いたものです。この光景は田舎から来たものを幻滅させる東京名所の最たるものでしょうね。高速道路を移転させると言う話を聞いた事がありますが、いつ頃実現するのでしょうか。

 近くには東京西川や野村證券、スルガ銀行など見覚えのある名前がいくつかありましたが建物は当時のままかわかりません。


 日本橋三越前です。この横断歩道を渡った先にある通りに私が勤めていた職場がありました。


 三越向かいのこの通りを少し入った先にあったのですが、もちろん今はその建物を見つけることは出来ません。通りの雰囲気はあまり変わっていなくて、通り沿いにはかすかに記憶のあるお店が数軒ありました。



 引き返して中央通りに戻りました。左手に見えるのは三井ビルです。毎日、夕方になると舗道に溢れるオフィス帰りの人群れに逆行するように、このビルの中にある会社に向かいました。その時間から残業する仕事をもらいに行くのです。

 古い建物だったので、廊下は狭く低い天井には配管が走っていました。オフィスも狭く暗かったと思います。担当の方の名前は忘れてしまいましたが、若い私に優しく丁寧に説明してくれるのでした。


 神田駅はガード下にあり、昔と同じ雰囲気でしたがずっと洗練されてきれいになっていました。山の手線で秋葉原に向かいます。

 当時は給料日なると仕事を早めに切り上げさせてもらい、秋葉原へ直行していました。買えもしないオーディオショップを冷やかして回り、最後にレコード店に寄って1枚か2枚のレコードを探して帰ってくるのでした。


 秋葉原は、もうすっかり昔の姿が想像できない街になっていました。電気街の名残は路地のパーツ屋さんにあるだけで、どこを見てもホビーショップやゲームなどのサブカルチャーの街になっていました。

 試しにラジオ会館に入ってみましたが、オーディオ店は一軒だけ中古店があったきりでそれがひどく場違いに思えるのでした。秋葉原はどこへ行っても外国人の客が多かったですね。

 以前は上京するたびに秋葉原には寄っていました。オーディオ熱が冷めるとともに街は家電やパソコンが幅を効かせていました。しかし、今やそれらさえ片隅に追いやられているのです。こことおぼしきところに石丸電気の看板も見つけられませんでした。以前来た時はまだあったのです。

 お昼時、メイド喫茶のコスチュームを着た女性たちが呼び込みをしていました。その奇妙な声と語りを背に私は秋葉原を後にしました。


 今夜のEEric Dolphy(エリック・ドルフィー)です。流し聞き出来ないのであまり聞く機会はないのですが、私の中ではジャズはエリック・ドルフィーまでです。