6月も今日で終わりで今年も半分が過ぎました。しとしと雨が降ったり、雷を伴った激しい雨が降ったりして梅雨もど真ん中というところです。



 先週の日曜は、檀家の若い者(と言っても五十代から七十代)で構成された会の会員が集まって、近くのお寺をお参りしてきました。

 地域の浄土宗が25霊場を復興したのをきっかけに各寺の檀家がお互いの寺をお参りするようになって何年になるでしょうか。

 私たちの檀家もなかなか参加者が増えません。個々にお参りするのも大変なので会で日を決めて参加者を募り、バスを借り切ってお参りすることになりました。今回で二度目、8ヶ寺お参りするので残る8ヶ寺を回ると晴れて満願となります。

(カメラを持って行かなかったので、画像は全てスマホのカメラです)

 最初のお寺は住宅街から奥に入った山の中腹あたりにありました。いきなり急な坂道です。周囲は山林に囲まれて静かなたたずまいでした。時々小雨の降る梅雨空のうっとうしい天気でしたが、雨に濡れた緑がしっとりしてお寺参りの気分をもり立ててくれました。



 アスファルトの坂道を上がり、最後にこの階段を上がるとようやく境内にたどりつきます。境内には国指定重要文化財の十一面観音観音菩薩立像が祀られた観音堂がありました。

 お参りの予約をしてあるので、住職が迎えてくれました。同行者の中の年長者が音頭を取って、座敷にしつらえた座椅子にこし掛け念仏を上げました。

 最近は、どこのお寺も座椅子を用意されています。今回も座敷に座布団を敷いて座って念仏を上げたのは数件だけでした。足腰の悪い方のための配慮だと思います。私はまだかろうじてまだ膝が大丈夫なので、正座して念仏を唱える方が落ち着きます。

 念仏が終わると、住職が当寺の成り立ちなどを説明されます。歴史のあるお寺はそれなりにいろいろな時代の経緯などを説明してくださいますが、私はいつもどこに行ってもその時は感心するのですが、すぐ忘れてしまいます。



 左手に屋根だけ見えるのが十一面観音菩薩立像が安置された観音堂です。



 本堂から山門を見下ろしたところ。




 次のお寺も先ほどのお寺ほどではないですが、集落から少し登った途中にありました。白い大きなアジサイの木が坂の途中で私たちを迎えてくれます。



 ガクアジサイだと思っていたら、別の名前があるそうで、同行者の婦人が名前を教えてくれましたが、つい失念してしまいました。



 参道の脇には用水路もあって静かな所です。ホトトギスの声を聞いたのはここだったと思います。近いのでまた、一人でカメラを持ってきたいなと思いました。



 山門から参道を振り返ったところ、サツキ刈りを終えたところかきれいに刈り込まれてますね。眼下の町並みが梅雨空の下に広がっています。

 山の中腹あたりにひっそりとあったのは、この二軒のお寺だけでした。あとは民家に囲まれた中にありましたが、どのお寺もきれいに整備されていて感心しました。

 そしてどのお寺でも何かひとつ、自慢になるような史跡、指定文化財などがあって、住職が寺の説明の中でそれとなく触れられるのでした。




 午前中に4ヶ寺回り、お昼はすでに予約してあった近くのレストランで会食です。お寺参りだからアルコールは出ないだろうと思っていたら、ビールが出てきました。

 男性陣は口々にお寺参りにアルコールはあかんやろうと言ってましたが、ビールの栓が抜かれているのを知ると、それでは勿体ないと言って召し上がりました。もちろん私もです。

 参加者は老、老中老男女合わせて二十二名でした。それぞれテーブルに分かれてお昼休憩のひととき、食事をいただきながらお喋りに興じました。

 メンバーの上は七十代、下は五十代ですが、半数以上五十代でした。不参加者もあって、六十代は私を含めて4人しかありませんでした。

 私のテーブルの回りは、皆さん五十代の方でした。たまたまですが最近お葬式のあった方が多くて、自然話題は最近の葬式事情とかその後の逮夜、法事などに及びました。

 お葬式、とくに田舎のお葬式は以前、全て自宅で行われ、親戚はもちろん、隣近所、町内まで繰り出して大変でした。それだけに近所や親戚づきあいが重要視されたものでした。

 しかし、最近は近くに葬儀会場が出来て、楽になったと言う話がもっぱらでした。もちろん馬鹿にならないお金はいりますが、段取りから支払いまで全てが葬儀屋さん任せで済ませることが出来ます。

 親戚も近所も町内もしてもらうことが無くなったということです。それに伴って、逮夜や法事の形式や招く人の範囲もどんどん簡略化してきていると言うことでした。

 私が両親の葬儀を出したのは三十年ほど前のこと、すっかり様変わりですが、田舎のあんな大騒ぎの葬式はどうかしていると思っていたので、いろいろな面で簡略化されていくことは良いことだと思いながら聞いていました。

 田舎はこういう事が都会より数段遅れています。今、ようやく数十年前の都会に追いついてきたと思ったら、今や都会では、葬儀はおろか、お墓さえ無くなりつつあると言うのですから、時代は何処へ進んでいこうとしているのでしょう。将来、田舎だって、その波に飲み込まれないと言う保障はありません。



 さて、午後は残り4ヶ寺です。残りのお寺は皆、民家に囲まれた中にありました。お寺によっては、住職がおられなかったり、兼任されていたりするところがあります。我が菩提寺もそのひとつです。

 そういうお寺では総代さんなどが出てきて、寺を開けろうそくに火を付けたりして準備をされます。各自が持ち寄る朱印帳に判子を押されるのもその人たちの役割になります。お話は無いので、お経を上げてくるだけです。

 しかし、午後のお参りはビールが入ったので眠かったです。バスの中で眠るほど距離がありません。自然、お寺で上げる念仏が心地良くて、眠かったことと言ったら・・・



 今日のYouTubeで送るジャズは、Cの項目、Curtis Fuller(カーティス・フラー)です。彼のアルバム、AccuRadioなどを聞いていると、知らないものも掛かるのですが、やはりBLUES etteしか思い浮かびません。以前も上げているのですが、その中でも定番中の定番Five Spot After Darkです。