ホトケノザ

 ヒメオドリコソウ

 まだ寒い日があったり、暖かい日があったりと、3月は毎年のことながらもどかしい思いをさせられますが、春を告げる雑草の花が休耕地のあちこちに今年も咲き始めてきました。

 モクレンももうすぐ咲きそうです。今朝は、今年初めてウグイスの声を聞きました。桜の蕾も膨らんで、気がつけばお彼岸、そして今日は12月に亡くなった先住職の100ヶ日の法要です。


 私にしては異例なこと、まるで盆と正月と誕生日とクリスマスがいっしょに来たみたいなことなのですが、先月のダイアナ・クラール、今月の山中慎介選手のタイトルマッチ、それぞれの興奮冷めやらぬうちに、またしても今度は井上陽水のコンサートに行ってきました。

 井上陽水が今続けているツアーは「ユナイテッドカバー2」2016なのですが、去年は当然2015でした。10月に我が滋賀県は守山市民ホールに来てくれたのですが、私は知りませんでした。同級生の一人が聞きに行った模様をブログに上げていて、自分も行きたかったなぁと思ったのでした。

 平安神宮の鳥居

 ダイアナ・クラールのチケットをチケットぴあで取得したときに、ホームページを見ていたら、井上陽水の2016年のツアーの情報があり、なんと京都でのコンサートが迫っているのを知りました。2016は2015に行けなかった所を回っているらしいです。京都は中でも追加公演だったようです。

 日頃の罪滅ぼしをかねて、今回は妻を誘うことにしました。私と妻は6歳違い、趣味も性格もかなり違うのですが、陽水ならぎりぎりリンクするのではないかと思いました。

 日時はお寺の御忌の前日です。去年までなら役や当番が当たっていたので前日準備があり、あきらめなければいけないところでしたが、今年は無役です。早速申し込んだチケット、S席は取れませんでしたが何とかA席を二枚ゲットすることが出来ました。

 平安神宮前、疎水にかかる橋より東山を仰ぐ

 場所は、ロームシアター京都です。何処かなと調べてみたら昔の京都会館でした。長い間、工事していたのですが、今年の一月改装オープンしたのだそうです。

 この間のダイアナ・クラールは遠すぎて顔も見えなかったので、オペラグラスを今回に備えて買ってありました。ところが持って行くのを忘れ、途中で取りに戻るハプニングがありましたが、早めに出ていたので17時の開場には間に合いました。

 「平和の女神」

 京都会館の玄関前には、山田良定先生の「平和の女神」像が置かれていたのですが、工事中は撤去されていました。もう戻れないのかと心配していましたが、場所を少し変えて西の端の方にありました。

 京都会館に併設されていた建物、以前は何だったのか忘れましたが今は、おしゃれな蔦屋スターバックスコーヒーに生まれ変わっていました。

 ロームシアター京都(京都会館)正面から見ると外観はあまり変わって見えなかったのですが、柱が増えているような気がしました。また、疎水側から見ると外壁が綺麗になっていました。

 入ったのは、たぶん30年ほど前、カウント・ベイシーを聞きに来て以来です。中はまるで別のホールのような変わりようでした。綺麗でモダン、4層バルコニー構造と言うそうで約2000人収容だそうです。上野の文化会館を思わせる構造、クラシック音楽などにも合いそうです。

 私たちの席はその四階です。四階には4列しか席がないのですがその3列目という条件でした。ダイアナ・クラールの時と言い、チケットぴあ、ろくな席を取ってくれないな、と思っていたのですが、救いは左右の真ん中、ステージの真正面だったことで音響的にはばっちりでした。四階席、確かに上から見下ろすことになりますが、一階後ろのダイアナ・クラールの時より近くに見えました。

 会場入り口で待っている時から感じていたことですが、回りの観客たちはほっとするほど同年代のカップルが多かったですね。中には女性だけのグループとか若い人の姿もありましたけれど少数でした。

 陽水さん、登場すると挨拶なしでいきなり「カナリア」を歌い出しました。大柄で昔のイメージからすると少しふくよかです。2.3曲歌って、ようやく挨拶が入ります。

 「京都の皆さん、並びにその近郊の皆さん」などと挨拶して小さな笑いを取ってました。そのMCの中で、なんと京都は5年半ぶりということを告白していましたね。

 お喋りの間に何気なく挟まれるウィットに思わず反応しながら、やはり日本のミュージシャンのステージは、言葉の心配がいらないからいいなぁとつくづく思います。

 歌はもちろんですが、トークも楽しかったですね。あんなに喋るとは思いませんでした。時々話が脱線して何処へ行くのかと思ったら、話の結末にはちゃんとオチが付いていて脱線も計算のうちなのでした。

 トークの中にあった話で驚いたのは、先日の大阪でのダイアナ・クラールの公演、彼も聞きに行っていたのだそうです。席は前の方だったそうですが、思ったより音が小さくステージが遠くに感じたそうで、今度から補聴器とオベラグラスがいると言うオチが付いていました。

 歌は、知っている曲と知らない曲が交互に歌われている感じでした。知っている曲だけを並べると「カナリア」「飾りじゃないのよ涙は」今回のツアータイトル「ユナイテッド・カバー2」から「シルエット・ロマンス」「リンゴ」「女神」「瞬き」「あの素晴らしい愛をもう一度」などです。

 今回のツアーのテーマはカバーなんですが、「女神」と「瞬き」はオリジナルで、NHKの番組、ブラタモリのテーマとエンディング曲と言う説明がありました。

 15分の休憩を挟んで、後半は「ジェラシー」「氷の世界」「夢の中へ」と懐かしいナンバーが続きました。私たち世代には何より嬉しいことですね。とくに「氷の世界」「夢の中へ」は歌うと思っていなかったので嬉しかったです。私が彼を聞くようになった原点です。

 異様に長いアンコールの拍手の後、彼はなんとシャツを着替えて再登場してきました。いかにも着替えていたから遅くなってしまったんだよと言わんばかり、これも彼特有のユーモアなんでしょうね。

 アンコールは確か3曲歌ってくれたと思います。最後が「夏の終わりのハーモニ」でしたか。最後はステージも観客席も最高に盛り上がってましたね。17時半から20時過ぎまで休憩を除いて約2時間半、熱唱でした。私より三歳上の67歳ですが、エネルギッシュでパワフルですね。

 満員の会場は大盛り上がり、まるで2000人の同窓会のようでした。隣の席の我が相方も、なんのかのと言いながら、時折オペラグラスをのぞき込んだり、一生懸命手を叩いたりしてましたね。