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おもいでの夏 [自然]

 ここ数日、晴れたり曇ったリですが、朝晩よく冷え込んでやっと秋らしい日々になってきました。身体が軽くなり食べ物がおいしく、何より音楽が心にしみ入る季節の到来です。

 10月10日の体育の日は、前日までの蒸し暑さからさわやかな秋らしい日に切り替わった日でした。朝、庭に薄い朝日が斜めに差していました。外に出ると空気がひんやりして心地よく、思わず伸びをしたくなるほどでした。

 あんまり気持ちがよかったのでカメラを持って裏山に出かけることにしました。キビタキエゾビタキの写真をどなたかのブログで見かけたので、ひょっとしたら出会えるかもと思ったのです。

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 いつもの山の入り口の清流です。このところ雨が多かったので沢の音が大きかったですね。

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 山の入り口を過ぎ小さな橋を渡りどんどん登っていくと、聞こえて来た野鳥の声はいつものヤマガラでした。私が写真を撮っている間、モクレンの実を突いていました。

 久し振りにファインダーでしっかり鳥を捕まえている実感があったのですが、後で見るとボケていますね。しかもこの日の野鳥の成果はキビタキやエゾビタキどころか、たったこれだけでした。

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 アケビの実です。ほんわか柔らかそうに見えますが、触ってみると思いの外固い感触でした。

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 ぽつんと一つだけ落ちたドングリ、まだ少し早いのか仲間がいなくて淋しそうです。道ばたには青い栗の毬がいくつも落ちていました。毬の中は空っぽです。たぶん猿の仕業でしょうね。

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 あちこちで名前の知らないキノコを見かけました。入るとき気づかなかったのですが、今は松茸山の時期なんですね。どれだけ松茸が採れるのか知りませんが、入山禁止の看板が山を下りた所に立てかけられていました。

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 坂道ははじめのうち少ししんどかったですが、すぐに何ともなくなりました。暑くも寒くもない気持ちよさに身体が勝手に動く感じです。

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 林道の途中で、一人の高齢者と一組のご夫婦とすれ違いました。白髪のご主人が、私のカメラを見て「鳥ですか、いますか」と声かけてきました。私は苦笑しながら「いませんね」と答えるだけでした。

 登っていく私の足取りより、降りてくる人たちの足取りの方が軽く見えるのは、上りと下りの違い、人生の坂道と同じでしょうか。

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 集落境まで行って、いつもならそこで引き返すのですが、その日は境を示す鎖をまたいで越えて、隣の集落の林道に入っていきました。

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 私たちの集落の林道は舗装されていますが、隣の集落の林道は未舗装で人の手がほとんど入っていない印象でした。降りていくほどに草や木々が茂って林道のまわりはうっそうとしてきます。

 以前から、この道を降りていくと隣の集落のどのあたりに降りるのか、興味があったので今日は麓まで探検してみることにしました。

 自然に富んでいる林道の所々では湧き水が溢れたり、道が雨水で削られたりしています。もちろん草はボウボウです。林道回りの林の奥からは、鳥の声もよく聞こえ飛び交う姿も見えますが写真に収められるほどではありませんでした。

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 大きな水音を立てて沢が林道沿いを流れています。水底の砂が見えるくらい綺麗な水です。こういう所にカワセミがいそうな気がしますが、カワセミが生息するには川底が浅すぎますし、肝心の餌になる魚がいません。

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 頂上まで行ったら引き返すつもりだったのに、隣の集落に入って歩き続けています。初めて歩く道なので、あとどれくらいで麓に着くのか判りません。林道はくねりながら緩やかに下っていきます。木漏れ日が気持ち良くて、汗も疲労感もありません。

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 アケビの実がこちら側ではすでに熟して弾けていました。

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 草木が生い茂り鬱蒼とした間にかろうじて林道が見えています。突然、緩く曲がった行く手に鹿の姿を発見しました。一瞬、カモシカかと思ったくらい大きくて角を生やしています。

 ニホンシカですね。写真を2.3枚撮りましたが、逃げないので少し不安になった頃、全身を翻しはねるように逃げていきました。後で写真を見ると可愛い顔をしています。さすが野生、奈良にいる鹿とは体毛など雰囲気が少し違いますね。

 鹿に出くわして、急に不安になりました。山道の所々にはイノシシがのたくった跡もありました。気休めにしかなりませんが、道ばたに折れて転がっている木の枝を拾い持って歩きました。

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 深い山道の下から一頭の蝶がひらひらと上がってきました。羽根の模様を見るとアサギマダラのようです。全くいないことはありませんが、そう頻繁には見かけない蝶です。

 しかしあたりには彼女が止まる花がありません。何度も木の葉に近づいて止まりそうになりながらまたひらひらと舞い上がって林道を私とは反対に上がっていきます。

 追っかけて何度かシャッターを切りましたが、結局カメラに収めることは出来ませんでした。逃げるに従って追いかけて行くとまた山を登ることになるので途中で追うのをやめました。

 それからしばらく歩いて、林道は突然ぷつんと途切れて、その先には異空間のような明るい住宅街が広がっていました。なんと林道の終点は△△台と呼ばれている新興住宅地でした。

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  住宅地の一軒のお宅の庭先にあったホトトギスです。

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 山を切り開いた住宅街を抜けて麓に降りると昔からの古い集落に出ます。そこは中学生の時、自転車で毎日通っていた道です。

 ついでに子供の頃遊びに来た同級生の家や通り沿いの懐かしい家家の軒先を確かめながら、自宅まで歩いて帰りました。家にたどりついたら、もうお昼を過ぎていました。およそ4時間ほどの小さな山歩きでした。


 今日のジャズはアート・ファーマーです。1970年代半ばに来日されたとき、聞きに行っているのですがその話はまた別の機会にして今日は「おもいでの夏」です。ミッシェル・ルグランの作曲で同名映画のテーマ曲です。アート・ファーマーのフリューゲル・ホーン抒情的です。皆さんには、どんな夏の思い出があるのでしょうか。 


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きよたん

おもいでの夏 なつかしい映画です。
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by きよたん (2016-10-14 20:52) 

sigedonn

この時期の
「思い出の夏」。
深く振り返るとやはり、1971年の夏が、
強烈です。in TOKYO
by sigedonn (2016-10-15 00:05) 

SILENT

ニホンシカの写真何かいいですね。
そらへいさんと、山歩きをご一緒出来たような組写真を拝見できました。
机の下にはLP盤のビリーホリデイの奇妙な果実のジャケットが立て掛けてあり、曲のイメージが時々見ると頭の中に流れてきます。
by SILENT (2016-10-15 02:48) 

himanaoyaji

こちらではまだヤマガラ見れないです、カバンにはひまわりの種とピーナッツ入れてます、見つけたら餌付けに挑戦の予定です。q(^_^)p
by himanaoyaji (2016-10-15 06:15) 

takenoko

秋らしくを通り越して初冬の感がしばらく続きました。今日は秋晴れになりそうです。
by takenoko (2016-10-15 06:24) 

タックン

4時間も歩かれたのですか!
沢音の聞こえる山歩き いいですね~
どこもかも秋の佇まいが感じられます。
猿やニホンシカやイノシシもいるのですね。
熊は大丈夫ですか?
アケビ あのねっとりとした甘さを味わいたいですが
食べるのが面倒ですね^^
by タックン (2016-10-15 12:23) 

そらへい

きよたんさん
こんばんは

テーマ音楽が有名すぎて、肝心の映画のストーリーが思い出せません。
この頃は、多感な少年と美しい年上の女性の映画多くて、記憶がゴチャゴチャになってます。
by そらへい (2016-10-15 19:36) 

そらへい

sigedonnさん
こんばんは

1971年、東京での強烈な思い出ですか。
どんな思い出だったのでしょうね。
この映画も製作されたのは1971年だそうです。
1971年というと、私も上京した年ですね。
思い出はいろいろありますが、
あまり強烈な思い出はなくて、
ぼんやり自分の行く末を夢見ていた頃でした。
by そらへい (2016-10-15 19:40) 

そらへい

SILENTさん
こんばんは

シカは何度か見かけたことはあるのですが
写真に撮れたのは初めてでした。
これでリス、ウサギ、サルをカメラに収めましたが
イノシシだけは遭遇したくないですね。
ビリー・ホリディの粘りけのある歌声
ジャケット写真とともに浮かび上がってきますね。
by そらへい (2016-10-15 19:45) 

そらへい

himanaoyajiさん
こんばんは

裏山にはヤマガラ、年中いますね。
ヤマガラしかいないのではと思うくらい
いつもいますよ。
ただ、山には餌が豊富なので、手名付けるのは大変かも知れません。
これから寒くなると、餌に寄ってくるかも知れませんね。
by そらへい (2016-10-15 19:48) 

ぼんぼちぼちぼち

そう、まだ緑のアケビって固いんでやすよね。
熟れたら食べられやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2016-10-15 20:04) 

そらへい

takenokoさん
こんばんは

本当に一遍に切り替わって
しかも今度は極端に寒いですね。
身体がついて行きかねてます。
by そらへい (2016-10-15 21:54) 

そらへい

タックンさん
こんばんは

そんなつもりはなかったのですが
足をのばしているうち4時間も歩いてしまいました。
と言っても写真を撮りながらなのでゆっくりした足取りです。
怖いのはイノシシとサル、熊はこのあたりにはいませんね。
湖北ではよく出ているらしいですよ。
アケビ、子供の頃食べたような記憶があるのですが
子供の頃は、山でいろんな実をつまんでいましたね。

by そらへい (2016-10-15 21:55) 

そらへい

ぼんぼちぼちぼちさん
こんばんは

アケビの実、固かったのはまだ熟れてなかったからですね。
熟れて弾けた方のアケビは触りませんでした。


by そらへい (2016-10-15 21:59) 

しばちゃん2cv

ここでは書けない、思い出がございます。
by しばちゃん2cv (2016-10-16 16:04) 

そらへい

しばちゃん2cvさん
こんばんは

それではそっと胸にしまっておいて下さい(笑)
by そらへい (2016-10-16 20:55) 

yoriko

いつも思います良いところだなぁと
ハイキングに見える方も多いのではありませんか
野生のニホンシカがお住まいの地域に生息している事に驚きました
我が家から近かったら是非伺って自然にどっぷり浸ってみたいです
もちろんその時はそらへいさんの道案内で(-_^)ー☆

写真を拝見しながらイノシシも居そうですが熊に襲われる心配もあるのではないのですか気休めでもイノシシ用に棒と熊用に鈴をもたれては如何でしょうか、でも鈴は逆効果と言っていますね。
何が出てくるか解らない林道ですが夢と冒険が待っているようなワクワクする高揚感を味わえそうです。アケビは一度だけ食べた事がありますが甘かったように記憶していますがタネばかりで実が無かったような・・^^;
アケビの蔓でカゴを編むと素敵なんですよ☆

by yoriko (2016-10-17 17:21) 

たいへー

音楽の秋がきました。
そのせいか、自室に籠る時間が増えてます。^^
by たいへー (2016-10-18 10:33) 

そらへい

yorikoさん
こんばんは

特徴がないの特徴のような何の変哲もない田舎です。
普段は地元の人が散歩したり、秋は松茸山
春先は山菜採りの人たちが訪れたりしてます。
シカはついこの間まで家の裏近くまで来て野菜や花の芽をつまんだりしてましたが、山際にフエンスが出来てから被害減りました。

熊はいませんがイノシシはいますね。
私たちのところではないですが、
たまにハイキングの人たちが襲われたりしているそうです。
私もイノシシは少し怖いですね。
それと高いところに上がったりしたとき、怪我しないか不安になります。
山の中は、沢の音と野鳥の声以外は静まりかえっています。
時々木々の揺れる音や枝がふれ合う音がします。
目にとまったものにカメラを向けながら、いろんなことを思って
気ままに歩くのが好きですね。
アケビとかグミとか子供の頃、自然に口にしていたもののことを
ほとんど忘れてしまっているが残念です。


by そらへい (2016-10-18 20:16) 

そらへい

たいへーさん
こんばんは

秋は何をしても良い季節ですが
とくに秋の夜長など音楽がしみじみ聞こえますね。
昼間はお天気が良いと、インドアにいるのが勿体なくて
外に出てしまいます。
by そらへい (2016-10-18 20:19) 

yoko-minato

おはようございます。
お友達がやはり速攻に落ちて
骨折されたとか・・・いらっしゃるんですね。
気を付けて歩いているつもりなのにやはり
どこかおとろえているのでしょう。
4時間の散策、すごいですね~。
でも読み進みながら私まで散策している
気持ちで詠みましたよ!
アケビ、キノコ、山野草など・・・
by yoko-minato (2016-10-19 05:24) 

MONSTER ZERO

思い出の夏!。。。ジェニファー・オニール!(^^;
by MONSTER ZERO (2016-10-19 11:13) 

そらへい

yoko-minatoさん
こんばんは

彼の場合も夜でしたが、
ただ、彼は酒を飲んでいたそうです。
家のすぐ前の道路の側溝だったそうです。
骨折と鼓膜が破れたとか
無いと思って歩いているので、
思い切りよく落ちてしまうのでしょうね。
車の運転などもそうですが
何処に災難があるか判りませんね。
落ちたり、転んだり、ぶつかったり
今のところあまりありませんが、
ひやりとすることはたびたびありますね。
お互い気をつけないといけませんね。


by そらへい (2016-10-19 20:04) 

そらへい

MONSTER ZEROさん
こんばんは

ジェニファー・オニール、素敵でしたね。
これと言ったストーリーも無いの映画ですが
彼女の美しさだけは記憶にあるような気がします。
by そらへい (2016-10-19 20:06) 

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