サンスイAUーD907故障 [オーディオ]
穏やかな小春日和が続いています。田んぼに出ると稲刈りがとっくに終わったほ場に、切り株から青い芽が出てもう一度稲刈りできそうな勢いで苗が並んでいます。「ひつじ」とか「ひこばえ」と言うそうです。穂が付いているのもありますが実は入っていないそうです。
久し振りにオーディオ話です。と言っても何か新しい展開があったわけでは無く、愛用しているオーディオシステムのプリメインアンプが故障しました。
部屋に入るといつものように、まずパソコンを立ち上げオーディオのスイッチを入れます。パソコンは中古のThinkPad L540でオーディオ専用に調達したものです。
ネットに繋がったパソコンからアマゾンミュージックHDで好きな音楽をその日の気分で選んで聞いたり、YouTubeのミュージックビデオを楽しんだりしています。
パソコンとプリメインアンプの間にこのUSBDACを挟んでいます。デジタル信号をアナログ信号に変換してくれる装置で、これが魔法のようにパソコンの音を美しく再生してくれます。
ところがその日、いつものように操作しても音が出ません。いろいろスイッチを押しまくったり、セレクタースイッチを回してソースをCDやレコードに変えてみてもウンともスンとも言いません。
アンプの故障が疑われたので、予備のテクニクスの中古アンプに変えてみると音は出ました。いつも聞いているアンプの音と比べると、少し寝ぼけて聞こえますがとりあえずそれで音楽を聞くことは出来ました。
故障したアンプはサンスイのAUーD907です。40年ほど昔に発売されたプリメインアンプです。その頃から使っていたわけではなく数年前にオークションで落札しました。
もともとサンスイのアンプの人気は知っていたのですが、食わず嫌いのところがあってこれまでは触れる機会がありませんでした。ジャズにはJBLとサンスイのアンプという定説があって、一度試してみようと思って入手したのでした。
サンスイという音響機器メーカーは今はありませんが、古いサンスイのアンプをリストアしてオークションに出品されている方が何人もおられます。その中でもポリシーがあって信頼できそうな方を選んで落札しました。
今までにもYAMAHAのアンプとか別のサンスイのアンプのリストア物を入手した事があるのですが、案外早く壊れました。今回もやはりそうだったかと落胆しました。
しかし、ずっとテクニクスのアンプで聞くのはサンスイのアンプの音を知ってしまってからでは耐えられません。買い直すにはまたいくらかのお金が掛かるので、それよりは修理代の方が安いだろうと思い出品者に連絡をとって見ました。
見ていただけると言うことで20キロのアンプを梱包して送りました。原因はトランスの断線でした。しかし、40年も前のアンプなので新品の部品はありません。ジャンク品を買って部品取りすることも考えられましたが、金額が高くなるので出品者在庫のトランスを譲っていただくことで解決しました。
約一週間、思ったより早く無事AUーD907が戻ってきました。やはりテクニクスのアンプと比べると(発売当初の値段や中古購入価格が違いますが)音の粒立ち、音の伸びが違います。とくにジャズを聞くとそれが顕著にわかりました。
ともかく元のようにまた快適な音で音楽が聞けるようになってほっとしています。このところオーディオ熱は冷め気味で、どちらかというと次々に発表されるミラーレスカメラとかレンズに気が行っていたのですが、故障で無理やり振り向かされ、安く抑えていただいたとは言え少ない資金をつぎ込むことになってしまいました。
幼稚園のイチョウはずいぶん散っていました。
今夜のPはPat Metheny(パット・メセニー)です。彼の弾くギターが醸すリリシズムが初冬の夜にぴったりきます。曲は「雨の日と月曜日」です。
春の惑い [オーディオ]
もう春が来たかなと思うような暖かい日があったのは、2月末でしたか3月初めでしたか。3月も中旬、お彼岸ももうすぐというのに今朝も霜、このところ不順で冬のような寒さを感じる日が続いています。
晴れているけれど北風の冷たい中、ご近所のサンシュユは満開の時期を迎えていました。いつも一緒の時期に咲く近くの梅は、もう終わりを迎えていました。
ブログネタに窮しているとき、今自分の中で何がいちばん旬なのかと自問してみるとやはりこのネタは外せそうもありません。
ここのところオーディオは、10円玉インシュレーターとか、せいぜい2.3千円のRCAケーブルの変更で済ませていたのですが、先日久々にポチッとやってしまいました。
SP-LE8Tと違って、JBL 4312Dに繋ぐプリメインアンプです。実はこのブログではプリメインアンプ、私はいまだにYAMAHAのA-2000aを使っていることになっているはずです。
(過去記事、呪われているのでしょうか?によるとA-2000aが壊れて代替えアンプで凌いでいるところでオーディオアンプの記事は止まっていたようです)
もう一昨年の事になるでしょうか、A-2000aは使い方が悪かったのか何が原因かわかりませんが音の代わりにノイズが出るようになってお亡くなりになってしまいました。
A-2000aはYAMAHAらしいクリアできれいな音がしていたので、気に入っていたのですが修理に出すにしても新しく買い直すにしても26キロは重すぎました。
アンプが無いと音楽が聴けないのでYAMAHAの最新アンプにしようか、別のメーカーのプリメインアンプにしようか迷いながら、やはり安い中古品、昔名器と言われたアンプのメンテナンス品をオークションで落札しました。
ところがこれがまた使い始めてしばらくするとトランスが唸り出したり、不定期に右チャンネルから雑音が出るようになりました。
トランスの唸りは、音楽をかけるとわからなくなるのですが、右チャンネルから不定期に出る雑音は不快でした。せっかくの音楽が台無しです。雑音は鳴らしているうちに収まることが多く、なぜか夏場は出なくて寒くなると出るのです。
中古メンテナンス品とは言え幾ばくかのお金を費やしているので我慢して使っていました。先夜どうにも我慢ならなくなって、前から目をつけていた出品者のアンプに入札するとそのまま競争相手も無く落札してしまいました。
出品者はこの型番のアンプを100台以上メンテナンスしているそうです。一年前もこの方のアンプを入札するつもりでいながら、少し安かった別のアンプに浮気をしてしまい結果、失敗してしまいました。
約一年越しの落札でした。古いアンプはトランス鳴きは仕方ないものかと思っておりましたが、新しく落札したアンプは音楽がない時、みじんもよけいな音を出さず静かにたたずんでいます。
もちろん、どこからも変な雑音は出ませんし音も今までのモヤモヤした気分を晴らすようにくっきりと再生してくれます。曖昧だった解像度、定位ともにバッチリです。4312Dが蘇ります。低音が小気味良く弾みます。
雑音が出る方のアンプは完全メンテナンスと歌っていましたが、どうやら不完全メンテナンス品だったようです。こればかりは使ってみないとわからないので良い勉強になりました。
これが今回手に入れたプリメインアンプです。今は亡きメーカー、サンスイのAUーD907、メンテナンス品のため部品交換されていますのでオリジナルの音を再現しているかどうかはわかりませんが、私には十分に思えます。
YAMAHAのA-2000aは音がきれいでやや引っ込みがちに左右に広がります。サンスイAUーD907も同じくクリアな音ながら芯があってどんどん前に出てきます。
昔からジャズ向きと言われているので、もっとゴリゴリした音かと思っていたのですが思ったより澄んだ音でよく弾みます。4312Dとの組合わせと言うかJBLとの組合わせは定番です。
不完全メンテナンスだったアンプは、同じくサンスイのAUーD907G EXTRAと言ってオリジナルAUーD907から続々と出たリファイン版の一つで1983年製、AUーD907はもっと古い1978年製です。
1978年というと私は27歳、東京で貧乏生活をしていた頃です。オーディオブーム、続々と高級オーディオが発売され始めていました。欲しいアンプやスピーカーがいっぱいありましたが、とても買える状況ではありませんでした。
格子模様のSP-LE8Tと言い、サンスイAUーD907、DENONレコードプレーヤDP-57L、私のオーディオはほとんど中古品で構成されています。いずれも発売された当初はとても手の届かない品々、高嶺の花でした。
それが今は中古でメンテナンスされたものが、当時の半額とか三分の一の値段で手に入れることが出来るのです。古いオーディオマニアにとっては、ありがたく幸せ時代です。
とは言えアンプ交換はお金も力も要ります。名器放浪もこの辺で辞めて、これからはこのAUーD907を長く楽しんで行きたいと思っています。
古い機器なので壊れる事がまたあるかも知れません。その時はオークション出品者の方が面倒見てくれるそうなので安心して使っていきたいと思っています。
家のツバキは蕾とこの一輪だけです。樹の下には花が一輪だけ落ちていました。そのそばの桜の樹、蕾はまだ小さく固いまま、今年は早いと思われた開花、このところの寒さで例年と同じ頃になりそうです。
今夜のジャズ、飛ばしていたミュージシャンを思い出しました。Jに戻って、June Christy(ジューン・クリスティ)です。曲はおなじみのサムシング・クールです。
このアルバムジャケットには別のデザインがあって、もう一方はジューン・クリスティが目をつむっています。そちらはモノラル盤だそうです。
10円玉とスピーカースタンド [オーディオ]
1月末、今冬初めての積雪がありました。しかし、水分の多い柔らかい雪で凍結することもなく翌日にはほとんど消えてしまいました。
2月に入った今朝も昨夜からの雪がちらついていました。そのまま積雪することもなく昼には止んでしまいました。やはり例年に比べると暖かい冬のような気がします。
当地にもツグミが姿を見せるようになりました。残念ながらまだ写真が撮れていません。代わりに同じ雪の日、お隣の栗の木に咲いた野鳥の群れをパチリ、こんなにたくさんの群れは多分ムクドリだと思います。
今日は久しぶりにオーディオネタです。と言ってもまた何か新しい機種を仕入れたわけではありません。地味にスピーカースタンドとインシュレーターの話です。
寒いとどうしても外に出る機会が減り、室内でゴロゴロしてしまいます。そうすると部屋や部屋の中のものをいじりたくなります。今回は大幅な模様替えは控えて、ほんの少し工夫してみました。
机の脇に棚を作って机上面積を広げることにしました。脇机を置くほどスペースはありません。そこで活躍したのが、ずっと以前に某オクで購入したまま気に入らず、放置していた木製のスピーカースタンドです。少し机より低くなりますが二つ並べてその上に板を渡すことにしました。
釘で打ち付けるわけでもなくただ棚板を乗せただけの簡易的なものです。重いものでも置かなければ大丈夫と思います。廊下で場所塞ぎをしていたスピーカー台が一組無くなって少しだけ廊下がすっきりしました。
実は同じ様な木製のスタンドがもう一組ありました。こちらもオーディオルームに座る椅子の横に逆さに立てて、脇テーブルにすることにしました。
立ててあるだけなので不安定ですが、椅子に寄りかからせてあるので雑誌や本、リモコンなどを置く程度なら問題なさそうです。
題目がスピーカースタンドとインシュレーターなのに、このような使い方は本来のスピーカースタンドの使い方ではありませんね。
スピーカースタンド、小型のスピーカーは金属製の専用スタンドに置いているので問題ないのですが、2台のJBL、4321DとLE8Tを置く適当なものがありません。専用台が中古で販売されていますが、値段が高すぎて手が出ません。
おしゃれな人は足下に気を遣うと言いますし、オーディオでも機器を活かすも殺すも足下の台ではないかと思います。
スピーカーはもちろん、アンプやプレーヤーも共振しないがっちりした台の上に置いたり、インシュレーターを咬まして浮かしたりされています。
私が昔から愛用しているのは、あまりおしゃれではありませんが無骨なブロックとレンガの組み合わせです。1970年代にオーディオを齧った人は、スピーカー台と言うとブロックという刷り込みがあります。
効果はそれなりにあるので全くの迷信ではないと思います。JBL4312D、今回台になった木製のスピーカースタンドを試した結果、やはりブロックに落ち着いたのです。
気になったのはLE8Tの方です。またブロックを並べるのも芸がなさ過ぎる気がして、前に某ハードオフで購入してあった国産メーカーのスピーカースタンド、高さも見てくれも良いので使用していました。
先日部屋に遊びに来たオーディオ友が、低音の膨らみと部屋のライブ感を指摘しました。そう言えば、同じレコードやCDを聞いても全く違って聞こえるのです。
それを私は真空管アンプとLE8Tの迫力のせいだと思っていたのですが、低音が出すぎて部屋が反響し音が濁っていたのです。
私の部屋はオーディオルームとして使用していますが、元々オーディオルームとして作った部屋ではないので、床はフローリングで壁面は薄いプリント合板です。音が響きすぎてしまうのです。専用台を買うお金も無いので、やはり実績と安心感のあるブロックを積むことにしました。
これがまたひと苦労でした。ブロックが重い。若い時は何とも無かったのにこんなに重いものかと思いました。その上スピーカーはもっと重いのです。年寄りには堪えますね。
しかも一つでは高さが足りないので二段、さらに別のブロックを積んで都合三段積みになりました。これも積み方に向きがあって、それぞれ音が変わるそうです。しかし、今回そこまで追い込むことは出来ませんでした。
聞いて見た結果、音は幾分すっきりしたように感じますが、やはり低音、ベースの音などがまだボン付いて聞こえます。
あと反響を抑える方法としては、スピーカーを台から浮かせることです。それにはインシュレーターが必要になります。これもピンからキリまであってamazonで見ても安いものから目の玉が飛び出すものまで種々雑多です。
迷っているうちに、昔から言われている手法を思い出しました。10円玉インシュレーターです。これならお金も掛かりませんし、なにより手軽です。
スピーカーの四つの隅とブロックの間に10円玉を一枚ずつ置きます。左右チャンネルを合わせても80円の出費で済みます。さてこれで聞いて見ると期待以上に良いのです。ピタリと低音の響きが収まりました。
ただあまりすっきりしすぎて、二つのシステム、トランジスタアンプと4312Dの組合わせと真空管アンプとLE8Tのシステムと音の差があまりなくなったようには感じました。
ネットで検索してみるとこの硬貨インシュレーターをいろいろ実験されている方がおられました。1円、5円、10円、100円、500円硬貨、全て試されてそれぞれレポートを上げておられます。
さらにそれらを組み合わせたハイブリット版や、2枚重ね、違う素材を挟んでみたりと収まるところを知らない広がりです。こうなるともうシンシュレーター泥沼ですね。
安いものなので私もいろいろ実験してみても良かったのですが、何せスピーカーが重いのでとりあえずはこの状態でしばらく行ってみようかなと思います。
あまりに効果的だったので4312Dの方にも10円玉を咬ましてみました。そうすると、こちらは低音が軽く鳴りすぎる気がしました。高域は明らかにきらびやかになりました。
翌日になって、聞くとその時の違和感がありません。これで良い気がします。そして毎日聞いているうちにすっかり違いが分からなくなってしまいました。所詮、私の耳はそんなものなんですね。
今夜のJはJo Stafford(ジョー・スタッフォード」です。彼女は1917年生まれ、SWING時代の歌手です。若い頃は女優でもあったそうです。曲はおなじみのテネシー・ワルツです。
呪われているのでしょうか? [オーディオ]
師走に入って一週間が経ちました。一年も一ヶ月も一週間も一日も過ぎるのが速いですね。なんとなくその日その日を過ごしていく間に、今年もあと3週間あまりになってしまいました。
かつて勤めていた職場でのことです。そこに若いS君がいました。彼はちょっとしたトラブルメーカーでした。人間関係でもいざこざがありましたが、何より困ったのが彼のところの機器がよく壊れたことです。
修理しても新品に買い換えても、しばらくすると壊れてしまうのです。他のところではそんなことは滅多にないことなので、彼の使い方に問題があるのではと私は密かに疑っていましたが、使い方の癖が影響されるような機器でもありませんでした。
何より不思議なのは彼が行く前、その部署ではそんなことは一度も無かったのです。たまたま壊れる時期に行ったのなら最初の一台だけ、新品に変えても駄目なのですから。
しかも壊れたと言ってくるのが、いつも間の悪い時、連休前とか忙しい時でした。一度目、二度目あたりまでは笑っていましたが、三度目以降になるとこちらの頭が理解不能に陥って言葉も出ません。結局、私は彼のことを呪われていると結論付けるしか仕方ありませんでした。
それから二十年後、いやそれ以上でしょうか、その呪いが時を隔てて我が家のオーディオシステムにやってきたようです。今年一年、正確には半年間の間にアンプが3台も次から次へと故障してしまったのです。
去年の暮れに衝動的に買ってしまったLE8T、調子に乗って聞き続けていた2月頃のこと、LE8Tから雑音が聞こえるようになりました。
まさかLE8Tがと、スピーカーを切り替えてみると別のスピーカーからも雑音は聞こえてひと安心。次はアンプかプレーヤーです。レコードとCDを切り替えても雑音は消えませんでした。原因はアンプとわかりました。
LE8Tを聞きまくっていたので、真空管パワーアンプLUXのA3500が酷使に耐えかねて壊れてしまったと思いました。真空管の消耗で雑音が出るのかどうか知りませんが、別の真空管と交換してみても雑音は消えません。
困ったな、やっかいなことになってしまったとA3500を前に思いあぐねていると、どこからか低い音が聞こえてきます。真空管を交換するためにA3500の電源を落としているのにです。
雑音の原因は真空管パワーアンプではなく、プリアンプの方でした。9年前に中古で入手したYAMAHAのCー6です。
私の部屋にあるオーディオ機器はほとんどが中古品です。ここ半年ほどセレクターの接触が悪かったりして兆候があったですが、とうとう致命的な故障が起きたようです。発売が1980年、よく今まで動いてくれたと思います。
メインのシステムなのでプリアンプが無いと困ります。予定外でしたが急遽別のプリアンプを入手しました。何を買ったかはまた次回に譲ることにして、今日はアンプの故障の話を続けます。
このアンプ、重さが26キロあります。30キロの米袋を運ぶことがありますが、それより重く感じられます。良いアンプは重いそうですが、それにしても重い、石のように重くてラックから取り出すだけで一苦労でした。
買ってからあまり時間が経っていないので修理に出すことを考えましたが、修理代とこの重さのものを運ぶことを考えると積極的な気持ちになれません。
いずれにしても、メインシステムのプリアンプに散財しているので先立つものがありません。phonoが逝かれてお蔵入りになっていた先代のYAMAHAのプリメイン、AX-1200を引っ張り出してきてその場を凌ぐことにしました。
レコードを聞くことさえあきらめれば、CDもPC音楽も聞くことが出来ます。レコードはメインシステムで聞けば良いのです。
音は少し後退しましたが元々聞いていた音だったのであまり違和感はありません。とりあえず聞けていたのでそのままにしていたところ、夏の夜、急に音が途切れ、パイロットランプが点いたり消えたりを数回繰り返したあと、プツンと消えてそれっきりです。これは完全にお亡くなりになったと言う印象でしたね。
このアンプは珍しく新品で買ったものですがそれでももう25年あまり経っています。ガリが出て一度メーカーでメンテナンスしてもらっていますがさすがにもう寿命に思われます。
毎日気軽にPCの音楽やYouTubeを聞いたりするのにいつも真空管アンプを点けるのは気が引けます。また暑いときに熱を持つ真空管アンプは苦です。
それで今度は、ずっと以前にPCのアンプ用に買ってほとんど使っていなかったテクニクスのプリメインアンプSUーV6Xを代用の代用に引っ張りだして使っています。
場所塞ぎだった古い機種を手放さずに置いておいたおかげで、何とか今までのところプリアンプの出費だけで済んでいるのは不幸中の幸いです。おかげで文字通りジャンクのアンプが3台も増えてしまいましたが。
今回の連続した故障、いずれも古い機種なのでたまたま時期が重なったのかも知れません。あるいは、私の酷使や寒暖の差が激しいこの部屋の環境のせいもあるかも知れません。
SUV6Xも古い機器、CDプレーヤーやセレクターに不安定な動きを見せています。なんとか次の機器のための資金の目途が立つまで、呪いに負けないで持ちこたえて欲しいと思うこのごろです。
SP-LE8T(2) [オーディオ]
野面に咲き誇っていたレンゲも咲いたと思ったらあっという間に漉き込まれてしまいました。この時期にしては蒸し暑い夜、車の窓を開けると田植えを終えた田んぼや田植えを待つ田んぼから、カエルの合唱が賑やかに聞こえてきます。
去年の暮れギリギリに我が家に届いたSP-LE8T、その記事を何回か続けようと思っていたのですが、間に東京行きの話が入ってしまい、さあ再開しようと思ったらもう5月も半ば、約半年近くの時が経ってしまっていました。
元々ジャズ用のスピーカーとしては同じくJBLの4312Dを使用しています。こちらは今は最新型ではなくなりましたが、数年前に購入したときは現役の型番でした。
ジャズを聞くには優秀なスピーカーで、正直、私には十分なスピーカーと思っていました。初めは真空管アンプのシステムに繋いで聞いていたのですが、真空管アンプの音では音が柔らかすぎて、4312Dの能力がスポイルされている気がして、トランジスタのアンプにつなぎ替えました。俄然こちらの方が音もよく伸びて、活気のある音になった気がしました。
それで真空管アンプの方はCelestionのUL-6でクラシックを聞き、ジャズはトランジスタアンプに4312Dで聞いていたのですが、同級生のsatoshi君のアルコニマグネットの4333を聞いてからというもの、当たり前のことですがこの4312Dが物足りなく思うようになりました。
元々真空管アンプに繋ぐジャズ用スピーカーが欲しいと思っていたこと、いつかオールドJBLを聞きたいと思っていたことなどから、今回のやや発作的なSP-LE8T導入に繋がったのだと思います。
ある日、デクスター・ゴードンの「Gettin Around」を聞いていたときのことです。その中のどの曲でしたかsatoshi君の4333で聞いたベースのつま弾き、4312Dではどうしても聞けなかったのが、SP-LE8Tで聞けた気がして嬉しくなりました。
もちろんフルレンジですから、高音も低音も十分ではないのでしょうが、私の耳がおかしいのかそれともLE8Tの音に耳が慣れてきたのか、今のところあまり不満は感じません。
それよりもさすがフルレンジ、定位が素晴らしいですね。正面にボーカル、その左にピアノ、ベースはやや右寄りから、ドラムはもっと右寄りからはっきりと聞こえてきます。
初めに置いていたときはスペースが無くて、SP-LE8Tの左右の間には10センチほどしか空間が無かったのですが、それでもドラムの音がスピーカーの実際にある位置よりずっと右から聞こえたのには驚きました。
もちろんアルバムによっては、期待した音が出ないことがあります。録音の悪いアルバムはいくらSP-LE8Tでも救えないのです。
一度、SP-LE8Tをトランジスタアンプ、YAMAHAのA2000aにつなぎ直して同じくJBLの4312Dと聞き比べをしてみました。
結果は、つまらなかったですね。トランジスタで聞くと、SP-LE8Tは普通のスピーカーとあまり変わらなく思えました。低音が、4312Dほどボン着かなかった気がしましたが、全体的にはよく似た音作りでした。同じメーカーですから当然なのですが。
と言うか、話の順序が逆で、4312Dは現代のスピーカーですが、音作りこのLE8Tが作られた時代からあまり変わっていない、JBLの音作りの基本は現代でもLE8Tあたりなのではないかと思いました。
テストはすぐに辞めて、元の真空管に繋ぎ直しました。SP-LE8Tでは現代の曲は似合わないように、やはり古いスピーカーには古いアンプの組み合わせが生きる気がします。
SPーLE8Tを聞いていて驚いたことは他にもいくつかあるのですが、そのユニット構成からなんとなくピアノトリオとかコンボジャズに合うような気がしていたのですが、意外や聞いてみるとビッグバンドが良いのです。
私は元々あまりビッグバンドを聴かない方で、エリントンにしても、カウント・ベイシーにしても、彼らのレコードは小編成のものをよく聞いていました。
- アーティスト: デューク・エリントン&ジョニー・ホッジス,ハリー・エディソン,ロイ・エルドリッジ,ローレンス・ブラウン,ベン・ウェブスター,ストレイホーン・ビリー,ジョー・ジョーンズ
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1999/05/19
- メディア: CD
ビッグバンドだと、音がどうしても固まって聞こえつまらなかったのです。ところがこのフルレンジSP-LE8Tで聞くと、ソロが際立って聞こえます。全体が多彩で広がりがあり、かつ立体的に聞こえて来るのです。
プレミアム・ツイン・ベスト クライ・ミー・ア・リヴァー~ベスト・オブ・ジュリー・ロンドン
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
- 発売日: 2010/06/30
- メディア: CD
SP-LE8Tを聞くようになって今まで何を聞いていたのかと思うことがしばしばです。目を洗われる思いがすると言うのはこのことでしょうか。
私は、今まで晩酌を嗜むと言うことがありませんでした。たまには一杯やりながらジャズを聞きたいなと思うこともあるのですが、私の生活習慣がそういう風になっていません。
私はずっと昔から寝る前に風呂に入るのが常です。そうすると、お酒を飲んで風呂に入るのは良くないので、飲むチャンスが無いのです。
それを最近、少し早めに風呂に入り、そのあと寝るまでの間にお酒を嗜むようにしました。と言っても毎日ではありませんし、量もほろ酔いの一杯だけなのですが、小一時間、焼酎やウィスキーをちびちびやりながらSP-LE8Tでジャズを聞いています。
LPやCDをとっかえひっかえして、聴き直しです。スピーカーが違うだけでいろいろな発見があったり、再認識を楽しんでします。
SP-LE8T(1) [オーディオ]
先日の朝、出勤するため職場に向かって車を走らせていると、車窓に朝日を浴びている集落の裏山が見えました。雪をいただいてまるで信州か北の方の山のように輝いています。あまり見慣れない光景でしたので、信号で止まったおり、スマホのカメラで撮ってみました。
さて、オークションで落札したSPーLE8Tです。20センチフルレンジ一発なので、小さいサイズを想像していたら、届いた荷姿が大きくて驚きました。重さも想像以上でした。これではとても妻に隠れてこそこそと部屋に持ち込む事は出来ません。
分厚い段ボールの箱から、クッション材、包装まで、出品者のSP-LE8Tに対する思い入れと敬意を感じさせる丁寧な梱包でした。スピーカーというのに、出品者手製のマニュアルまで添えられていました。
(正面にあるLUXのチューナーとアンプはオブジェというと聞こえは良いのですが、実際は置き場が無いのでそこに置いているだけです。従って結線はしていません)
SP-LE8T、こうして部屋に据え付けてみると、なかなか風格を感じさせますね。さすが1960年、70年代を代表するビンテージJBLです。
それにしても、その当時からすでに40年あまりの歳月が流れているのですが、回り回って60代の私がサンスイ&JBLの格子縞のスピーカーを所有することになるとは思ってもいませんでした。
20代の私は、ジャズとオーディオに明け暮れていました。当然、JBLのスピーカーには強い憧れを抱いていましたが、ジャズ喫茶にあるのは大型のシステムばかり、一方安月給、安アパートの私が所有できるスピーカーは限られています。
その頃、民生用JBLとして一番小さくて安かったのがL26DECADEとかL16DECADEでした。大きさ的には私の部屋でも置けそうでしたが、値段が一本で7万円、多分給料とあまり変わらなかったかそれ以上だったと思います。とても手が出ませんでした。
同じ頃、SP-LE8Tも同等か少し安い値段で発売されていたはずなのですが、なぜかほとんど記憶がありません。多分、その頃の私はフルレンジLE8Tの良さを知らなかったのだと思います。また、ジャズという外国の音楽を聞くのに、サンスイの格子縞が和風に見えて、興味を引かなかったのだと思います。
(当時、友人がサンスイの格子縞のスピーカーを所有していました。彼はそのスピーカーを真空管アンプで鳴らしクラシックを聞いていました。多分、それはSP-LE8Tではなくサンスイのオリジナルスピーカーだったと思います)
部屋の中央にあったSP-LE8Tと同世代のスピーカー、SCANDYNA A25MK2を外して代わりにSP-LE8Tをセットしました。すぐにも音出ししたいところですが、添えられているマニュアルにはエージングをするように書かれていました。
中古だからエージング不要なのではと思ったのですが、エッジを交換されレストアされているので新品同様のエージングが必要なのかも知れません。ここは出品者の指示に従うことにしました。
数時間のエージングも済ませていよいよ音出しです。SP-LE8Tを所有されていたり、かつて所有されていた方のほとんどが高域不足に悩まされるとおっしゃっているので、音を聞くまで少し心配と緊張がありました。出品者のマニュアルでさえ、ツィーターの追加に言及しているほどです。
初めに聞いたのはクリフォード・ブラウンのメモリアルアルバムでした。聞き慣れた彼のトランペットがどんな音に聞こえるのかもっとも気になるところです。
気持ち良くトランペットが吹き上がって思ったより綺麗な高音が出たので一安心です。いやむしろどこが高域不足なのだろうと思うくらい気持ちよい高音が出ています。反対に自慢の低域がJBLらしくありません。音が弾みません。なんだかもごもご籠って聞こえます。
おかしいなと思いながらしばらく聞いて、アッと気づきました。なんとスピーカー切り替えスイッチを忘れてCelestion UL-6のまま聞いていたのです。先ほどの高音も低音もUL-6のものでした。
気を取り直して再挑戦です。しかし、それではエージングも出来ていないことになりますが、もう待ちきれません。エージングの時間もそこそこにして音出しすることにしました。
聞こえてきた音は、あまりぱっとしたものではありませんでした。もっと軽快に前へ出て来る音を想像していました。クリフォード・ブラウンのトランペットがくすんで聞こえます。これが高域不足のせいなのでしょうか。
次にいつもリファレンスレコードにしているマイルス・デイヴィスのバグス・グルーブを聞きました。ここで聞くミルト・ジャクソンのバイブの音がどう聞こえるかです。結果は、うーん、期待したバイブの珠のようなきらめきがありませんでした。
それから数枚聞いてみたのですが、あまりぱっとしません。せっかく大枚はたいて落札したのに、これは失敗したかなぁと思いました。
人気のある機種なので、オークションに出せば元くらい取り戻せるかなと思いました。また、皆さんが推奨しているツィーターの追加も考えました。
LE8Tに合うツィーターをいろいろ調べて見ました。皆、JBLの名器、ユニットだけなので値段はそれほどしませんが2個合わせるとそこそこの金額になります。
お金を掛けない方法としてひらめいたのが、この間ニコイチで作ったCelestion3、その余ったスピーカーにあるツィーターを2つ使うことです。
外観からして同じ型ではなさそうですが、間違えて聞いたUL6のツィーターはクリフォード・ブラウンのトランペットを見事に鳴らしました。何処にもそんな記事は載っていませんが、Celestionのツィーターを使う手、廃品利用もかねて、案外面白い組み合わせになるのではと思えました。
ただツィーターを追加して2ウェイにするにはいろんな方法があるらしいのですが、どれ一つとして私には自分の力では出来そうにありません。一番簡単そうな抵抗を入れて繋ぐという方法さえ、私にはわかりません。
そんなこんなを思ったり、ふたたびオークションを行き来したりしながら、SP-LE8Tを聞き続けていました。聞き始めてから2.3日経った頃の事でした。
ふと気づくとSP-LE8Tの音がいつの間にか生き生き響いているのに気づきました。耳がこのスピーカーに慣れてきたのか、ようやくエージングが進んだのでしょうか。
LE8Tの音は、軽くてカルフォルニアの乾いた音とよく評されていますが、私には重量感のある音に聞こえました。それはユニットと言うよりサンスイのどっしりしたエンクロージャーのせいかもしれません。重くて馬力のある音がどんどん前に出てきます。この張り出し感がアルニコマグネットの特徴でしょうか。
我が真空管アンプ、A3500は出力が20W+20Wしかないのですが、とてもアンプの非力さを感じさせません。それどころかもう一つのシステム、130WのYAMAHA、A2000aを上回るパワーを感じさせます。
何より聞いていてすごく心地良いのです。これが真空管アンプとフルレンジユニットの組み合わせの魅力なのでしょうか。ずっといつまでも聞いていたくなるのです。
レコードプレーヤーの調子が悪く、仕方なしCDを掛けまくっていたのですが、音の輪郭のはっきりした強い音で迫ってきます。
暮れからお正月、一月の間、お天気の良い日も悪い日も、時間があると部屋に籠もってSP-LE8Tを聞きまくりました。50年代、60年代のジャズアルバムをとっかえひっかえして聞き直し、そのたびに新しい発見があり、聞けば聞くほど良くなっていく気がするのでした。
今夜のBで始まる名前のジャズプレーヤーはBobby Timmons(ボビー・ティモンズ)です。彼はピアニストですが、アート・ブレーキーとジャズメッセンジャーズの演奏でおなじみの「モーニン」の作曲者でもあります。今夜は彼自身のピアノ演奏で「モーニン」です。
優しき伴侶を [オーディオ]
ここのところ毎回同じような雪景色の写真をアップしている気がします。もちろんそれぞれ違ったときに撮っているのですが、1月15日に今年初めての積雪があって以来、毎週降っています。
さすがに雪国のように、根雪になることはありませんが、やっと溶けたと思ったらまた降り出して、屋根の上や日陰にはいつも雪が残っている状態が続いています。
先週は暖かい日が何日かあって、その間に雪も溶け畑に出ることも出来ましたが、今週は寒さが戻って毎日の雪降りです。この寒波14日あたりまで居座るそうです。
雪が降ったり寒い日が続くと畑に出ることもかなわず、鳥を撮りに行くのも億劫で、仕事に出かける以外は室内に籠もりがちです。そんな毎日になると予想したわけではないのですが、室内遊びに最適なおもちゃを去年の暮れにゲット・・・今日はそんなお話です。
暇に任せてオークションの画面を眺めていたら、以前から欲しいと思っていたものが、他より安い設定で出品されていました。しかも出品者の履歴を見ると、過去にも同じものをいくつか出品されていてそれぞれ良い評価を受けておられます。信頼出来る方の信頼できる品のようです。
オークションは基本的には中古品、一点ものなのでこの機会を逃すと次に同じ物に出会えることはありません。しかもこの出品者、今回でこの型番の出品は最後になると言っています。そんなことを言われると購買意欲がかき立てられます。
ただオークションの場合、出品時安くてもその後入札があって結局相場に近い値段、あるいはそれ以上になってしまうことはよくあることなので、マークだけしておいて最終日まで見守ってみることにしました。
最終日が来ましたが、不思議なことに一人の入札もありません。これはいよいよ私に入札せよと言っているのではないかと思えてきます。もちろん終了まで油断は出来ないのですが。
終了時間20分ほど前になって見てみてもまだ入札がありません。このまま入札が無い場合は再出品されることもありますし、出品が取りやめになるケースもあります。
この状態で入札すると、そのまま落札してしまいそうです。それはそれでありがたいような怖いような複雑な気分です。時間切れまで大いに迷いました。
中古品は一点もの、この機会を逃したらもう二度同じ品には出会えないとは言うものの、それが一種の幻想であることもわかっています。
確かにこの一点にはもう出会えませんが、同じ型の商品はいっぱいあるし、下手をするともっと安い良い商品に出会える機会が無いとも限りません。
何より資金のめど、と言うかこの買い物に対して妻にどう説明すべきか、算段が全く立っていません。そのことを思うと気が重くなり、そのハードルの高さにいっそあきらめてしまおうかと思います。
残り時間数分です。迷うのですが、自分でもだいたいわかっているのです。私はこういう場合、過去の例からしてほとんど入札してしまっているんですね。
夜遅かったので布団に入っていました。枕元に置いたスマホでオークションの画面を見ています。終了まであと5分を切ったとき、結局、何の算段も思い浮かばないまま、ポチッとしてしまいました。
終了ぎりぎりに入札があると終了時間が5分だか10分だか自動で延長になります。入札して次の終了時間までまた10分、その残り時間が刻々と減っていきます。
オークションを始めた頃は、この時間どきどきしたものです。何とも言えない緊張感があって病み付きになりそうでした。でも最近は面倒くさく感じることがあります。私は布団を被って寝込むことに決めました。
ところがその途端、高値更新があったという知らせが枕元のスマホにメールで知らせてきました。えっ、と思いました。今まで一人も入札者が無かったのに、私が入札したらライバルが現れるなんて。
最初に入札したとき、入札するのは一度だけと決めていました。もし他の入札者があった時はあきらめようと。しかし、いったん勢いのついた思いは簡単に止められません。自分に課した約束などすっかりを忘れて、ええいとばかり、再入札です。
すると枕元でまたスマホが唸ります。ふたたび高値更新があったのです。終了時間は延び、落札金額は上がっていきます。
2度目の高値更新があったあと、落札金額が私が想定していた予算に近づきました。これ以上すると少しも安い買い物ではなくなります。
この調子ではまた相手は入札してくるだろうとは思いましたが、もう限界です。私は3回目の入札を済ませると枕元のスマホの電源を切ってしまい、頭から布団を被って寝ることを決め込みました。
その日は、疲れていたのでしょうね。普通こういう場合、興奮してあるいは気になってなかなか寝付けないものなのですが、案外早く寝付いてしまいました。
夢を見ていたのでしょうか。翌朝、目を覚ました私は、ああ良かった。無駄使いしなくて済んだ。苦しい言い訳を考えたり、小言めいた苦情を聞かなくて済んだとほっと胸をなで下ろしたのです。
ところがスマホの電源を入れ、オークションの画面を開くと、なんと「おめでとうございます。あなたが落札しました」と表示されているではありませんか。
こちらが落札した品です。
あ、画像を間違えました。これは同じ頃amazonで買ったトミカのミニカーでした。20年程前乗っていたVWのゴルフⅡのミニカーが、同じ紺色で出ていたので思わずポチッとしたのでした。
落札したのはこちらです。古いオーディオフアンなら知らない人はいないのではないかと言うJBLのフルレンジユニットLE8Tをサンスイの格子模様で有名なエンクロージャーに組み込んだSP-LE8Tです。
1970年代、アルコニマグネットを搭載したビンテージJBLです。その音の感想などは、長くなりそうなので次回以降に譲ろうかと思います。
今夜のYouTubeジャズは、ボーカルでBlossom Dearie(ブロッサム・ディアリー)です。ジャズボーカルには珍しく可愛い歌声ですね。Someone To Watch Over Me 優しき伴侶を と言う意味だそうです。
ニコイチ [オーディオ]
この間の雨が止んで、あたりを見回してみると急に木々が色付きだしたような気がしています。11月も半ばを過ぎて季節はいよいよ晩秋、あちこちの紅葉も見頃を迎えているようです。
そんな中、今日は久々にオーディオネタです。お金が無いとそういつも新しいアイテム導入することも出来ません。お金が無くても出来るのは、機器の配置換えくらい、それも済ませてしまうとしばらくはネタも途切れがちになってしまいます。
気になって「ほぼ金曜日のそらへい」のマイカテゴリを見てみたら、なんとオーディオは今回で二回目という有様でした。前の「そらへいの音楽館」では76もあるのにです。もっとも総記事数に差がありますが、それにしてもです。
なぜ今回久々のオーディオネタになったかというと、急にお金が出来て新しいアイテムが導入されたからでは無くて、このところずっと平穏な日々を過ごしていたのですが、やはり機器の故障が原因になりました。
パソコンに向かうときは、サブのスピーカーCelestion3に切り替えて少音量で音楽を流しています。机の上の台に乗せてあるのですが、いつからかビビり音が出るようになってきました。
かなり耳に近い位置で聞いているので、低音入力時に発生するビビり音がよく分かります。左チャンネルの方だけなのですが片方だけでも気になることに変わりはありません。
たぶん、YAMAHAのアンプA-2000aの低音をブーストしだした頃から発生するようになった気がします。メインのスピーカー、JBL4312Dでは何とも無いのですが、古いCelestion3では低音ブースト刺激が強すぎたのかも知れません。
しばらく我慢していたのですが、どうにも我慢できなくなってCelestion3を外してしまいました。代わりに、最近使っていなかったJBLのコントロール1に変更です。
これでパソコンをしながらとりあえず音楽を流すことは出来たのですが、ただコントロール1,遠くでボリュームを上げて聞く分には、そのサイズとは思えないほど良い音で鳴るのですが、耳のそばで聞くスピーカーではないようです。近くで聞くと音の荒さが目立ちます。少しボリュームを上げるとうるさく感じます。
数ヶ月我慢してはいたのですが、秋になって音楽が心地良い季節になってくると、Celestion3の耳あたりのよい音が恋しくなりました。
思い切って修理を依頼することにしました。引き受けて下さった方からユニットを外して送ると送料も少なくて済むと教えていただいたので、おそるおそるドライバーを持ち出しました。
以前、Celestion100のツィーターのダイアフラムがへこんでいるのが気になって、自力で直そうとユニットを分解して、ひどい目に遭っています。でも今回はエンクロージャーからユニットを外すだけだからドライバーさえあれば何とかなりそうです。
スピーカーの中は、他のオーディオ機器に比べるとスカスカです。ユニットを外したエンクロージャーボックスの中は、細いリード線と白い綿が見えるだけでした。エンクロージャーからユニットを完全に切り離すには、リード線を外す必要があります。切るしかないなぁと思って中を覗いているときに思い出しました。
Celestion3、もう一組ジャンク品を買ってあったのでした。古い機器なのでもしもの時用に買っていたのをすっかり忘れていました。
ジャンクのCelestion3はバスレフ式でした。私が使っているのは密閉式ですがそれはエンクロージャーにダクトがあるかないかの形式が違うだけです。ツィーターやウーハーなどのユニットは外観上、全く同じに見えます。修理に出す前にユニットを交換して見る価値はありそうです。
ジャンクCelestion3のジャンクの理由は、片方が音が全く出ませんでした。もう一方は音は出ますが、ツィーターのダイアフラムが激しくひしゃげています。しかも両方ともサランネットが欠品していました。確か5千円か6千円ほどで落札したと思います。
私はハンダ付け出来ませんので、リード線を切って圧着スリーブで繋げば良いとリード線を切りました。ところがあとで判ったのですが、リード線はユニットにハンダ付けされているのでは無く、差し込み式になっていました。
上の写真の赤と青のツィーター用のリード線は気がついてからなので線を切らず、差し込み用の端子が付いたままになってます。下のウーファー用の黄色いリード線は、切れています。
密閉式Celestion3のウーファーを外し、ジャンクCelestion3の音が出ない方のウーファーを外して密閉式に取り付けてみました。駄目なら、もう一方の音が出ている方のウーファーに交換すれば良いと思ったのですが、ちゃんと音が出ました。ビビりもありません。嬉しくなりました。
ついでに、密閉式Celestion3のツィーターのダイアフラムに微少な凹み傷があったので、これもジャンクCelestion3の綺麗なツィーターと交換しました。ニコイチで密閉式Celestion3のできあがりです。
さっそくコントロール1を外して、Celestion3を取り付けました。久し振りに聞くCelestion3はJBLコントロール1のあとで聞くとちょっと物足りないくらいおとなしく刺激のない音です。
でも、聞き慣れてくると物足りなく思えた音が豊潤に響き始めます。ボーカル、ギターのつま弾き、ピアノのリズム、滑らかなクラリネットの音色、音量は同じなのに耳に心地良くなじみます。
ニアフィールドで聞くのでこれくらいがちょうど良いのです。アンプ側で少しボリュームを上げても、全然うるさく感じません。さすがCelestion3です。
久々のオーディオいじりでしたが、これくらいなら冷や汗もかかず楽しく過ごせました。
ある雑誌を読んでいたら、浅川マキがジャズボーカルの範疇に入れられていました。そう言われれば、彼女はフォークの出ですが、確かにジャズのムードがあります。ビリー・ホリディなどに通じるところがあるような・・・
でも今夜は同じA行でもAstrud Gilberto(アストラッド・ジルベルト)。こちらもジャズと言うよりボサノバで有名な歌手ですが、やはりスタン・ゲッツと共演した「イパネバの娘」があまりにも有名。
去年の夏のこと [オーディオ]
同級生の話が続きます。ちょうど一年ほど前の今頃のことです。例によって、同窓会を開く名目の元、その準備と称して実行委員で集まっていました。しかし、日取りにはまだ十分間があったので、打ち合わせはほんの少し、おおかたはカラオケをしたり、夜遅くまで営業しているファミレスでお喋りしたりしていました。
テーブルを横に長く繋いだ私たちの席では、銘々がいろいろなことを喋り合っていてとりとめがありません。何のきっかけだったか私がジャズの話をしたら、それまで別のグループで喋っていたsatoshi君が急に反応してきました。
彼は私がジャズを聴いているのを知らなかったらしく、身を乗り出してきます。もちろん、私もその実行委員の中にジャズに強い関心を持っている仲間がいるとは思ってもいませんでした。
第一、私と彼は中学時代一度もクラスがいっしょになったことがなく、この実行委員になるまではほとんど交流がなかったのです。
彼はマイルス・デイヴィス~キャノンボール・アダレイの「オータム・リーブス」はいいなぁ、と何度も言います。私も負けじとクリフォード・ブラウンやアート・ペッパーの話をします。それから話は、当然のごとくオーディオに移っていきました。
ここでも驚かされました。聞いてみると彼の所有しているシステムは半端ではありません。まさかそんな凄いシステムを持っている人が同級生にいたとは、ジャズ仲間が見つかった以上の驚きでした。
元々オーディオというのは孤独な趣味と私は思っていました。20才代こそ、私の仲間はほとんどが部屋にオーディオ装置を備えていましたが、それ以後、大人になってからは、オーディオ趣味の人に会ったことがありません。(ブログをするようになって、多くのオーディオファンの存在を知るようになりました)
とくに田舎ではそんな人はいないと思っていたら、以前自転車店でJBL4343を見かけ、ああ身近にもいるんだなぁと認識を新たにしたことがあるのですが、それもそれっきりでした。
意気投合して、それからすぐ彼は私を招待してくれました。白い壁でがっちり囲まれた彼のオーディオルームは母屋から独立していました。取り立てて防音されているわけではありませんが、ある程度の音量はゆるされそうな環境です。
入り口から入り組んだ狭い通路は棚に囲まれその棚には、レコードやCD、DVDなどがぎっしり詰まっていました。
暗かったうえスマホのカメラで撮ったので、ボケています。
通された部屋は私の部屋より少し広く感じられました。とくに前後の奥行きはかなりありましたね。
正面に42インチのTVモニター、YAMAHAやパイオニアのAVアンプ、プロジェクター用のスクリーンを吊すポールも立っています。そしてTVモニターを挟んだ左右には大型スピーカーが鎮座しています。彼自慢の逸品、JBL4333、アルニコマグネットだそうです。その上に乗っているのはビクターのSX-500でしょうか。
いつもは彼が座る特等席に座らせてもらいました。思いっきりボリュームを上げて、彼は「オータム・リーブス」をかけてくれました。
キャノンボール・アダレイのアルトが炸裂し、マイルスのミュートのきいたトランペットが突き刺さります。その瞬間、私の部屋のオーディオ装置が全て吹っ飛んでしまったような衝撃を受けました。
彼のオーディオシステムです。上からCDプレーヤーDENONのDCDー2500NE SACDプレーヤーです。二段目がアキフェーズのプリアンプ、C-200V、三段目が同じくアキフェーズのパワーアンプP-300Vとものすごい構成です。これだけでたぶん軽く100万を超えていそうです。
JBLスタジオモニター4333のサランネットを外して、ブルーバッフルと38センチのウーファーを見せてくれるsatoshi君。
オーディオのアイテム数では私の方が彼より多いですが、一品一品の格は比べようもありません。我がシステム、束になってかかっても彼のシステムの半分にも及ばない感じです。私のはどうしてもG級オーディオ(中古がらくたオーディオ)の域を出ません。
当然ですが、彼の所から帰ってきて、我がシステムを鳴らしてみると、その差に愕然とします。物足りない事この上もありません。ある程度音量を上げてもあの強烈な低音、伸びやかなベースの音、鋭く立ち上がる高域は出てくるはずもありません。
かと言って、対抗出来るような新しいシステムを買う余裕もありません。あれから一年、新たな苦悩(?)の始まりです。我がJBL4312のセッティングを練り直したり、アンプで低音をブーストして見たり、試行錯誤が続いています。