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ウラジロの谷 [自然]

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 12月初めの頃、また鳥を求めて山へ行ったときのことです。

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 あたりはすっかり冬枯れています。

 鳥の声を追ってどんどん山の中深くへ入っていきました。いつもは行かない所へもこの日は足を伸ばしてみたら

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 辺り一面、緑一色のウラジロの大きな群落に出くわしました。壮観でした。

 ウラジロは正月のしめ縄飾りに使いますが、家庭用のしめ縄には大きすぎる見事な大きさです。

 秋頃から右足の膝の調子が悪くて、斜面を上がるのに不安がありました。初めのうちは慎重に足を運んでいましたが、いつの間にかそれも忘れてしまっていつものペースでどんどん斜面を登っていきました。

 登っていくのはいいのですが、そのうち今いるところがどの辺かわからなくなってきました。少し不安になりましたが、迷っても裏山のことです。今までの経験上、尾根をあちこちさまよっているうちふと見慣れた林道に出会うものです。

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 近くを流れる渓流には小さな滝も出来ていました。

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 その近くで出会ったのは、どこにでもいるシジュウカラだけ、しかも暗くてうまく撮れていませんでした。

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 仕方無く尾根を下って、出会った山道をとぼとぼ帰ってきたら

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 山道にかかる木々の枝の上に一匹のリスが現れました。慌ててカメラを構えましたが驚くほどの身軽さで枝を渡って行ってしまいました。

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 この日、唯一の鳥果です。しかも枝かぶり。



 今年もあと2日になってしまいました。今年一年、いろいろな事がありましたが、全体的には可もなし不可もなしの平穏な一年だったかなと思います。

 それなりに歳も取ってきて、身体のことなどが気になるようになってきました。一年歳を取ったというか、無事一年を過ごすことが出来たというか。

 来年は、下の孫が幼稚園に上がります。上の子は手が掛かりませんでしたが、この子は大変そうです。まだ2歳、少し早い気がしますが2月生まれなので仕方ありません。

 ママの仕事の日は、朝から預かっています。パタパタと可愛い足音をさせて我が家に飛び込むようにやってくるのですが、それももうなくなるかと思うと少し淋しいですね。

 来年は、組の役が回ってきて少し忙しい思いをしそうです。久し振りなのでこっちの方が不安です。さてどんな一年になることやら。

 今年も一年間、お付き合いありがとうございました。また、来年もよろしくお願いいたします。良いお年をお迎え下さい。


 今夜Dで始まるミュージシャンはDinah Shore(ダイナ・ショアー)です。歌はApril in Parisです。季節は違いますが、冬の夜長、お酒を飲みながらしっとり聞くのに良さそうです。ピアノはアンドレ・プレビンです。


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霜解け [自然]



 冬の朝、起きるのは苦手です。起きて出かけなければいけないとき、着替えが夏に比べて手間取るのも慌ただしく嫌です。

 起きてようやく着替えを済ませ、空が晴れているといつも裏山のことを思います。ひょっとしたら野鳥に出会えるかも良い写真が撮れるかも知れないと。

 野鳥を求めて裏山へ写真を撮りに行くようになってから冬の朝が好きになりました。夏にはそんな早く起きられない私でも、冬の朝なら野鳥が起き出して動き出す時間に間に合うのです。


 霜が降りた寒い朝、あたりは一面白く凍り付いています。やがて山の向こうに朝日が昇ってくる兆し、空がオレンジ色に照らし出されます。

 山の上から白くまぶしい斜めの光りが地上に降り出します。その光の強さには驚かされます。草の回りに白く固まっていた霜がみるみる溶けて、大地は露に濡れ鮮やかな緑や茶色に蘇ります。

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 家の裏の畑の霜が溶けた頃、裏山の入口に向かっても大丈夫です。裏山の裾ではまだ白い霜に覆われているところ、霜が溶けて白い蒸気を上げているところ、露に濡れて輝いているところ、霜と露が乾いてしまったところがグラデーションになって広がっています。


 雑木林の中、常緑樹の葉にたまった露が折からの陽の光に照らされてきらっきらっと光ります。露が滴って落ちる音、鳥を追っているとそんな光りや音に惑わされます。

 雑木林の奥や高い木々の上で野鳥たちの囀りがかまびすしいのですが、肉眼でちらっと見ることが出来てもなかなかファインダーで捉えることが出来ません。メジロ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリは裏山の常連です。

 山道いっぱいに落ち葉が敷き詰まっていて、その上を歩くとかすかな音がします。鳥を追うには気になる音ですが、その音や落ち葉を踏みしめる足裏の感触が心地良いのです。

 鳴き声や鳥影を追って歩き回る私の足下から、突然一羽の野鳥が白い腹を見せて翻るように飛んでいってしまいます。しまったと飛んでいった方向を目で追いながら何の鳥だったのだろうと思います。

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 雑木林の暗がりの中、大きな木の幹でコゲラがコツコツと音を立てていました。少し暗いのですがその白と黒のストライプの背にカメラのレンズを向けます。

 連写でシャッターを押していると、その音が聞こえたのか、それまで一心不乱に木をつついていたコゲラが、くいと首を上げてあたりをきょろっと見回します。私が息をひそめているとまた何事もなかったように木を突く動作に戻っていきました。


 冬になると毎年ルリビタキが止まりに来ていたハゼの木、いつの間にか伐採されてしまったその木があったあたりを死んだ子の歳を数えるように見回します。

 その周りには、切り取られてもまたその幹から新しい枝が出ていつの間にか青い葉をいっぱいに茂らせている木がありますが、ハゼの木は再生してきません。そこでルリビタキを見かけなくなって何年経つことか。


 天井川に水はありません。代わりに川床に生えたススキの群落が穂に光を浴びて風に靡いています。光るススキの穂の群れはまるで川の流れのように見えます。

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 天井川の土手では、霜が溶けて白い蒸気が立ち昇っています。蒸気は生き物のようにもくもくと沸き上がり、かすかな風に揺られて流れていきます。

 空気中の水蒸気が長く冷たい夜の間に冷やされて霜になるのですが、再び太陽の光に暖められて溶け白い水蒸気となって立ち上がっていきます。

 斜めに降り注ぐ陽の光を背景に立ち上がる白い蒸気の流れと、逆光になった木の幹のコントラスト、暗い杉木立の間に斜めに差している光の筋が靄って見えるのも水蒸気のせいでしょうか。


 自然は、じっとしているようで能弁ですね。こちらが目を凝らし耳を傾けると実にいろいろな姿を見せてくれます。しかも刻一刻と姿を変えてとどまることを知りません。

 鳥を撮るために持ってきた望遠レンズを持ち歩き、鳥を追っかけてはそこで出会った風景を片っ端から撮りました。広角レンズを持ってこなかったことを悔やみながら。

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徹子の部屋コンサートへ [音楽]

 12月に入った最初の日曜日、先月に引き続きまた大阪へコンサートに行ってきました。しかし、今回雨は降りませんでした。私一人ではなく妻が一緒でした。風もない暖かな日和でした。

 妻とは去年、京都へ井上陽水を聞きに行ったきりでした。二人で行けるコンサートを早くから物色していたのですがなかなか適当なのが見つかりませんでした。


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 妻は、伊勢正三、イルカ、南こうせつが出るコンサートが希望でした。三人、あるいは二人が揃うコンサートは、関東圏が多く近辺では見当たりません。ようやく見つけたのが今回の「徹子の部屋コンサート」

 ここにかろうじて南こうせつが出ます。実はその少し後にNHKホールで彼の単独コンサートが組まれていたのですが、私の独断でこちらにしてしまいました。

 数ヶ月前にチケットを入手、ところがそんな日に限ってお寺から前住職の3回忌法要が催される案内が後から届きました。しまったと思ったのですが、幸いお寺は午前中、「徹子の部屋コンサート」は夕方からだったので無事行くことが出来ました。

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 妻はフェスティバルホールは初めてです。かく言う私もボブ・ディラン以来二度目なのですが、この立派なホールを妻にも見せたかったのです。

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 少し早めに着いたので、フェスティバルホールに同居するオフィスに弟が勤める会社が入っているので案内板を見て確かめたり、堂島川に掛かる錦橋の上でぼんやりと開場を待つことにしました。外にいても苦にならない暖かな午後でした。

 ホールに入ってみると、予想以上に年配のご婦人やご夫婦が多かったですね。私たちもそのうちの一組だったのですが、他のコンサートに比べて観客の平均年齢はかなり高めに見えました。

 ホール内のショップも大勢のご婦人客でごった返していました。ボブ・ディランのコンサートではなかったことです。

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 私たちの席はバルコニーボックス席でした。探す前に妻が係の人に聞いたらと言うので扉の前に立っていた係の女性に聞きました。すると赤いスーツを着た係の女性はご案内しますと言って先に歩き出しました。

 反対のL側だったのでなかなかの距離です。大げさだな、適当なところで口頭で案内してくれれば良いのにと思いながら付いていきました。

 丁寧に座席に着くまで案内してくれました。バルコニーボックス席の入り口は他の入り口とは別で教えてもらわないとちょっとわかりづらいものでした。案内してもらって正解でした。

 扉から中に入っても、通路は薄暗く少し入り組んでいるので迷いそうです。実際、私たちが座ってからも何組もの客が間違って入ってきました。

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 写真は私たちの席から対岸を撮ったものです。あちらはR側ですね。上方、人影がある席が私たちの席と対になるところです。かなり高いです。

 バルコニーボックス席なんてもちろん初めてです。妻は気に入ってました。回りを気にしなくて良いし、前の席の客の頭が邪魔になったりもしないので喜んでいました。トイレに行くときなども気を遣わず席を立てます。

 特別な席のようにも見えますが、実際はS席二枚より安くついたのでした。見晴らしは最高です。音的にはどうだったか、少し低音が被って聞こえた気がしました。

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 バルコニーボックス席は一階客席の上にせり出している格好なので下を見下ろすとその高さに気持ち悪くなりそうでした。上から物を落としはしないかと、オペラグラスやカメラを持つ手が少し緊張しました。

 開場してすぐに入ったので客席はまばらでしたが、開演前にはもちろんいっぱいになりました。上から見ていても、普段のコンサートではなかなかお見かけしない年配の方の姿がありました。たまに若い人の姿があると、それは付き添いで来ておられるようにみえました。


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 舞台には、テレビでおなじみの徹子の部屋のセットが組まれていました。セットは写真では白く写っていますが淡い緑青色だったと思います。そして左の空間、楽器がすでに配置されているところで演奏が行われました。

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 大きな拍手に迎えられて、徹子さんが右側の大きな花の飾りと小さな花の飾りの間に登場しました。ふんわりとしたデザインの豪奢な模様がちりばめられたドレスでした。裾まであるので立っているのか座っているのかわかりません。あとから椅子が差し出されてこし掛けられたので、立っていたのだとわかりました。

 横に並んでいる白い椅子にゲストたちが歌い終わったあとこし掛けて、徹子さんとトークを繰り広げるのでした。ゲストの人数に応じて椅子の数がスタッフによって増減されました。普段のコンサートでは見られない光景です。 

 徹子さんは、オペラグラスで見てもきれいでしたね。声はいつものあの甲高い張りのある声で、年齢を感じさせません。ただ数ヶ月前に骨折をされたと聞いていたのでどれくらい快復されているか気になっていました。舞台では歩かれる場面はなく、3度のお色直しは幕間や演奏の間にスタッフによって椅子ごと移動されていました。


2017-12-004.jpg 今回のゲストの顔ぶれは南こうせつやビリーバンバン以外、妻にはやや年齢が高い構成でした。

 最初がジャッキー吉川とブルーコメッツです。ヒット曲「ブルーシャトー」を歌いましたが、この歌がヒットしたのは私が高校生の頃でしたから、6歳下の妻はまだ小学生だったと思います。

 グループサウンドが流行った時代に髪を伸ばさずいつもスーツにネクタイ姿で爽やかに歌っていました。しかし、この日登場したメンバー、オペラグラスで見ても誰が誰だかわからない変わりようでした。

 あとで三原綱木さんだけ思い出しました。リーダーのジャッキー吉川さん、くも膜下出血から復帰されたのだそうですがその力強いドラムが印象的でした。

 トークでメンバーのうち二人80歳の方がおられると知り驚きました。ジャッキー吉川とブルーコメッツ、そろそろ演奏活動を終了されるようなことをおっしゃってました。

 次に登場したのが妻お待ちかねの南こうせつでした。妻は手すりに寄りかかるように身を乗り出して聞き入ってましたね。まず「うちのお父さん」で場を盛り上げて、一瞬のうちにこうせつの世界へ観客を引っ張り込みました。

 2曲目は前日の二日に亡くなったはしだのりひこさんを偲んで、「風」を歌ってくれました。
 ――何かを求めて振り返っても、そこには風が吹いているだけ――
 いい曲です。弔うにふさわしい曲に思えました。

 最後に「夢一夜」をしっとりと歌ってくれました。こうせつさん、ずっと演奏活動続けているだけあって高い声もよく出ていて歌うまかったです。

 3組目がビリーバンバンでした。こちらもお兄さんは脳出血で倒れ、今も後遺症で半身不随、車椅子に乗っての登場でした。弟さんも数年前に大腸ガンを患ったそうです。しかし、相変わらず歌はうまかったです。「白いブランコ」「さようならをするために」「また君に恋している」と私でも知っているヒット曲を惜しげも無く披露してくれました。

 歌は一組平均3曲でした。そのあと徹子さんとのトークで盛り上がります。時間が来ると朝日放送のアナウンサーが舞台袖に現れて、リコーダーやハーモニカでゲストのヒット曲のさわりを演奏して時間切れを知らせるという趣向でした。

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 前半が終わって、休憩に外に出てみたらロビーは人でごった返していました。徹子さんや出演者のいろいろなグッズやCDなどが販売されていたようです。開演のブザーが鳴ったので席に戻ろうとしたら案の定、入り口を間違えて違うところに出てしまいました。

 後半は、中尾ミエ、園まり、伊藤ゆかりの三人娘が最初に登場しました。3人とも揃いの真っ赤な衣装で度肝を抜きましたが、なんと平均年齢70歳とか。

 よく考えると私とそれほど違わないのですが幼い頃から芸能活動をしているせいかもっと上に思っていました。 彼女たちが三人娘として活躍していた頃、私はまだ小学生だったと思います。「逢いたくて、逢いたくて」や「小指の思い出」がようやく中学生か高校生でした。

 三人娘として出演していた頃の和製ポップスを歌い踊って、最後にそれぞれのヒット曲をワンコーラスずつ歌ってくれました。「可愛いベイビー」「逢いたくて逢いたくて」「小指の思い出」

 次は宇崎竜童、阿木燿子夫妻。熱烈なファンがいるのか客席から大きな拍手が起こっていましたが私は「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」しか知りません。宇崎さんかっこよかったし、阿木燿子さんもきれいでしたね。
 エレキギターとベースの音がバンバン響いていましたが、妻はあまり興味がなさそうでした。トークは竜童氏のとぼけが効き過ぎて徹子さんとなんとなくかみ合ってなかったような気がしました。

 最後が八代亜紀でした。いつもの紫がかったドレスで登場、背が高くて舞台映えする人ですね。一曲目は、雨雨ふれふれでおなじみの「雨の慕情」でした。

 彼女はジャズを歌っているのでひょとしたらと思っていたら、2曲目はなんとYou’d Be So Nice To Come Home Toでした。私的にはこの夜いちばん盛り上がったかな。最後は最大のヒット曲、「舟唄」でした。

 トークの時にさわりだけ口ずさんだ「なみだ恋」も聞いてみたかったなと思いました。この人は本日出演されたゲストの中では最年少だったそうで、「最年少」の響きが気持ち良いと何度も言ってました。トークも彼女が最後のせいか、徹子さんがなかなかお喋りを止めなくて会場の笑いを誘ってました。

 ちなみにあとで八代亜紀さんの年齢を確かめたらそれでも私よりひとつ上でした。もっと若いイメージだったのは、デビューが遅かったからでしょうか。

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 外国人歌手のコンサートだと正味一時間半ほどですが、この夜は五時に始まって終わったのは九時でした。なかなか中身の濃いコンサートだったと思います。

 一人の歌手の歌をじっくり聞くコンサートも良いですが、今夜のように色とりどり、いろいろな方の歌とトークがあるコンサートもなかなか面白い企画ですね。

 それぞれヒット曲をなつかしく聞くことも出来ましたし、黒柳徹子さんのお喋りも楽しめました。行く前は出演者の顔ぶれに少し難癖を付けていた妻も、それなりに満足できたようでした。

 帰ってから彼女は、いつもの韓国ドラマをストップしてYouTubeで懐かしい歌を聞きまくっています。私もコンサートの余韻を楽しむように少しだけ振り返ってみました。

 なお、この夜のコンサートの模様は、2月だったかテレビ放映があるようなことを案内されていたように思います。

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 今夜のYouTubeはDではありませんが、八代亜紀さんのYou’d Be So Nice To Come Home Toです。日野皓正さんがトランぺットを吹いていますね。


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呪われているのでしょうか? [オーディオ]

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 師走に入って一週間が経ちました。一年も一ヶ月も一週間も一日も過ぎるのが速いですね。なんとなくその日その日を過ごしていく間に、今年もあと3週間あまりになってしまいました。


 かつて勤めていた職場でのことです。そこに若いS君がいました。彼はちょっとしたトラブルメーカーでした。人間関係でもいざこざがありましたが、何より困ったのが彼のところの機器がよく壊れたことです。

 修理しても新品に買い換えても、しばらくすると壊れてしまうのです。他のところではそんなことは滅多にないことなので、彼の使い方に問題があるのではと私は密かに疑っていましたが、使い方の癖が影響されるような機器でもありませんでした。

 何より不思議なのは彼が行く前、その部署ではそんなことは一度も無かったのです。たまたま壊れる時期に行ったのなら最初の一台だけ、新品に変えても駄目なのですから。

 しかも壊れたと言ってくるのが、いつも間の悪い時、連休前とか忙しい時でした。一度目、二度目あたりまでは笑っていましたが、三度目以降になるとこちらの頭が理解不能に陥って言葉も出ません。結局、私は彼のことを呪われていると結論付けるしか仕方ありませんでした。


DSC_6223.JPG それから二十年後、いやそれ以上でしょうか、その呪いが時を隔てて我が家のオーディオシステムにやってきたようです。今年一年、正確には半年間の間にアンプが3台も次から次へと故障してしまったのです。

 去年の暮れに衝動的に買ってしまったLE8T、調子に乗って聞き続けていた2月頃のこと、LE8Tから雑音が聞こえるようになりました。

 まさかLE8Tがと、スピーカーを切り替えてみると別のスピーカーからも雑音は聞こえてひと安心。次はアンプかプレーヤーです。レコードとCDを切り替えても雑音は消えませんでした。原因はアンプとわかりました。

 LE8Tを聞きまくっていたので、真空管パワーアンプLUXA3500が酷使に耐えかねて壊れてしまったと思いました。真空管の消耗で雑音が出るのかどうか知りませんが、別の真空管と交換してみても雑音は消えません。

 困ったな、やっかいなことになってしまったとA3500を前に思いあぐねていると、どこからか低い音が聞こえてきます。真空管を交換するためにA3500の電源を落としているのにです。


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 雑音の原因は真空管パワーアンプではなく、プリアンプの方でした。9年前に中古で入手したYAMAHAのCー6です

 私の部屋にあるオーディオ機器はほとんどが中古品です。ここ半年ほどセレクターの接触が悪かったりして兆候があったですが、とうとう致命的な故障が起きたようです。発売が1980年、よく今まで動いてくれたと思います。

 メインのシステムなのでプリアンプが無いと困ります。予定外でしたが急遽別のプリアンプを入手しました。何を買ったかはまた次回に譲ることにして、今日はアンプの故障の話を続けます。


 次に故障したのはサブシステムに使っているYAMAHAのプリメインアンプA-2000aでした。こちらは普段、AccuRadioYouTube、PCに取り込んだ音楽などを聞いています。やはり中古でメンテナンスされたものをオークションで入手したものです。

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 このアンプ、重さが26キロあります。30キロの米袋を運ぶことがありますが、それより重く感じられます。良いアンプは重いそうですが、それにしても重い、石のように重くてラックから取り出すだけで一苦労でした。

 買ってからあまり時間が経っていないので修理に出すことを考えましたが、修理代とこの重さのものを運ぶことを考えると積極的な気持ちになれません。

 いずれにしても、メインシステムのプリアンプに散財しているので先立つものがありません。phonoが逝かれてお蔵入りになっていた先代のYAMAHAのプリメイン、AX-1200を引っ張り出してきてその場を凌ぐことにしました。

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 レコードを聞くことさえあきらめれば、CDもPC音楽も聞くことが出来ます。レコードはメインシステムで聞けば良いのです。

 音は少し後退しましたが元々聞いていた音だったのであまり違和感はありません。とりあえず聞けていたのでそのままにしていたところ、夏の夜、急に音が途切れ、パイロットランプが点いたり消えたりを数回繰り返したあと、プツンと消えてそれっきりです。これは完全にお亡くなりになったと言う印象でしたね。

 このアンプは珍しく新品で買ったものですがそれでももう25年あまり経っています。ガリが出て一度メーカーでメンテナンスしてもらっていますがさすがにもう寿命に思われます。

 毎日気軽にPCの音楽やYouTubeを聞いたりするのにいつも真空管アンプを点けるのは気が引けます。また暑いときに熱を持つ真空管アンプは苦です。

 それで今度は、ずっと以前にPCのアンプ用に買ってほとんど使っていなかったテクニクスのプリメインアンプSUーV6Xを代用の代用に引っ張りだして使っています。

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 場所塞ぎだった古い機種を手放さずに置いておいたおかげで、何とか今までのところプリアンプの出費だけで済んでいるのは不幸中の幸いです。おかげで文字通りジャンクのアンプが3台も増えてしまいましたが。

 今回の連続した故障、いずれも古い機種なのでたまたま時期が重なったのかも知れません。あるいは、私の酷使や寒暖の差が激しいこの部屋の環境のせいもあるかも知れません。

 SUV6Xも古い機器、CDプレーヤーやセレクターに不安定な動きを見せています。なんとか次の機器のための資金の目途が立つまで、呪いに負けないで持ちこたえて欲しいと思うこのごろです。



 今夜のDDonald Byrd(ドナルド・バード)です。あまりたくさんレコードを持っていないのですが、今夜はジャジーな雰囲気がたっぷりのGigi Gryceのアルトとの共演盤です。


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