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春の兆しの中で [草花]



 寒かった二月もあと少しです。今年の冬は本当に寒かったですね。次から次へと寒波が押し寄せて、休む間がありませんでした。

 二月も後半に入って、かじかんでいた身体や心が少しほぐれるような気のする日がぽつぽつと現れるようになってきました。

 そんなある日、裏の休耕地にカメラを持って出てみました。鳥ではありません。春を告げる花が咲いていないかと思ったのです。

 休耕地は一面、枯れ草色に覆われたままです。朝はまだ霜が降りて白く光っています。霜が溶けて日が当たり出した頃歩いて見ましたが見つかりません。日差しが暖かく感じられるようになった昼頃出直しました。

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 枯れ草に隠れるようにしてオオイヌノフグリが数輪、固まって咲いていました。直径一センチあるかないか、ぼうっとしていると見落としてしまいそうな小さな花です。
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 これからヒメオドリコソウやナズナ、ホトケノザなどが咲きだしますが、やはり真っ先に咲くのはこの小さな青い花、オオイヌノフグリですね。

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 ついでにご近所のロウバイもパチリ、暖かな日差しに誘われて、丸まっていた花びらをほころばせています。

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 その近くの紅梅はまだこんな程度でした。

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 薮の影になっていつも咲くのが遅い梅もまだまだのようですが、しっかり準備は出来ていますね。

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 家のツバキも準備万端、後は暖かい日が続くのを待つばかりです。

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 同じツバキの木、こちらは去年の実が弾けて殻がそのまま残っていました。

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 ナンテンの実は野鳥たちがすっかり食べきってしまってこんな具合です。

 春は少しずつですが確実に近づきつつあるようです。若い頃は、春の生命の息吹を謳歌するような熱気が苦手でしたが、歳を取って来ると春がもたらす勢いがありがたく思えます。

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 オオイヌノフグリは午前中に咲く花と何かで読みましたが、今は気温が低いので午後でも咲いています。この花の命は一日だけだそうです。


 まだまだ寒さ残る中、大杉漣さんが亡くなりました。66歳、私と同い年だったのですね。他にも、このごろ訃報に接することが多い気がします。

 近所では、私よりいくつも若い方が急逝されました。明るく親しみ安い人柄、大変人望のある方だったので皆さんかなりショックを受けておられるようです。もちろん私もです。

 身近な方の訃報に接するたびに、自分自身もそうですが命は儚いものだとつくづく思います。もうあの笑顔やあの声に接することが出来ないのですから。



 Eの項目ですが、今夜は亡き人の冥福を祈って「アイ・リメンバー・クリフォード」です。音楽的才能だけで無く、人柄的にも皆に愛された天才トランペッター、クリフォード・ブラウンを偲んで、ベニー・ゴルゾンが作曲したジャズの名曲です。演奏はリー・モーガンが有名ですが、今夜の演奏は作曲者ベニー・ゴルゾンとアート・ファーマーです。


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近江鉄道が走る風景 [旅]

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 近江鉄道です。30年ほど昔、乗ったことがあります。人気の無いところを電車はとろとろと走りました。車内に乗客はまばらで、乗る人も降りる人も無い無人駅が車窓から置き去りにされていきました。
 
 車窓に広がるのは田んぼと雑木林ばかり、人家は遠くに点在しています。初めての体験でしたが、なんて淋しいところを走っているのだろうと当時思いました。30年経った今でも、基本的な風景は変わっていないのではないかと思います。

 それから近江鉄道に対して抱くイメージがあるのですが、それを写真で的確に捉えられるようなスポットがすぐに見つけられるとも思いません。とりあえず線路沿いの道を走ってみました。

 道路に並行して走る線路の途中に小さなプラットホームとバス停のような無人駅が枯れた草むらの中の廃屋のようにありました。

 その草むらに突っ込むように数台の自転車が止められていました。自転車はまだ新しいのか降る日差しにキラキラと車体を光らせていて、寂れた駅舎と対象的でした。

 通学の高校生のものなのでしょう。写真を撮りたかったのですが道路は車通りが多く、駐車場所が見つけられずに通り過ぎてしまいました。

 線路はいつまでこの道路と並行して走っているのかわかりません。別れてしまわないうちにと、適当なところで車通りの少なそうな脇道を見つけて駐車しました。あたりにはまだ先日の雪が溶けずに残っています。

 こんもりとした林や雑木林があり、鳥の声がしています。その下には残雪をまばらに残した田んぼや畦道、冷たい水をたたえた用水路などが走っています。

 線路を気にしながら鳥の声も気になります。スマホで時刻表を調べてみると電車の通過までしばらく時間がありそうです。

 晴れていましたが風のある寒い日だったので、右膝が少し痛みましたが写真を撮るスポットを探したり野鳥を追いかけたりして時を過ごしました。


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 ここでもツグミがいました。

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 モズの後ろ姿

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 ホオジロ

 やがて、ガタンゴトンと電車の音が近づいてきました。撮った写真は自分で思い描いている写真とは大違い、とりあえず近江鉄道の証拠写真を撮ってしまうとあとはまた鳥を追いかけました。

 1時間に一本の路線です。次の電車までまだ時間があるだろうと、田んぼのケリなどを追っかけていたらしばらくして電車の音がしました。慌てて写真を撮ろうと思っていたところに戻ったとき、もう電車の姿はありませんでした。どこかですれ違うのか下りの電車があったのです。

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 本当はここを通るところを撮りたかったのです。


 Dの頭文字で始まるジャズミュージシャン、まだまだ尽きませんが、とりあえず今回からEで始まるジャズミュージシャンに移ることにします。

 初っぱなは、やはりElla Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)です。初めて聞いたジャズボーカルのライブが彼女でした。ですから晩年のエラから入ったのですが、Ella &Louisの若いエラの声を聞いて驚きました。このYouTubeでも若くて伸びやかな声で情感たっぷりに歌うエラのVOCALが聞けます。
 


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寝酒 [日々]

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 鳥を探していつもと違う所へ行くと、山間の田んぼが白く煙っていました。折から差す朝日に霜が溶けて激しく水蒸気が上がっているのです。


 若い頃からお酒が強い方ではないしそれほど好きではありません。誘われれば付き合う程度です。夏場のビールの最初の一杯目くらいはおいしいと思うこともありますが、後はおいしいと思えることもありません。

 煙草はよく吸いましたが、お酒はなければ一ヶ月でも二ヶ月でも半年でも、無くても少しも困りません。戴き物のお酒がいつまでも残って料理にも使い切れないほどです。お酒よりコーヒー党です。

 家系的にも父は私と似てあまり強くありませんでした。さらに息子は全く嗜みもしません。ただ、唯一弟だけが突然変異的にめっぽう強いのは母方の血を引いているのかも知れません。

 私はお酒が入ると陽気になり、普段よりお喋りになる傾向があります。つい言わなくても良いことを言ってしまったり、弱いくせに調子に乗って飲み過ぎてしまい苦しい思いをすることがしばしばあります。

 楽しいとかおいしいと思うより、そういう苦い失敗の方が心に残るので、休みの日には朝から一日酒浸りという人の気持ちが知れない思いでした。

 仕事帰りにちょっと赤提灯に寄る生活に憧れたことはありましたが、車通勤でした。もし車通勤でなかったとしても、面倒くささが先立って一人でのれんを潜ることはなかったと思います。

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 そんな私がどういうわけか去年の夏頃から、自らお酒を嗜むようになりました。急に酒が好きになったとか酒の味がわかるようになったと言うわけではないのですが、なんとなくお酒を飲んでみたくなったのです。

 ここ数年、同級生の集まりで飲む機会が増えたからかも知れません。ウイスキーのハイボールを飲んだら珍しくおいしく思えたことがありました。そういうときに聞いたジャズがまた心地良かったのです。

 痛飲は身体にもよくありませんが、気のあった仲間とゆっくり時間をかけてお酒を飲んだり、一人で音楽などを聞きながら飲むお酒も悪くありませんね。

 翻訳家で作家でもあった常盤新平さんのエッセイに、歳を取ってからお酒が好きになったと言う記述があったように記憶しています。私も多少そういう傾向があるのでしょうか。

 夏でしたからサントリーやニッカの安いウイスキーを買い求めて、水割りを飲むようになりました。今は寒いので焼酎のお湯割りにしています。今の瓶が空になったら、今度はウイスキーのお湯割りにしてみようかと思います。

 ウイスキーと焼酎を飲んでみてウィスキーの方が少しおいしく思えるのは、20代の体験によるのかも知れません。あの頃は苦い酒ばかりでしたが。ただほんとうの酒好きではないので濃いめより薄いお酒を時間をかけてちびりちびり楽しみます。

 毎日お酒を楽しむと言うとまず晩酌が思いつきますが、晩酌というのは食事の時飲むお酒のことだそうです。晩ご飯のあとから私はブログを見たり書いたりするので、お酒を飲んでしまうと使い物にならなくなります。

 それで寝る前に飲むことにしました。それまでは寝る直前にお風呂に入るのが習慣でした。それでは酔っ払ってお風呂に入ることになるので、風呂に入る時間を早める事にしてその後から飲むようにしました。いつも遅い私の風呂が早まったので、妻は片付けが早くできると喜んでいます。

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 お酒を飲むと言っても、水割りや焼酎のお湯割りを一杯飲むだけです。お酒を飲みながら、ジャズを聞きます。ちょっとしたフレーズにも引き込まれます。酔いが回ってくるといろいろ思いが広がったり、着想が浮かんでは消えていきます。翌朝には跡形もありません。

 元々あまり強い方ではないので、一杯のお酒でも回ってしまうことがあります。持ったレコードを落としそうになったり、レコードに針を下ろす手つきが心許なくなったりします。

 最近は、心地良い音楽に暖房が加わって、いつの間にかうたた寝をしてしまっていることがよくあります。はっと目覚めるととっくに寝る時間を過ぎていて、慌ててオーディオと暖房のスイッチを切って寝床に向かいます。


 そろそろDの項目は終わりかなと思っていたら、ビ・バップの大物Dizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー)を忘れていました。


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